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「時間拘束=仕事」ではないが、労働時間になる。

時間に給与



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今日のTOPIC
1: 「時間拘束=仕事」ではない。
>>>時間に対価を支払うことの不自然さ。
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■■  「時間拘束≠仕事」ではないが、労働時間になる。
■■  時間に対価を支払うことの不自然さ。
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■時間を拘束することに対価を支払うのが今現在。


「日給14,000円」や「時給1,200円」というように、
時間的要素を基準に賃金は決められることが多い。


確かに、1日(8時間)や1時間単位ならば、管理や
計算も容易ですから、よく使われるのも当然ですよね。


しかし、時間的要素だけで評価をすると、適正な評価に
ならないこともあるでしょう。



そこで、より適正な評価を目指すために、成果に対する
評価を組み入れている企業も相応にあるかと思います。


しかし、成果を評価する基準を組み入れたからといって、
時間拘束に対する評価はなくなっていませんよね。


たとえ、成果型の給与制度であっても、一定の生活を
保障する給与を支給しなければいけないのが法律です。


つまり、社員さんに時間を使わせたのだから、成果を
得ることができなくとも給与は支給せよ、ということです。


ただ、ここで、「時間拘束=仕事」と考えてしまうのは
不自然ではないかと思うのです。


私も、「時間拘束したのだから、それに対する対価は
支払わなければいけない」という立論をすることも
時にはあるのですが、違和感は感じます。


「時間拘束がなぜ対価に結びつくのか」という点が
やはり引っかかるわけです。



考えると、「時給制」というのは不自然な賃金体系
ではないでしょうか。

どんな仕事をしたかを評価するのではなく、どれだけの
時間にわたって会社に滞留したか(仕事に関わっていたか)
を評価の基準にするのが時給制です。


ただ、別の立場に立てば、仕事が多い時と少ない時のブレを
平準化して時給を設定しているので、時給制は不自然な
賃金体系ではないとも言えます。


ゆえに、時間を基準にした評価は、公平な仕組みである
と同時に、時に不公平な仕組みでもあるわけです。








■時間を費やすことも仕事かどうか。


時間を拘束することが仕事だと考えると、出勤して
何もしなくても給与は支払われるという理屈になるわけです
(現実には、出勤して何もしない人はいないと思いますが、
分かりやすく説明するためにあえて設定しています)。


ただ、時間拘束を「仕事」ではなく、「犠牲」だと考えれば、
対価も支払うべきと判断できます。


本来ならば、他の事をすることができたにもかかわらず、
仕事として時間を拘束されていたから、他の事はできなかった
という理屈です。

つまり、「機会費用」が発生しているのだから、対価を得るのは
当然だということ。



しかし、時間を拘束することは「目的」ではなく「手段」の
はずですから、違和感は残ったままです。








■時間以外の基準で評価する仕組みを作ってこなかった。


タイムカード(時間管理)がいつまでもなくならない理由は、
賃金支払いの基準として、時間以外の基準を作って来なかった
からではないでしょうか。


時間という基準に対して過度に依存しているゆえの抵抗もある
かもしれませんね。



時間で計量できない仕事も増えているのですから、時間以外の
評価基準を作る必要も増えているはずですよね。



例えば、「1時間で100個作れる」

とほぼ想定できる仕事ならば、
時間だけを基準に評価をしても差し支えないでしょう。

一方、1時間で何が作れるか(何個作れるか)分からないという
仕事ならば、時間だけを基準にするのは心許ないでしょう。


ただ、たとえ今現在の時点で成果が無くても、今の仕事が将来の
成果のための基礎作りになっているというならば、評価はすべき
でしょう。

ゆえに、成果という要素を組み入れれば解決できるというわけ
でもないのですよね。



「給与(勤務時間、仕事内容、仕事の成果、チームワーク、、、)」
というように、

時間という基準だけでは評価できない(しにくい)部分も、
パラメーターとして評価をしなければいけない状況になる
はずです。


この場合、勤務時間を評価から排除するのではなく、評価全体に
占める勤務時間のウェートを下げて、他の要素にウェートを
割り振るという試みが必要になるでしょう。


ただ、どのようなパラメーターをどれだけ含めれば満足のいく
評価システムになるかというと、これは分かりません。

多ければ多いほど良いのでしょうが、それでは切りがありません
よね。



2年前でしょうか、「ホワイトカラーエグゼンプション」という
働き方を導入しようという動きがありましたよね。


ただ、この制度に反対する人が多く、正式に仕組みとして成立
することはなかったのですが、「時間」以外の基準を模索しよう
という動きであることは確かです。


今後も、ホワイトカラーエグゼンプションという形ではなくとも、
「時間」という基準から脱却しようという試みは続くのでは
ないかと私は思います。



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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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