失業しなくても雇用保険は使える。
雇用保険は、失業したときに給付(失業手当と一般的に呼ばれている)が出るものと思われていますが、在職時でも利用できる給付があります。
その給付の1つが教育訓練給付金。
厚生労働省が指定した教育訓練を受講すると、その費用の一部が返ってくるというもの。
教育訓練給付金には、一般教育訓練給付と専門実践教育訓練給付金の2種類あり、一般教育訓練給付の方は費用の20%(上限が10万円)が給付金として支給され、専門実践教育訓練給付金の方は50%(上限は40万円から120万円。訓練期間で異なる)が給付金として戻ってきます。
この教育訓練給付金ですが、一般教育訓練給付の申請手続きをする機会がありましたので、申請から給付までの流れを紹介しましょう。
申請から給付金が支払われるまでの期間は3日だった。
教育訓練給付金を受給するには、教育訓練を修了したとの証明書、費用の領収書、教育訓練給付金支給申請書、マイナンバーカードなどの身分証明書、雇用保険被保険者証、振込先金融機関のキャッシュカードもしくは通帳を用意する必要があります。
今回の申請手続きをしたのは、U-CANの通信講座で、講座を終了した後の修了証明書と領収書がU-CAN側から送られ、それらと一緒に支給申請書を管轄のハローワークに提出します。
必要な書類を整えて、ハローワークの窓口に持参すると、書類をチェックして、あれこれと窓口の奥で確認していたようで、どこかに電話をかけて確認もしていました。
修了証明書や領収書の内容を業者に確認していたのか、電話の内容は定かではありませんが、書類が正規に発行されたものだと確認できれば、給付金を支給する決定ができるはずです。
窓口に書類を出して、約20分ほどだったか、手続きが終わった段階ですでに支給決定の書面を受け取れました。
公的な手続きはとかく時間がかかるのが通例で、即日で支給が決定されるとは思っておらず、「もう支給決定したのか?」と少しびっくり。
1週間ほどで給付金が指定の口座に振り込まれるとの説明でしたが、月曜日に手続きを済ませて、2日後の水曜日には給付金が振り込まれていました。
年金の裁定請求だと、年金が支給され始めるまで2ヶ月ほどかかるのですが、教育訓練給付金は即日で支給決定し、2日後には給付金が支払われるという驚きの早さでした。
手続きをする前は、だいたい1ヶ月ほどかかるのではないかと想定していたものの、実際は3日で全て完了という結果に。
全てのケースで同じとは言い切れませんが、申請から支給まではさほど時間はかからないだろうと思います。
U-CANの通信講座を受講する人が多いため、確認作業が早かったのか。他の教育訓練業者でも同じなのか。理由は定かではありませんが、教育訓練給付金は、申請した後は想像よりも早く支給されると考えて良さそうです。
教育訓練が修了した後は、サッとハローワークへ手続きに行けば、スッと給付金が支給されるのではないかと思います。
支給申請書を書くための時間は少し必要ですが、それを作った後は書類を揃えるだけですから時間はかからないはずです。
ちなみに、領収書(コピーを取って、原本は返却)と雇用保険被保険者証は窓口で返してもらえます。
雇用保険被保険者証を紛失する人もいるようですので、被保険者証を手に入れたらスマホで写真を撮って保存しておきましょう。被保険者番号が分かれば、被保険者証を紛失しても申請手続きを進めやすくなります。
雇用保険被保険者証が無いからといって、教育訓練給付金を申請できないというものではなく、名前や生年月日、在籍している(もしくは在籍していた)会社名を窓口で伝えれば、申請手続きはできます。
払い続けてきた雇用保険料を回収する手段
失業しなければ雇用保険から給付は出ない。そう考えていると、在職中はずっと保険料を払い続けるだけになります。
教育訓練給付金制度を利用すれば、1回で最大10万円ほど給付金が出ますから、その分だけ雇用保険料を回収したと考えることができます。
10万円の教育訓練給付金を受けるには、50万円ほどの講座を受講しないといけませんので、費用の8割は持ち出しになります。
とはいえ、身につけたノウハウは自分のものになりますし、給付金という形で雇用保険料がキャッシュバックされるのですから悪くありません。
教育訓練給付金を利用すると、再度、教育訓練給付金を利用するには、さらに3年の期間にわたって雇用保険に加入する必要があります。つまり、3年ごとに教育訓練給付金を利用していくとすれば、10年在職すれば、3回は確実に教育訓練給付金制度を使えます。
払い続けるだけだった雇用保険料を回収する手段として教育訓練給付金を利用するのも良いのではないでしょうか。
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