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年次有給休暇の指定義務に対応するために他の休日や休暇を減らしてはいけない

「特別休暇削減」に指導 使用者の年休指定で 改正労基法施行後問題化

 厚生労働省は、今年4月施行の改正労働基準法により使用者に義務化した年次有給休暇の年間5日の時季指定に関連し、不適切な行為が広がらないよう注意喚起している。年間5日を年休として時季指定する一方で、所定休日や企業が独自に付与する有給の特別休暇を労働日に変更し、実質上、従来からの労働日数を維持しようとする動きが表面化した。労働基準監督署などに労働者からの問合わせが寄せられている。厚労省では新たにリーフレットを作成して周知指導を強めている。

年次有給休暇の指定義務に対応するために特別休暇を減らすことは、いくつかの問題を引き起こす可能性があります。

従業員のモチベーションと士気の低下

特別休暇は、従業員が心身のリフレッシュや家庭の事情などで利用する重要な制度です。これを減らすと、従業員の福利厚生が低下し、結果としてモチベーションや士気が下がる可能性があります。特に、有給休暇を使い切ってもまだ休暇が必要な場合、特別休暇が少なくなることで、休暇を取るための選択肢が狭まり、従業員に不満が生じることがあります。人は今まで与えられていたものを取り上げられると反発します。例えば、今まで使うことができた優待パスを来年から廃止すると決めると、それを利用していた人は反対の立場を取るでしょう。

企業イメージの悪化

特別休暇の削減は、外部から見たときに「従業員に対する待遇が悪化している」という印象を与える可能性があります。従業員の福利厚生を重視する企業文化は、優秀な人材の獲得や維持に重要です。特別休暇の削減は、結果として企業のイメージや競争力に悪影響を及ぼすかもしれません。年次有給休暇の指定義務である年5日分の日数に帳尻を合わせるために特別休暇を減らしたというイメージは良いものにはなりませんよね。

労使関係の悪化

特別休暇の削減は、従業員と会社の間での信頼関係を損なう恐れがあります。今まで取得できた特別休暇を減らして年次有給休暇の増加と相殺するわけですから、従業員はほぼ全員が不満を抱くでしょう。従業員が労働組合を通じて不満を表明する場合、労使関係が悪化し、ストライキや労働争議につながるリスクもあります。特に、有給休暇の消化義務に対応するために特別休暇を削減することが、不公平であると感じられる場合、この問題は深刻化するかもしれません。

法的リスク

特別休暇自体は法的に義務付けられていない場合がありますが、特定のケースでは労働契約や労使協定に基づいて付与されていることもあります。その場合、無断で特別休暇を減らすことは契約違反や労働法違反となるリスクがあります。労働契約や労使協定、就業規則で特別休暇について決めているなら、それを一方的に削減すると不利益変更になります。後出しで約束を変えたら、相手方は不信感を抱きますよね。

年休を5日取ったら、他の休暇が減る?

2019年4月から年間5日の年次有給休暇の指定義務が課せられるようになりました。

仮に10日の年休を付与したとすれば、そのうちの5日分は1年以内に取得できるようにしなければいけません。時季を指定するだけではなく、実際に取得するところまでが義務です。

この年休指定義務に対応するために、会社独自に設定している休暇を減らすところもあるようです。

年に5日分の有給休暇を取るとなった場合、その代わりに他の休暇を5日分減らして、労働日が減らないようにするわけです。

日数上の帳尻を合わせるためですが、このような処理は不適切な行為と判断されるようで、やってはいけない取り扱いです。

「義務で年に5日の有給休暇を取ったのだから、会社が独自に設けている休暇を5日分無くしてしまえば、出勤日が減らないだろう」と考えてのことでしょうが、これはできないのです。

一度与えたものを取り上げると人は反発します。有給休暇と特別休暇を相殺するのは避けるべきです。

有給休暇を取るのに犠牲は要らない

有給休暇を1日取ったら、他の休みを1日減らす。
有給休暇を取ると、残業代が出ない。
有給休暇を取ると、代休や振替休日がなくなる。

このような代償は必要なく、他の休みに影響することなく年次有給休暇を取得できます。

有給休暇絡みで嫌がらせをする人というのはいて、何でそういうつまらないことをするのか分かりませんが、日数に上限があり、使ってしまえば無くなるだけです。

無限に有給休暇を取れるならば何らかの処置もあっていいのかもしれませんが、付与日数は決まっていますから、残日数がゼロになればそれで終わりです。

義務で取得した有給休暇があるから、その分だけ他の休日や休暇を減らすなどという扱いはせず、本人が持っている日数は時季変更権を行使する場合を除いて好きに使えるようにしておく必要があります。

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