職場での休憩時間のキホン
労働基準法における休憩時間の主なルール:
休憩時間の付与義務:
休憩時間の一斉付与の原則:
休憩時間の自由利用:
当日中に取得する必要性:
休憩を貯めて、一気に取る
【6時間を超えて勤務する場合は、45分以上の休憩が必要】
【8時間を超えて勤務する場合は、60分以上の休憩が必要】
これが法律で求められている休憩時間です。
会社によっては、追加で、
午前中に15分休憩を入れたり、
午後に15分の休憩を入れることもあるでしょう。
そんな休憩時間ですが、
【この間は午後にある15分の休憩を取らなかったから、
今日は30分の休憩を取れる】
なんていう運用は可能なのでしょうか。
例えば、
毎日、午後になると15分の休憩時間がある職場で働いているとして、
月曜日に15分休憩を取らずに、
火曜日に時間をまとめて午後に30分の休憩をとっても良いのかどうか。
これはマシュマロ・テストに似ていますね。
15分の休憩を取らずに、他の日に一気にまとめて取る。
目の前にある1つのマシュマロを食べてしまうのではなく、
しばらく我慢して2つのマシュマロを手に入れる。
休憩時間を持ち越したとしても、
休憩が減っているわけではないですし、
言うなれば
【質量保存の法則】
は成立していますからね。
「だからいいじゃないか」
という理屈も分かります。
休憩はその日のうちに取るもの
8時間勤務する日には、60分以上の休憩時間が必要です。
お昼に60分の休憩があって、
食事するなり休むなりしますね。
もし、この60分の休憩時間のうち15分を
他の日に持ち越したらどうなるか。
月曜日は45分だけ休憩して、
火曜日は、前日の15分を追加し、
お昼に75分の休憩を取ったとしましょう。
月曜日と火曜日の合計では、
休憩時間は減っていないので、
「こういう休憩のとり方でもいいんじゃないの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、
これは法律違反になります。
火曜日は60分以上の休憩時間がありますから問題ありません。
しかし、
月曜日は45分の休憩で、
法律で決まった最低限の休憩時間まで15分足りません。
一定の労働時間ごとに休憩時間が定められているため、
休憩を他の日に持ち越してしまうと、
必要な休憩時間が取れない状況になってしまいます。
会社独自に追加している休憩は持ち越せる
法律で決まった休憩時間は、
当日中に取らないといけませんが、
会社独自に休憩時間を上乗せしている場合は話が変わります。
先程書いたものですが、
昼の60分休憩とは別に、
午後に15分の休憩がある職場で、
この15分の休憩を他の日に持ち越したとしましょう。
お昼の休憩は法律上必要なものですが、
午後の15分休憩をどう扱うかは会社の裁量に任せられています。
ですから、
月曜日の午後にある15分の休憩を
火曜日に持ち越して、
30分の休憩を火曜日に取ったとしても、
これは法的には問題ないんですね。
会社独自に設定している休憩時間ならば、
貯めたり、持ち越したりすることは可能です。
法律で決まっていない休憩時間ですから。
数分程度の休憩を、
あえて別の日に持ち越す利点がどれほどあるのかは不明ですが。
しかし、
誰がどれだけ休憩時間を貯めているのかを
把握できるのかという問題があります。
個々人が好きなように休憩時間を持ち越したり、
まとめて取ったりしても、管理できるのかどうか。
休憩はその日のうちに取るようにした方が
分かりやすいですし、
誰がどれだけの休憩を持ち越しているのかを
把握する必要もありません。
休憩時間が少ないから持ち越しをしているならば、
休憩時間そのものを長くするのも1つの方法です。
法律では60分以上の休憩時間があればOKですので、
例えば、1日に120分の休憩を取れるとか。
休憩を多めに設定して、
持ち越しするのを止めさせるのが良いのではないかと思います。