book397(社員に周知されていない就業規則は有効なの?)





■会社が一方的に作れるのが就業規則。



就業規則は、会社の社内ルールを文書にしたもので、社員数10人以上の会社では作らなくてはならない規則ですね。

勤務時間、休日、休暇、賃金、服務規程などなど。社内のルールとして決めていることは一通り就業規則に含めるのが通例です。


ただ、退職金や賃金のようにボリュームが多くなる項目については、就業規則とは別の規定として作ることもあります。もちろん、ボリュームが多くないならば、就業規則の中に全て含めても構いません。必ずしも別の規定として作る必要があるわけではないのですね。

就業規則を作成したり変更したりするときは、会社がその内容を決めて、就業規則の体裁に整えていきます。

そして、完成してから、「従業員代表の意見」を書面で添付しますね。この意見が否定的な意見であっても、就業規則を有効なものとしてしまうこともできます。

さらに、出来上がった就業規則を周知することも必要なのですが、この周知をキチンとしない会社も多いのではないでしょうか。





■社員に周知しなくても就業規則としての体裁は保っているが、、、。


実務では、会社の判断で就業規則を作成し、また変更することができますので、社員の判断や意見が必ずしも斟酌されるとは限りません。

また、出来上がった就業規則を周知することも労働基準法では義務ではなく、労働契約法でも就業規則を周知させることについては書かれていません。

「就業規則法」という法律があれば良いのかもしれませんが、今はありません。

ゆえに、就業規則の作成や変更、周知については企業の自治に任されているのが実情ですね。


就業規則を利用して労働契約を不利益に変更する場合ならば、労働契約法9条により、「就業規則を変更することで労働契約の内容を不利益に変更することはできない」というルールがあります。

しかし、「就業規則そのものを不利益に変更する」ことまで労働契約法で決めているわけではないのですね。

中には、「周知していない就業規則は有効ではない」とする判断もありますが、これは判例などの実務上の判断としてはあり得ますが、条文上の根拠はありません。



山口正博 社会保険労務士事務所
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