労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

2010/10/15【休暇を設計しないで休暇を増やす】



┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  メールマガジン 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所 http://www.growthwk.com?ml=20101111_20100926
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2010/10/15号 no.231)━









■休暇を設計しないで休暇を増やす◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
「法定外有給休暇」を利用する。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



■休暇を作るための条件。



休みの日は大きく分けて2つある。1つは休日で、もう1つは休暇だ。

休日は日曜日であったり土曜日で固定されていることが多いし、シフト制で休日をやり繰りしているところでも週に1日や2日の休日が設定されている。また、祝日も休日で、カレンダーで固定されている。

一方、休暇は固定的に運用されるものとは限らず、組織の環境によって変わる。例えば、創業記念日休暇のある会社もあれば、無い会社もある。リフレッシュ休暇がある組織があれば、無い組織もある。慶弔休暇や資格取得休暇なども同様だ。

組織内の管理規定は、組織の大きさに比例する。組織が小さいときは、細かなルールを設定しておらず動きやすい反面で、現実の出来事に適用するルールが無い状況になると困ることもある。他方、組織が大きくなると、ルールが整備されるので、現実に起こりうる出来事への対処しやすい反面、「管理規定のための管理規定」のように妙に過剰なルールを作ってしまう。

大きな組織ほど休暇の種類も多く、有給休暇だけにとどまらず、アニバーサリー休暇、教育訓練休暇、資格取得休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇、創業記念休暇などなど、多種多様の休暇が設定されていることもある。

もちろん、休暇が多いから良いとか悪いとかという判断をするわけではないし、休暇が少ないからどうこうという判断をするわけでもない。

ただ、休暇を新しく設定するには条件の設定が必要で、この手間をかけてまで休暇を設計するほどなのかどうかを考えてみるのは有益ではないかと考えています。

休暇を新しく作るとなると、休暇の名称、付与条件(男性なのか女性なのか、それとも両方なのか。他にも、年齢、勤続年数、出勤状況、週契約日数などで分けるのがよくあるパターンか)、付与日数(一律の日数なのか、それとも利用者ごとに異なるのか)などを設定しなければならないので、簡単にポポンと作業を終わらせるというわけにはいかない。さらには、休暇の申請期限をどうするのかとか、また、休暇の有効期限も考慮する必要があるかもしれない。

1つの休暇を設計するだけでも、考えるポイントは少なくはないのですね。






■あえて休暇を作らない。



休暇を設計する手間を省くために最も容易な方法は、休暇を作らないことです。休暇を設定しなくても、通常通りの休日がありますし、祝日もある。さらには有給休暇もある。だから、さらに追加的に休暇を設定しなくても良いではないかと考えるわけです。

しかし、組織が大きくなると、休日や祝日、有給休暇だけでは物足りなくなり、ほぼ確実に休暇を増やす方向に向かいます。何か理由を考え出し、それを休暇を設定するための根拠にして休暇を増やしていくわけです。小さな組織ほど管理ルールはシンプルで、大きな組織ほど管理ルールが複雑になるのはやむを得ないのでしょうが、できることならば「大きな組織だけど、管理ルールはシンプルだ」という状況を作り出したいと思う人は多いはずです。

そこで、使えるのが「任意有給休暇」ではないかと私は考えています。

任意有給休暇とは、別名で法定外有給休暇と表現してもいいですが、企業が独自に設定する有給休暇です。有給休暇というと、一般には労働基準法39条のものを想定しますが、これは「法定有給休暇」です。一方、今回のものは「法定外有給休暇」です。

なぜ任意有給休暇が使えるのかというと、任意有給休暇を設定すれば、個々の場面に合わせて休暇を設定する手間を省略できるからです。

つまり、誕生日休暇とか資格取得休暇などを設定すると、各休暇ごとに条件を設定しなければいけませんし、就業規則にもそれぞれ記載が必要になります。しかし、任意有給休暇を設定し、休暇が必要なときは任意有給休暇を使うようにすれば、個別に休暇を設計しなくてもいいわけです。

任意有給休暇を誕生日休暇にしてもいいし、資格取得休暇として使ってもいい。さらには、慶弔時の休暇として使ってもいいし、リフレッシュ休暇として使うのもアリです。

使途を限定して個別に休暇を設定するのではなく、1つの休暇をドーンと置いておいて、そこから個別の理由ごとに利用していけば、制度を設計する手間と時間を多く省くことが可能です。









■1つの休暇で個別の場面に対処する。



休日、祝日、有給休暇だけで十分だと考えている企業ならば、今回のような任意有給休暇は必要ないかもしれません。ただ、もし上記の休日や休暇以外に新たに休暇を設定しようかと考えている企業ならば任意有給休暇は検討に値するだろうと思います。


実際に休暇を設計した経験がある方ならば分かるかと思いますが、設計段階でも随分と時間を使いますし、さらには実際に運用してみると意外な穴があったりしてパッチを充てるのに苦労したりします。例えば、休暇の有効期限を設定し忘れていると、「休暇は取得からいつまで利用できるんですか?」などとツッコミを受けたりするのですね。「対象者は正社員だけですか?それとも、パートタイム社員も対象ですか?」という指摘もありそうですよね。

「個別の場面に対応した個別の休暇」を作るのではなく、「個別の場面に対応できる1つの休暇」を作るのが便利なのかもしれません。個別に条件を設定して休暇のメニューを増やすのではなく、汎用性の高い休暇を1つだけ設定し、その休暇で様々な場面に対処することで、制度設計の労力を軽減するのが狙いです。

まさに、「休暇を設計しないで休暇を増やす」と言うべきでしょうか。


任意有給休暇は名前の通り任意ですから、休暇の名称の設定は自由ですし、その条件の設定も自由です。有効期限は必ずしも2年でなくてもいいですし、翌年度へ繰り越すことが可能かどうかも企業ごとの裁量で決めることが可能です。

「休暇を1つにまとめる」という発想もあっていいのではないかと思います。









今回も、メルマガ【本では読めない労務管理の「ミソ」】を
お読みいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理のヒント

http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_2

ニュース

http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_3


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃メルマガの配信先アドレスの変更は
http://www.growthwk.com/entry/2008/11/28/122853?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_4

┃メルマガのバックナンバーはこちら
http://www.growthwk.com/entry/2008/07/07/132329?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_5

┃メルマガの配信停止はこちらから
http://www.growthwk.com/entry/2008/06/18/104816?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_6


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

┃労務管理のヒント
http://www.growthwk.com/entry/2014/04/07/135618?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_7
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

┃ニュース
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/12/082406?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_8
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

┃メニューがないお店。就業規則が無い会社。
http://www.growthwk.com/entry/2007/11/01/161540?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_9

┃山口社会保険労務士事務所 
http://www.growthwk.com?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_10

┃ブログ
http://blog.ymsro.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_11

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=mailmagazine&utm_medium=cm&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_12

┃電子タイムカード Clockperiod
┃始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計。
┃できれば勤怠集計の作業は随分とラクになるはず。Clockperiodは、
┃出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカードや出勤簿で
┃勤務時間を管理している企業にオススメです。
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_13


┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=mailmagazine&utm_medium=mel&utm_campaign=mailmagazine_mel_HT_15

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
お問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所