労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

退職すると健康保険証はいつまで使える?

使用期限

 

 

 


使えるのはいつまで?


会社経由で社会保険に入っていると、在職中は健康保険証を使えます。


その後、何らかの理由で退職するとなったときは、

健康保険証を会社に渡し、
それを会社は「健康保険協会」というところに返却します。

なお、健康保険組合がある会社は、組合健保に保険証を返します。

 


健康保険協会というのは、都道府県ごとに設置されている機関で、
大阪にも京都にも、鹿児島県にも長野県にも
それぞれ1つずつ健康保険協会があります。

 

健康保険料も都道府県ごとに違いますから、
健康保険は都道府県単位で管理されているんですね。

 

自分のところの都道府県の健康保険料を調べる


退職するときは、本人が直接に健康保険協会へ健康保険証を返すのではなく、

会社に本人が健康保険証を渡し、
会社から健康保険協会に返す

というリレー方式になっています。



退職すると、保険証は使えなくなるのですけれども、それはいつまでなのかというと、

<退職する日まで>

です。


もし、退職日が迫っている時期に病院等を利用する可能性がある場合は、
退職日の翌日にならないように注意が必要です。


退職日を先延ばしにしたり、
残っている有給休暇を使って退職日を先送りすれば、
健康保険証を使える期間も延びますから、少しの期間であれば調整はできるかと思います。

 

 

被扶養者の保険証が使えなくなるのはいつ?


被扶養者の身分で健康保険証を使っている場合は、

<扶養が解除された日の前日>まで
保険証を利用できます。


被保険者が退職した場合は、被扶養者の扶養も解除されますから、

被保険者の保険証と
被扶養者の保険証が

それぞれ使えなくなるのは同時だと考えていただければ良いです。

 

 

 

使えなくなった保険証を使うとどうなる?


退職日の翌日以降に保険証を使うと、
<後から費用を請求>されます。

例えば、保険証を使って、病院で支払った料金が1,500円だった場合。
3割負担だとすると、保険で支払われた費用は3,500円。

この3,500円を健康保険協会から本人に請求します。

すでに失効した健康保険証を医療機関の窓口に出すと、それを有効なものと判断して受け付けてしまうため、3割負担になります。

しかし、後から残りの7割を請求され、全額負担になります。

 

手元に保険証があるからといって使えるわけではありませんのでご注意。

 

 


保険料は1ヶ月分払っているのに、月末まで使えない?


仮に、月の半ばで退職すると、その時点で保険証を使えなくなります。


しかし、保険料は1ヶ月分必要で、

「半月しか使ってないから日割りで保険料も半月分だろう」

なんてことはないんですね。

 

スマホの料金だと日割り計算されるときがありますけれども、
健康保険料にはそういう気の利いた仕組みはありません。


ここで、

「じゃあ、退職日は月末にするのがいいの?」
と思うところですけれども、

健康保険の被保険者資格を喪失するのは退職日の翌日ですので、
月末に退職日が来ると、翌月の給与で社会保険料が発生します

 

例えば、6月29日(月末の1日前)で退職すると、
5月まで社会保険に入っていたと扱われます。

この場合、5月分の社会保険料は6月の給与で控除され、
そこで終わりです。


一方、6月30日(月末)で退職すると、
6月まで社会保険に入っていたと扱われます。

この場合、6月分の社会保険料は、
翌月、7月の給与から控除されます。

 

「6月で退職しているのに、
7月の給与から社会保険料が控除されているのは
間違っているんじゃないか」

 

そう思う方も出てくるところですが、
社会保険料は翌月の給与から控除されるため、

6月分の社会保険料が7月分の給与から控除されるというわけです。

 

1ヶ月、余分に社会保険に加入していた場合、
年金額は増えますから、損をしたというものでもありませんが、
健康保険料の部分は、人によって「余分に払ってしまった」
と感じるのではないでしょうか。

 


ですので、

退職日を<月末の1日前>にすると、
社会保険料が控除される際のタイムラグを感じないのです。


<退職日は月末の1日前>
退職するときのちょっとしたコツですね。

 

 

 


退職した後は、健康保険を継続するか国民健康保険に入る。


退職してすぐに別の会社に入れば、そこでまた健康保険に入ります。

つい先日、保険証を返したばかりなのに、また新しい健康保険証を発行するんですね。


すぐに他の会社に入らない場合には、
「任意で健康保険を継続する」という選択肢があります。
保険料は全額負担ですが、在職していた頃の健康保険と同じものを利用できます。

 

また、自営業で商売するとなれば、市町村が運営する国民健康保険に入ります。

さらに、法人を設立して、そこを経由して健康保険に入るという選択肢もありますね。


退職したら健康保険を任意継続するか、それとも国民健康保険に入るか。

 

 

マイナンバーカードが健康保険証になれば、返却は不要になる。


健康保険証を発行すれば、退職時に回収しなければいけないのですから、
マイナンバーカードを健康保険証として使えば、
<発行と返却の作業が不要>になります。

被保険者資格を取得するたびに保険証を発行して渡すため、
お金も時間もかかります。

さらに、<入社して数日経たないと保険証が手元に届かない>
という不便さもあります。

退職すれば、会社経由で健康保険協会に保険証を返却するわけですから、
ここでも費用が発生します。

 


マイナンバーカードを健康保険証として使うと、

 

1.被保険者資格の取得と喪失は、
データを書き換えるだけで手続きが終わる。
手続きが完了するまでの時間が短縮されます。

2.カードを発行しない。
さらに、退職時に回収する必要もない。

3.入社した日から健康保険証を使える。
カードは手元にあるし、資格取得の手続きはデータを書き換えるだけで終わる。

4.退職日の翌日以降に保険証が使われるのを防ぎやすい。
マイナンバーカードを使って医療機関で利用者認証すれば、
保険を使えるかどうかが分かる。


発行と回収の作業が無くなるという点だけでも魅力ですから、
是非とも切り替えて欲しいと思っているのですが、まだ実現していません。

 

 

 

マンガで健康保険を知る。


マンガで健康保険を説明したウェブサイトが健康保険協会で用意されています。


「マンガで学ぶ!健康保険」のご案内

 

  1. 使おう!ジェネリック医薬品 
  2. 年に1度は健診を受けよう!
  3. 限度額適用認定証を利用しよう!
  4. 突然の休職にも安心の傷病手当金!
  5. 歯から始める健康づくり
  6. 禁煙は健康への第一歩!
  7. 医療費の全額を負担したとき
  8. 保険証は正しく使おう
  9. 整骨院・接骨院は正しく利用しよう!


保険証の返却に関連するのは、8の『保険証は正しく使おう』という部分です。

分かりやすく、読みやすい内容ですし、健康保険では頻繁に問題になる9つの内容ですから、全部見ておくのをオススメします。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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