訳の分からないルールを設ける会社。
「アルバイトなどの副業で得る給与は一時帰休や休業で減額する給与分を上限とし、それ以上の給与を得た場合は、その分の給与を減額する」
というルールを設けている会社があるようです。
つまり、「うちの仕事で得る以上に稼いだら、会社が給与を召し上げるよ」というルールですよね。
「ん?」と思いませんか?
何となく筋が通ってそうな感じがしますから、すぐに変なところを指摘できませんよね。
ただ、「一般的感覚」からしておかしなことは「法律」からしてもおかしいものです。
何の根拠もないただのピンハネ。
会社がやっているのは、いわゆる「控除」ですよね。
控除というのは、理由があるものでしたら実施しても構わないものです。
例えば、
社会保険料控除
労働組合費控除
前借り給与の控除
などならば、控除も正当です。
しかし、他社の給与額を勘案して、自社の給与額を調整するのは、法律上の根拠もありませんし、そもそも普通の感覚からしておかしいと感じるはずです。
ちなみに、雇用保険と年金、労災保険と年金、のような制度間では、いわゆる「併給調整」という仕組みがあります。
「併給調整」とは、片方を受け取っているならば、もう片方の分は少し減らして支給しますよという仕組みです。
注意すべきは、このような仕組みは「公的な制度間だけで認められている」ことです。
民間企業がこの仕組みを真似て、他社の給与額を勘案して、自社の給与額を調整するというようなヘンテコな仕組みを作っても、「賃金の全額払い」に反しますから、ダメです。
いわゆる「ピンハネ」ですよね。