「午前、午後」か「4時間、4時間」か。
半日有給休暇を取得するとき、午前を有給休暇にするか、それとも午後を有給休暇にするかで分けている企業は多いかと思います。いわゆる、午前午後型の半日有給休暇です。
しかし、半日有給休暇には、午前午後で分けるパターンだけでなく、4時間と4時間で分ける方法もあります。つまり、1日の勤務時間が8時間という前提で半日有給休暇を取得すると、「半日有給休暇=4時間」なのですから、4時間の休暇(?)を取得すれば半日の有給休暇を取得したことと同じになるという理屈です。
半日有給休暇といっても、午前午後というパターンだけでなく、4時間と4時間というパターンもあって、取得方法は2つあるわけです。さらに言えば、「2時間の有給休暇と2時間の有給休暇を合わせれば半日有給休暇だ」という理屈も展開できます。ただ、ここまで細切れにしてしまってはもはや休暇ではないのではとも思えますが。
では、原則では午前午後方式で半日有給休暇を運用している企業で、ある社員さんが10時から14時までの半日有給休暇を取得したいとリクエストしてきたらどうするのでしょうか。
1、「当社では午前午後で半日有給休暇を運用しているので、4時間という時間指定で半日有給休暇は利用できないんです」と断るか。
2、実質的には「4時間=半日」なので、「わかりました」と受け付けるか。
どちらでしょう。
客観的にルールがあるわけではなく、企業ごとに決める。
法律的には、どちらの対応もOKです。つまり、どちらも法律違反にはならない対応なのですね。
半日有給休暇をどのように運用するかは企業ごとに決めることであって、客観的に決まっていることではありません。午前午後方式で運用してもいいし、4時間という時間単位で運用してもいい。
余談ですが、半日有給休暇と時間単位有給休暇との違いは取得単位の違いでしかなく、実質的にはどちらも時間単位の有給休暇として考えることができますよね。「半日有給休暇=4時間の有給休暇」と考えると、半日有給休暇は実質的には時間単位の有給休暇なのだなと分かります。さらには、1日単位の有給休暇も実質的には「8時間の有給休暇」と考えてしまえるので、1日単位の有給休暇も時間単位の有給休暇と言えてしまうわけです。
今回の問題も、争点は半日有給休暇であるものの、実質的には時間単位の有給休暇が焦点になっていたりするんですね。
「半日=4時間」と考えるならば、1日のうち4時間の有給休暇も可能と考えることができるでしょうし、「半日=午前or午後」と考えるならば、午前と午後を跨ぐ取り扱いはしないと判断することもできます。
ただ、午前午後方式だと、午前の定義と午後の定義が別途で問題になりますね。どこからどこまでが午前で、どこからどこまでが午後なのかをキチンと決めないで午前午後方式の半日有給休暇を運用していると、ちょっとトラブルになるかもしれませんね。
半日有給休暇を採用した時点で、すでに時間単位の有給休暇を採用してしまっているんですね。