雇用保険料が免除されていた期間が終了
平成29年の1月1日までは、65歳以上の人は、高年齢継続被保険者という加入形態になる場合を除き、雇用保険に入る必要がありませんでした。
その後、平成29年の1月1日以降は、雇用保険の被保険者、高年齢被保険者という名称で加入することになりました。
ただし、雇用保険に加入する高年齢被保険者の保険料に関しては、令和2年の3月末までは特例で免除されています。
つまり、雇用保険には加入するけれども、保険料は無しでも構わない、という扱いだったのです。
雇用保険料は社会保険に比べて少額ですから、さほど嬉しいものでもありませんが、約3年ほど免除されていたとなれば、ちょっとした金額にはなります。
4月分の雇用保険料は5月の給与から控除
令和2年4月1日以降は、高年齢被保険者の給与から雇用保険料を徴収する必要があります。
保険料は、当月分を翌月分の給与から控除する事業所が多いですから、その場合は、4月分の雇用保険料は5月の給与から控除します。
ここで、「月をまたいだら、保険料はどうなるのか」と気になるところ。
例えば、給与の締め日が毎月20日で、給与の支払日が月末だとしましょう。
この場合、3月21日から4月20日までの期間が給与の計算期間になりますが、3月と4月の境目を跨いでしまったら、保険料をどう計算するのか、と疑問になるところです。
雇用保険料は、月ごとに判断するもので、4月に支給された給与を基準に、4月分の雇用保険料を計算します。給与を計算する期間が3月に入り込んでいても。
4月の末に支給された給与は、4月分の給与ですから、それを基準にして、雇用保険料を計算します。
3月21日から3月末日までの期間は、3月の給与が支給されており、雇用保険料の計算から外すのではないかと思えるところですが、3月にかかっている部分の給与を除いて計算するのではなく、4月分として支給された給与を対象にして、4月分の雇用保険料を計算するのです。
なお、保険料を給与から控除する対象となるのは、令和2年4月1日時点で、64歳以上の人です。
すでに65歳になってる人はもちろん対象ですが、年度が開始される4月1日時点で64歳の人は、令和2年度中に65歳になるわけですから、雇用保険料を4月分の給与から控除するというわけです。
65歳以上の人だけが対象なのだろうと考えてしまうと、漏れが発生しますから、4月1日時点で64歳になっている人がいたら、雇用保険料を控除しなきゃいけないんだ、というのが注意点になります。