労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

休暇を支給するという発想


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/5/8号 no.87)━




===========================
今日のTOPIC
1: 休暇を支給するという発想
>>>"Time is money"なら、休みもお金と同じ。
===========================





■■  休暇を支給するという発想
■■  "Time is money"なら、休みもお金と同じ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





■支払うのは金銭だけと限定しなくても良いのでは。

人は、何らかの形で働くと、その対価として賃金や
報酬を受け取りますよね。


会社だと給与や諸手当および賞与ですし、自営業だと
報酬などでしょうか。


ただ、原則として、働いたことへの対価は「金銭」
もしくは「金銭同等物(通勤定期券の支給や社宅の
完備など)」に限定されています。



そこで、「金銭を支給する」というのではなく、「休暇
を支給する」という発想もあって良いのではないかと
思うのです。


"Time is money(時は金なり)"という言葉があるぐらい
ですから、休暇も金銭と同じくらいの価値があると判断
して良さそうなものです。








■「労働の対価」ならば「金銭」でなければいけない。

労働基準法11条では、「労働の対価が賃金」であると
決められています。



>>労働基準法11条。

【賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何
を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払う
すべてのものをいう】



そこで、労働の対価として休暇を支給するならば、
11条に拘束されますよね。

つまり、「休暇は賃金である」という扱いになります。


さらに、休暇を賃金として扱ってしまうと、賃金支払いの
5原則(労働基準法24条)に従うことになります。



>>労働基準法24条。

【賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければ
ならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある
場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で
厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外
のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は
当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときは
その労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは
労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合に
おいては、賃金の一部を控除して支払うことができる。】




休暇を支給するとなると、上記の「通貨払い」の部分に拘束
されますね。


となると、休暇は、通貨ではありませんので、賃金ではなくなり、
労度の対価として支払えないということになります。




ただ、労働協約(もしくは就業規則)で現物給与について
定めれば可能ではないかとも思えます。

金銭以外の現物として休暇を支給すれば、賃金として扱える
のではと考えるわけです。


しかし、現物給与といえども金銭換算できるものに限られる
のではないでしょうか。


例えば、通勤定期券や住宅供与(社宅など)ならば、現物給与
として扱えるのでしょうが、純粋な休暇となると現物給与として
認められないかもしれません。


一般的感覚から判断しても、定期券や社宅に対しては金銭的価値
を認める(金銭換算できる利益)のでしょうが、休暇に対しては
金銭的価値を認めない(金銭換算できない利益)

のではないでしょうか。

言い換えれば、休暇を支給されても、金銭的にメリットを得たと
感じにくいということでしょうか。


ゆえに、現物給与として休暇を支給するという手段も使えない
となります。



となると、賃金や給与の枠外で休暇を支給するという手段を
考えることになります。


つまり、給与や賞与などの賃金関連のルールとは切り離して、
別途で休暇を支給するわけです。








■休暇も金銭と同じ。

例えば、昇給できない代わりに、休暇を支給する(労働の対価
として扱わない)のもアリではないでしょうか。

会社の業績や個人の業績等を考慮して、会社の判断で休暇を支給
できるというルールがあっても良いのではと思います。


ただし、経費を削減するという発想ではなく、あくまで金銭
同等物として休暇を支給するという発想です。



時間の方が金銭よりも価値が高いと私は個人的に思っています
ので、僅かな昇給を実現するよりは、休暇が増えた方が利点が
多いのではないかと判断するわけです。


休暇を支払うということは、特別休暇を増やすもしくは創設する
ことになりますから、法的に義務である有給休暇程度は容易に
消化できる環境でなければいけないでしょうね。

有給休暇は消化できないが特別休暇は消化できる、というのは
変ですから(有給休暇が消化できて、特別休暇はできないという
のはあり得ます)。



また、特別休暇を無給にしても休業ではありませんので、休業手当
(労働基準法26条)の取り扱いを考える必要はありません。

働こうと思えば働けるのが「休暇」で、働こうと思っても働けない
のが「休業」ですから、両者には違いがあります。






メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。

労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┃本では読めない労務管理の"ミソ"山口社会保険労務士事務所 発行
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メルマガの配信先アドレスの変更

メルマガのバックナンバーはこちら

メルマガの配信停止はこちらから

┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*

労務管理の問題を解決するコラム
┃仕事の現場で起こり得る労務の疑問を題材にしたコラムです。

職場の労務管理に関する興味深いニュース
┃時事ニュースから労務管理に関連するテーマをピックアップし、解説やコメントをしています。

メニューがないお店。就業規則が無い会社。

山口社会保険労務士事務所

┃『残業管理のアメと罠』
┃毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、
┃月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、
┃平均して8時間勤務というわけにはいかない。
┃しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、
┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
『残業管理のアメと罠』

┣*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*━*
┃Copyright(c) 社会保険労務士 山口正博事務所 All rights reserved

┃新規配信のご登録はこちらから
┃(このメールを転送するだけでこのメルマガを紹介できます)
メールマガジン 本では読めない、労務管理の"ミソ" に無料で登録する
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com
業務のご依頼に関するお問い合わせ

© 社会保険労務士 山口正博事務所