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東京都内で働く人に電車通勤させない。

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メールマガジン 本では読めない労務管理の"ミソ"

山口社会保険労務士事務所
(2018/10/29号 no.316)

 

 

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東京都内で働く人に電車通勤させない。
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時差bizでも電車に乗る。

 

東京都は、
2019年の1月にも時差bizを実施するとのこと。

1月21日から2月1日までの12日間、
通勤する時間をピークタイムからズラして
快適に通勤するのが目的です。


朝の通勤は、
7時から8時30分の時間帯がピークで、
その時間を避けて電車に乗れば、
人は少なく快適ではあります。


時差Biz実施レポートによると、

通常だと8時台の電車に乗る人が多く、
時差bizを実施している期間は7時台に
電車に乗る人が多くなっています。

東京の朝に電車に乗った経験がありますが、
7時台でもずいぶんと混雑していた記憶があります。

ぎゅうぎゅう詰めと言うほどではありませんが、
近くの人と体が接触するぐらいの混雑具合でした。

東京だと、それぐらいの混雑でも
「空いている」
と感じるのでしょう。

身動きが取れないほどギュウギュウの電車もあって、
あれはもう言葉では表現できないほどです。

新宿駅から東京駅までの間を走る中央線快速。

この電車に朝7時50分とか8時15分に乗ると、
もう大変です。

2分おきぐらいに新宿駅に電車が入ってくるのですけれども、
それだけのピッチで電車が来ても、
いつも満員になります。

1時間に20本ほど電車が来ても足りないほどで、
電車に乗り込んでいるときには、
もう次の電車が後ろの方に見えているぐらい。

電車の本数を増やしても、
もはや物量作戦で対処できる水準を超えています。


そのため、
通勤する時間をズラして、
少しでも快適に移動しましょうというのが
時差bizなのでしょう。


通勤時間を変えるのは確かに有効ですが、

「電車に乗って通勤する」

という点に変わりがないのが悩みどころです。

 

 

 

電車に乗らずに通勤する方が良いのでは?

 

そもそも電車で通勤しないという働き方
もあっていいのではないかと思います。

歩いて職場まで行けるところに住めば、
電車に乗って消耗することもありません。


平成28年以降、
通勤手当の非課税限度額が引き上げられて、
より多くの通勤手当を支給しやすくなりました。

電車で通勤する人なら、
月15万円まで非課税です。

非課税枠が大きくなると、
企業は通勤手当をたくさん払うようになり、
郊外の自宅、さらには他府県から通勤する人まで出てきます。

非課税限度額が引き上げられた当初は、
新幹線で通勤することを想定していたらしいですが、
通勤手段として新幹線を使うなど、
ちょっと普通の感覚ではあり得ません。

月15万円の非課税枠があれば、

例えば、
静岡から東京まで毎朝通勤するなんてことも
可能なのでしょうが、

そこまでするならば、
「東京都内に住めばいいのに」
と思うのは私だけではないはず。


非課税枠が大きいため、
交通費全額支給でも大丈夫なのですね。

求人情報を見ると、
「交通費全額支給」
と書かれているものをよく見かけます。


交通費が出るから、

「遠くから通勤しても大丈夫」

と思わせてしまい、
片道1時間でも職場に通勤してくるのです。

 

 

 

 

東京都内に職場と住居があれば、住宅手当を優遇。


東京都内に職場と自宅がある人限定で、
住宅手当を優遇すれば、
都内に住む人も増えるはずです。


通勤手当を15万円受け取るよりも、
住宅手当を15万円出してもらった方が
快適さという点では上回るでしょう。


通勤手当は電車やバスに乗ればなくなってしまうお金ですが、
住宅手当は自宅で生活する限り、その便益を享受できます。

寝ているときも、
食事をしているときも、
寝転がって本を読んでいるときも、
住宅から便益を享受しています。

一方、

通勤手当は、
交通機関を利用している間しか便益を享受できません。


波及効果という点で、
通勤手当よりも住宅手当の方が優れています。

賃貸住宅を千代田区で探すと、
1人ぐらしだと家賃は月10万円ほど。

3人家族で暮らすなら、2LDKで月25万円ほどです。

物件によっては、
2LDKで家賃100万円を超えるもの(スゲー!)もありますが、
そういう例外は除いて考えてください。
家賃100万円ぐらいになると、
皇居の近くで、ホテルのスイートルームみたいなマンションがあります。


都内の住宅費の高さは公知の事実ですが、
これを住宅手当で補助を付けて、
電車に乗らずに通勤できるようにする。


全国で実施するのではなく、
東京都内に職場と住居がある人に限定して、
住宅手当への非課税枠を設けます。

国税ではなく、東京都税で減税を実施し、
減税の原資は政府から回す。

都内に住めば、交通費への支出が減りますから、
非課税枠を使わないため国税収入は増えます。

その増えた分を東京都に回し、
住宅手当への減税原資にするわけです。


税収を移転させて、

「通勤手当の非課税枠」

「住宅手当の非課税枠」

をスワップさせるイメージです。

しかも、東京都限定で。

住宅手当の計算は以下の通りです。

会社が
住宅手当の半額を補助して、
上限額を東京都が設定した非課税枠に合わせます。

仮に、
月15万円までの住宅手当を非課税にするならば、
最大で家賃30万円までの住宅に住めます。

家賃10万円のところに住めば、
5万円が住宅手当として支給されます。

25万円のところならば、
12万5千円が補助されます。

千代田区に1人暮らしで家賃5万円なら、
リーズナブルでしょう。

3人暮らしの2LDKで12万5千円なら、
これも妥当なところです。

片道1時間の通勤がなくなることを思えば、
安いぐらいではないかと思います。

東京都内の定義も、
山手線の内側の区に絞って、
なるべく東京の中心部に職場と住居を集めるようにする。


方法は色々とあるでしょうが、
通勤手当を税制で優遇していることが
通勤ラッシュを生み出す原因の1つです。

都心部で働く人には
通勤手当ではなく住宅手当を出して、
職場の近くに住むように税制で誘導するのが
良いのではないかと思います。

 

 

【通勤ラッシュを避ける方法】 東京都内で働く人には交通費よりも住宅手当を出す。

 

 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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