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副業の労務管理 2つの会社で働くパートタイマー

1人2職

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■2カ所で働くパートタイムの人◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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勤務時間を分散できるという利点。
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「1つの会社で集中して仕事」vs「2カ所以上の会社で分散して仕事」

パートタイムで働く人は、1カ所だけで仕事をしている人が多いのではないでしょうか。

「週5日勤務で、1日6時間で仕事をする」というような例が多いのかもしれませんね。

中には、夫や妻の扶養になっているから、扶養控除のことを考慮したり、健康保険の被扶養者のことを考慮したりして、働く時間を調整している人もいるでしょうね。

あまり長い時間働いてしまうと、控除がなくなったり、健康保険に自分で加入したりしないといけなくなるので、調整をするんですね。

ただ、パートタイムで働く人の中には、1カ所だけでなく、2カ所以上の職場を掛け持ちして仕事をしている人もいるでしょう。

理由は様々でしょうが、1つでは足りないので、追加的に仕事をしているのが大半かもしれません。


ここで、パートタイムで働く人には、2つのタイプがあることが分かります。

「1カ所だけで仕事をする人」と「2カ所以上で掛け持ちして仕事をする人」ですね。


この両者では、公的保険や税金の扱いが少し変わることを今回は書きます。

同じパートタイムであっても、「職場を集中させている場合」と「職場を分散させている場合」では扱いが変わるのですね。








仕事を分散すると、雇用保険や社会保険が変わる

例えば、ここに柴田さんと熊田さんという2人の人物(どちらも仮想の人物です)がいるとします。この2人はともにパートタイムで働き、柴田さんはA社で働き、熊田さんはA社とB社の2つの事業所で働いているとします。

つまり、柴田さんは「1カ所だけで仕事をする人」であり、熊田さんは「2カ所以上で掛け持ちして仕事をする人」ですね。

さらに、柴田さんはA社で週36時間働いており、一方、熊田さんはA社で週18時間、B社で週18時間働いています。

このとき、柴田さんと熊田さんの公的保険(雇用保険、健康保険、厚生年金)はどうなるかを考えたいと思います。


柴田さんは週36時間ですから、全ての公的保険に加入しています。ほぼフルタイム勤務ですからね。

一方、熊田さんはどうでしょうか。

雇用保険には加入しているでしょうか。また、健康保険には加入しているでしょうか。さらに、厚生年金には加入しているでしょうか。

ちなみに、柴田さんも熊田さんも、仕事の時間は週36時間ですので、働く時間の「総量」は同じです。ただ、熊田さんの場合、「18時間×2事業所」というように分散されているのが柴田さんと違う点ですね。

答えを言うと、熊田さんは、雇用保険にも、健康保険にも、厚生年金にも加入していないはずです。

なぜならば、熊田さんの勤務時間は「週18時間」だからです。

ここで、「ええっ? 週36時間でしょう?」と思うかもしれませんが、公的保険の事務では週18時間として扱われるのですね。

A社では週18時間の勤務ですから、どの公的保険にも加入しない。一方、B社でも週18時間の勤務ですから、どの公的保険にも加入しないのですね。

「公的保険では、異なる事業所間の勤務時間は通算されない」という特徴がありますので、事業所を分散して仕事をすると、公的保険の扱いが変わってしまうのですね。


もし、異なる事業所間で勤務時間を通算するとなると、公的保険の保険料は労使折半ですから、事業所が保険料を負担しなければいけないですよね。

ところが、2カ所以上で仕事をする人には、「事業主が負担する保険料を確定できない」という事情があるのです。

勤務時間は常に固定されているとは限りませんし、2つ以上の事業所での勤務時間を通算する作業も困難です。

ゆえに、A社とB社で、50:50で事業主保険料を負担するのは実務的に無理なのですね。


今回の場合、もし熊田さんが健康保険の被扶養者(夫の被扶養者or妻の被扶養者)になっていて、社会保険に入るのが困るならば、掛け持ちで仕事をするのも賢い方法かもしれません

1カ所で働くと週36時間の勤務になり、社会保険に加入して被保険者になりますが、2カ所に分散して勤務すると、週18時間の勤務(事業所単位で把握するため)ですから、社会保険に加入することもありませんので、被扶養者のまま続けることが可能です。

1カ所で集中して仕事をすると、公的保険に加入することもあるでしょうが、2カ所以上に分散して仕事をすれば、公的保険に加入せずに済ますこともできるのでしょうね。

もっと働きたいけれども、時間を調整しなければいけない人は、他の事業所と掛け持ちで働く方が勤務時間を気にしなくて良いのかもしれません。


複数の事業所で働く人をキチンと把握できないのが公的保険の欠点であり、考え方によっては利点でもありますね。







2つ以上の仕事を持つと税金にも変化が

掛け持ちで仕事をすると、税金も変わるでしょう。

パートタイムの税金というと、「確定申告による所得税の還付」が主なものでしょうか。

ある一定以上に働くと、パートタイムで働く人も所得税を支払うので、源泉徴収票を用いて、2月後半から3月にかけて還付のための確定申告をする人もいるでしょう。

もし、柴田さんの場合だと、所得税を支払い、還付の確定申告もするはずですね。週36時間の勤務ですから、おそらく所得税も毎月2千円弱ぐらい(収入によって変わる)源泉徴収されているかもしれません。

そのため、源泉徴収票を用いて還付の確定申告をするわけです。


では、熊田さんはどうでしょうか。

週18時間の勤務だと、おそらく所得税は発生していないのではないでしょうか。

A社でもB社でも、所得税を源泉徴収されていないと思います。

しかしながら、仕事の時間を通算すると、週36時間ですし、収入も通算すると、おそらく所得税を支払う水準に達しているかもしれませんね。



ここで、パートタイムの人が確定申告をするときの気持ちを整理すると、


「所得税を払っているパートタイムの人は、確定申告をするはず(還付があるから)」

一方、

「所得税を払っていないパートタイムの人は、確定申告をしないはず(還付が無いから)」

という心理が想定できます。


となると、熊田さんは確定申告をしないのではないでしょうか。


パートタイムで働く人は、「確定申告は所得税の還付のためのするもの」と思っている人も多いでしょうから、所得税を払っていないならば確定申告も不要と考えてしまうかもしれませんね。


仕事場所を分散すると、保険も税金も変わってしまうものなのですね。

どうも、保険や税金などの公的な制度は、「人は1カ所でしか働かない」という前提を置いているようで、その前提が崩れることを想定していないように思います。


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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
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  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
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このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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