- 休憩のようで休憩じゃない。けれども休んでいい時間。中途半端な対応がトラブルを招く
- 小休止が必要ならもっと休憩時間を増やせばいい。給与が付く休憩を作らない
- 休憩と小休止の性質は同じなのか
- 労務管理での休憩と小休止の取り扱いは違う
休憩のようで休憩じゃない。けれども休んでいい時間。中途半端な対応がトラブルを招く
仕事をしていると、徐々に気持ちが散漫になり、集中できなくなってくる。そういうとき、ちょっと息抜きをしたり、休憩を取って気分をリフレッシュするでしょう。トイレに行ったり、コーヒーを飲んでみたり、外を散歩してみたりと、方法は色々とあります。人によっては、会社の外に出てカフェに行っちゃう人もいるかもしれませんね。
仕事の息抜きとして休むのは休憩だと思えるのですが、休憩とまでは扱わない「小休止」という妙なものが現実にあります。休憩というと、労働基準法34条(以下、34条)に書かれている休憩時間が正式なものですが、仕事の現場ではそれとは別に小休止というものがあります。
もちろん、どこの会社でも小休止があるわけではなく、休むのは休憩時間だけという職場もあります。しかし、私の経験では、多くの会社で休憩とは違う小休止がありました。休憩時間は勤務時間から控除しますが、小休止中は仕事を休んでいるものの、その時間は勤務時間に含まれます。
休憩時間ではないけれども、ちょっとだけ休んでいい。ちょっとならOKだけれども、タップリと休むのはダメ。お茶を飲むのはいいけれども、カフェに行くのはダメ。職場によって対応がバラバラで、基準も無いし、何分まで休んでいいのかも不明。何だか捉え所が無いシロモノですが、小休止は現実に存在しています。
基準がなく曖昧なものだから、人によって小休止の定義が違います。例えば、カフェに行ってもいいじゃないかと判断する人がいる一方で、カフェに行くなんてあり得ないと考える人もいる。
何分まで小休止していいのか。5分だけか。それとも15分ぐらいでも構わないのか。何も決めていないから、何でもありです。喫煙者は非喫煙者よりも小休止が多いのも気になるでしょう。1日に何本も喫煙するには、そのために時間が必要ですから、自ずと職場での小休止も増えます。喫煙しない人にとっては、「喫煙する人は何だか休憩の時間が多いような気がする」と思えてしまう。
捉え所が無い雲のような小休止ですが、労務管理ではどのように対処すれば良いのでしょうか。
小休止が必要ならもっと休憩時間を増やせばいい。給与が付く休憩を作らない
最も簡単な方法は、休憩時間以外に休憩してはいけないと決めてしまうことです。しかし、仕事中には、トイレに行くこともあれば、飲み物を飲むこともありますから、休憩以外の時間を排除するのは困難です。
上記以外の方法を考えると、休憩時間を増やすのもありです。34条では、勤務時間が6時間超で45分の休憩、8時間超で休憩時間が1時間です。この基準は休憩時間を設定する際の目安になりますが、必ずしもこの基準通りに休憩を設定する必要はありません。
勤務時間が6時間を超えないと休憩時間を設けてはいけないというものではなく、3時間で15分の休憩を設けてもいいし、4時間で15分の休憩を設けてもいい。5時間で30分という休憩もアリです。34条の基準は最低ラインですから、このラインを下回らない範囲で休憩を設定するのは構いません。
人間の集中力が持続するのは、約45分程度です。ということは、45分ごとに、10分なり、15分の休憩を挟み込めば、良い状態で仕事を続けられるはずです。
学校だと、小学校から高校までは45分で1コマ分の授業が設定され、10分の休憩が挟まっていました。大学からは90分で1コマになり、ここでも休憩は確か10分だったかと記憶しています。
45分では短いので90分ならどうかと思うところですが、集中力を維持するには90分は長すぎます。興味を持てる授業ならば、90分でも平気ですが、つまらない授業だと30分で飽きます。
45分仕事をして、15分休憩する。これを1時間で1セットとすると、8時間で120分(15×8)も休憩時間が発生します。ここに昼休みの時間が1時間入るとなると、合計で3時間になる。となると、8時間勤務を維持するならば、終業時刻を3時間、後ろにズラす必要があります。
これでは休憩の時間が多すぎますね。やはり90分ごとに10分の休憩ぐらいの間隔が妥当なところでしょう。
今まで通り、曖昧なままの小休止を残しても良いですが、ハッキリと休憩時間として位置づけるならば、上記のように休憩時間を小刻みに設定するのも良いでしょう。
休憩と小休止の性質は同じなのか
会社では、一定の時間働くと、休憩時間がありますよね。
15分とか、30分とか、60分とか、勤務時間に応じて休憩時間も決まっているはずです。
ところが、休憩時間とは別に、「小休止」という休みを取っている人もいるのではないでしょうか。
小休止とは、「少し休むこと。こやすみ。小休。仕事の途中でとる小型の休み」のことです。
では、「休憩時間」と「小休止の時間」というのは、同じものなのでしょうか、それとも、違うものなのでしょうか。
休憩時間についてはきちんと定義されていることが多いのですが、小休止については曖昧に定義されていることも多いので、疑問を抱くところです。
休んでいるという点では両者は同じですよね。
労務管理での休憩と小休止の取り扱いは違う
一般に、「小休止は休憩ではない」と考えている会社は少なくないはずです。
小休止の具体例としては、
・喫煙のために小休止。
・飲み物を飲むために小休止。
・化粧直しのために小休止。
・気分転換のために小休止。
・トイレに行くために小休止。
などがあるでしょうか。
では、このような小休止が休憩時間として扱われるかどうかと言うと、ハッキリしないことも多いのではないでしょうか。
「ちょっとした息抜きだから、休憩時間ではなく勤務時間として扱う」という会社もあれば、「休んでいるのだから、休憩時間として取り扱う」としている会社もあるでしょうね。
他にも、「数分程度(3分から5分でしょうか)の休みが小休止だから、休憩時間としては考えていない」という会社もあるかと思います。休憩時間を労働時間から控除しないという形ですね。
それゆえ、会社ごとにバラツキがあり、人の主観も入るために、小休止の定義は曖昧です。
ただ、あまり長い休みを取ると、小休止ではなくなるようです。基準無く扱われているのが小休止ですので。
例えば、20分の小休止というのは有り得ないでしょうし、15分の小休止というのも休憩時間っぽいですよね。このように主観で判断せざるを得ないのです。
例えば、喫煙のための一服の時間は、休憩時間ではなく小休止と考えると、喫煙する人の休み時間が多くなり、喫煙しない人の休み時間は少なくなってしましますね。
これは不公平な感じもします。
現場では、少々の不公平感はあっても、小休止というものを、あえてファジーな状態にしているのかもしれませんね。
私は喫煙しないのですが、不満という感覚を抱くほどではありません。
個人のモラルで運用されているのが小休止なのでしょうか。