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働き方改革 有給休暇の義務化に対応した就業規則を作る。

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山口社会保険労務士事務所
(2018/10/15号 no.315)

 

 

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働き方改革 有給休暇の義務化に対応した就業規則を作る。
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「義務化 = 強引に休ませる」というわけではない。

 

2019年4月から、働き方改革として、
改正された労働基準法が施行されます。

いくつか変更点はありますが、
その中の1つ、
「年次有給休暇の義務化にどう対応するか」
が今回の内容です。


年次有給休暇の義務化とは、

【付与された年次有給休暇のうち年5日分については
確実に取得しなければいけない】

というもの。

ちなみに、対象者は
「年10日以上の年次有給休暇を付与される人」
です。

週5日出勤で働くフルタイム社員やパートタイム社員だと、
1回に付与される年次有給休暇は10日以上ですので、
義務付与の対象者になります。

他方、

比例付与で年次有給休暇の日数が決まる
週4日勤務や週2日勤務のパートタイム社員だと、
在籍期間が短い場合、年に10日以上の年次有給休暇が付与されません。

その場合は、義務付与の対象外になり、
本人希望で年次有給休暇を消化していきます。


義務化というと、
「強制的に有給休暇を取らせないといけない」
というイメージを抱いてしまいがちですが、

毎年5日の取得日数をクリアできれば、
方法は問いません。


「使用者が時季を指定して取得させる」
だけでなく、

本人の希望に基づいて年に5日以上の
年次有給休暇を取っても構いません。


義務付与の期間は、付与日から1年間です。

4月1日に付与した場合は、
翌年の3月31日までの間に、
年5日以上は有給休暇を取っている必要があります。

前倒しで有給休暇を付与した場合も同様で、
法定の付与日から1年ではなく、
実際の付与日から1年です。

年次有給休暇に関する対応手順は就業規則で決めるものですが、
どのように書いたらいいのか。

ここが悩むところです。


年5日分は、本人の希望に基づかず強引に取得させるのか。

それとも、

まずは本人の希望で年次有給休暇を取ってもらい、
取得日数が年5日に達しない場合に使用者が時季指定するか。


方針としては、大きくこの2つに分かれます。


どちらでも法律には合っていますから、
どちらを選択しても構いません。


2019年の4月から施行で、
これを書いている時点で2018年の10月ですから、
まだ少し時間の猶予はあります。

仮に、

【まずは本人の希望で年次有給休暇を取ってもらい、
取得日数が年5日に達しない場合に使用者が時季指定する】

方法を採用するとすれば、
就業規則にはどのように書けばいいか。


自主的に取得してもらい、
取得日数が年5日に達しなかった場合、
次の段階として使用者が時季指定する。

この二段構えで就業規則を書いていきます。


まず、

就業規則に
「年次有給休暇の義務付与」
という項目(就業規則の条文)を追加し、

「年に5日以上の年次有給休暇を取得するように努める」

という内容を書き、


その後に、

「次の年次有給休暇付与日の前の2ヶ月前の時点で
取得日数が5日以下の場合、
取得日数が5日に達するまでの年次有給休暇を
使用者が時季指定して取得させる」

という内容を続けます。


さらに、

「なお、本条は、年次有給休暇を年10日以上付与される者に限って適用する」

と最後に加えて、対象者を指定しておきます。


書き方は色々あるでしょうが、

まずは自主的に取得してもらい、
年5日に達しない場合は、足りない日数だけ使用者が時季指定する。

この二段構えがポイントです。

普段から

「毎月1日は有給休暇を取って」
「子供の運動会に行くときは有給休暇を使って」
「子供の入学式や卒業式に参加するときは有給休暇を使って」
「風邪で休むときは有給休暇を使って」

などのように、年次有給休暇の取得を奨励しておけば、
年5日の日数を消化するのは容易です。


強引に取得させるよりも、
自分の希望で休暇を取れる方が満足できますからね。

さらに、

事業所も時季指定する手間が省けますから有り難いです。

 

 

働き方改革 有給休暇の義務化に対応した就業規則を作る。

 

 

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