- 休憩じゃない小休止だ、という屁理屈
- 休憩が少ないから喫煙のための小休止が必要なのか
- 一服は休憩ではない? 水分補給やトイレは喫煙とは違う
- 小休止も積み重なれば休憩であって、時間の長さが違うだけで両者は実質では同じもの
休憩じゃない小休止だ、という屁理屈
筆者は喫煙しないので、喫煙者の気持ちが分からない部分もありますけれども、喫煙者と非喫煙者の差というのは労務管理でも問題になりますね。
喫煙しない人は休憩時間に休憩するだけですが、喫煙者の場合は「ちょっと一服」と言ってちょくちょくと「小休止」します。小休止というのがクセモノで、休憩ではないが、ちょっと一息つく時間のように扱われています。
辞書では、小休止は、「少し休むこと。こやすみ」と定義されています。一方、休憩は、「何かを行なっている途中で,少しの間休むこと」と定義されています。
少し休むという点では同じで、辞書の定義では違いが分かりませんね。しかし、職場では、休憩時間は勤務時間ではないものの、小休止は勤務時間として扱われています。
そのため、喫煙しない人にとっては、「喫煙する人は休憩が多い」と思えてしまうのですね。
一方で、喫煙する人の立場だと、「ちょっと一服するぐらい、いいじゃないか」と思える。飲み物を飲むための小休止やトイレに行くための小休止もありますから、それと似たようなものと考えているフシもあります。
休憩時間に限って喫煙すればいいとも考えられますが、それも確かにもっともですけれども、それでも小休止して喫煙する人がいます。
休憩が少ないから喫煙のための小休止が必要なのか
労働基準法では、6時間勤務で45分。8時間勤務で1時間の休憩があります。
この休憩時間ですが、どうも少ないのではないでしょうか。長年、労働基準法で変わることの無い休憩の規定ですので、これが当たり前だと考えてしまいますが、人間の集中力はすぐに切れるものです。
学生の頃は、45分で10分の休憩があり、大学だと90分で10分の休憩があります。高校までは45分で休憩が入るのですが、なぜか大学に行くと授業時間が倍になります。
90分ごとに休憩だと、途中で集中が途切れます。50分ぐらいでアクビが出て、70分で「今日のお昼ゴハンは何にしようか」などと考えている。
集中力を維持するには、45分区切りは結構良かったのだと大学生の頃に思ったものです。
人間が集中できる時間は45分だとすると、職場でもこれぐらいの間隔で休憩を入れこむほうが良さそうです。
45分で15分休憩だと多すぎるならば、1時間あたり15分が休憩とか2時間で15分とか、勤務時間と休憩をどのように配分するかは自由です。
仮に1時間毎に休憩を入れるとなると、8時間勤務の場合、7×15 = 105分となります。終業時点で休憩は不要ですので、合計7回の休憩が入ります。途中で昼休憩があるなら、さらに1回減らして、合計6回でもいいですね。
15分休憩が6回だとすると、90分になりますから、その時間の分だけ終業時刻を後ろにズラすと所定労働時間を確保できます。もちろん、終業時刻ではなく、始業時間を早めて調整するのもいいし、両方でもいいでしょう。
これだけ休憩が入れば、喫煙のために小休止は必要ありませんし、喫煙しない人もブレイクタイムを入れられるので、良い方法です。
喫煙タイムが気になるならば、小刻みな休憩を増やして対処してみてはいかがでしょう。喫煙者の休憩時間が増えますが、労働時間から控除できますので、それでも喫煙休憩を取りたいのかどうか。
一服は休憩ではない? 水分補給やトイレは喫煙とは違う
喫煙している人は、仕事が一息つくと、ちょっと一服と思い、喫煙所に行って小休止をとることがありますよね。
仕事をしていれば、気分転換のために小休止をとって、コンディションを整えることもあるでしょう。
しかし、「喫煙者の小休止」と「非喫煙者の小休止」ではちょっと状況が異なります。
喫煙の小休止をするの特徴としては、頻繁に喫煙のための小休止を取る傾向があるようです。喫煙には依存性がありますから、ちょっと時間ができれば一服をとなりがちで、1時間に1回、30分に1回という間隔で小休止を取る人もいるのですね。さらに、一服ごとに喫煙所で談笑したりするわけです。
一方、喫煙しない人も小休止を取るものの、自動販売機で飲み物を買って飲んだりして、ちょっとした談笑をする程度であって、時間の間隔も3時間か4時間に1回程度ではないでしょうか。
この喫煙者と非喫煙者の"差"をどう考えるのかというのが問題の焦点です。
トイレに行ったり、水分を補給するのは誰しもがすることですけれども、喫煙は一部の人だけがすることですから、この両者を同じものとして考えるわけにはいかないでしょう。
小休止も積み重なれば休憩であって、時間の長さが違うだけで両者は実質では同じもの
「小休止」という言葉はなかなかの曲者で、休憩時間ではないけれども、休憩に準じた性質を持つ取り扱いに困ることがある存在です。
休憩時間ならば、何時間かの間隔で何分というように設定されているでしょうから、管理に困ることはあまりないのかもしれませんね。
しかし、小休止となると、雇用契約書や就業規則にその内容が書かれていないことがほとんどで、社員の自主性に任せているのが実情かもしれません。
喫煙のための小休止といっても大した時間ではないので、あえて何かを決める必要はないと思えますが、小休止における「喫煙者と非喫煙者の差」には気を向けておいた方が良いでしょう。
例えば、5分の喫煙のための小休止(「一服+談笑」で構成される時間)を、10回取れば、50分になりますよね。50分の小休止となると、もはやこれは小休止ではなく休憩です。さらに、12回取れば、1時間の休憩です。
おそらく、喫煙のための小休止が細切れ時間であるために、実態は小休止ではなく休憩であるにもかかわらず、その実態が隠されてしまっているのではないかと思います。
もちろん、小休止自体を取るべきではないというわけではなく、小休止もその頻度によっては休憩と同視するべき状況もあるということです。喫煙者の小休止は、非喫煙者の小休止に比べて頻度が高いですから。
せめて、喫煙は休憩時間のみとすることで、「喫煙者と非喫煙者の差」を少なくすることができるかもしれませんね。
勤務時間や残業時間を集計して、基本給と割増賃金を計算していかなきゃいけないのが給与計算です。メインの仕事とは違うバックヤード業務である給与計算にかける費用や時間は、なるべく少なくしていくのが良いのでは。