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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2008/12/10号 no.45)━
■■ クレドを就業規則に組み込む
■■ 一石二鳥の工夫
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就業規則とクレドを組み合わせる
「クレド」と言えば、リッツ・カールトンホテルの
クレドが有名です。
クレドとは、ラテン語で、「信条。信念」という意味があります。
現場では、企業の理念とか、方向性、使命のようなものを
簡潔に文章化して、携帯可能なポケット冊子にしたものが
用いられているようです。
冊子というよりも、カードと言う方が適切かもしれませんね。
リッツ・カールトンホテルに影響されて、クレドを採用する
企業もチラホラとあります。
理念を浸透させる方法としては、有用なもののようです。
何時でも携帯できるものだと、
毎日、目にはいりますし、読むこともあるでしょう。
では、このクレドを就業規則の中に組み込んでしまえば、
就業規則もクレドと一緒に、見られたり読まれたりする
のではないかと思うのです。
就業規則を見てもらうきっかけを作る
現実には、就業規則を読んだことがある人は、意外と少ない
ものなのです。
「見たことは無い」
「読んだことは無い」
そんな人は多いです。
自分自身にとって大事なことが書かれているのですが、
読みたくなどないのか、読みたくても読めないのか、
理由は様々です。
・入社の時に配布してもらえなかった。
・社長室に置いているから、読みたくても読めない。
・就業規則はあるが、会社に備え付けていない。
・イントラにアップされているが、一部の人しか閲覧
できない(ログイン制限)ようになっている。
など。
端的に言えば、読めない最大の理由は、「手に届く範囲に
就業規則が無い」という点ではないかと思います。
せっかく作っているものですから、読んで欲しいものですよね。
何とかして、読んでもらう工夫ができないものでしょうか。
会社と従業員の決まりごとへの接触頻度を上げる工夫
より接触頻度の高いものと、接触頻度の低いものを組み
合わせるという発想です。
具体的には、
就業規則の冒頭にクレドの章を作って、その後に就業規則の
本則を続けて書いていくというものです。
そして、この内容は小冊子にして、携帯できるようにして
おきます。
若干、分厚くなるという難点はありますが、おそらく、ミニ文庫
サイズぐらいにはできるでしょう。
毎日、クレドの部分を見たり読んだりしているうちに、
就業規則の部分にも目が行くという仕掛けです。
この仕組みならば、就業規則への接触頻度は向上するはずです。
就業規則というのは、会社としても、社員さんに知っておいて
欲しいことが多く書かれているものですから、より多頻度で
目に入るのが望ましいです。
理念を浸透させることができて、なおかつ、会社のルールも
浸透させることができる。
まさに、一石二鳥です。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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