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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/5/4号 no.86)━
■■ 勤務時間の端数処理はいつも曖昧
■■ 法制度にしないゆえの混乱
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■労働時間の端数処理に対する答えは複数ある。
いきなりですが、「勤務時間の端数は何分単位で処理するの
ですか?」という疑問がいつまでも発生する理由は何なの
でしょうか。
「30分未満の端数は切り捨てて良いのですか?」とか、
「30分単位で時間管理するのは違法ですか?」とか、
「15分単位でも煎じ詰めれば違法なのでは?」とか、
このような疑問は随分昔から連綿と続いてきていますよね。
勤務時間の端数をどのように扱うかについては労働基準法に
決まりがありませんから、疑問を抱きやすい点なのでしょうね。
■30分単位でも良い、15分単位でも良い、5分単位でも良いい、、、。
勤務時間の端数処理では、
30分単位で端数処理することを許したり、
30分単位はダメで15分単位ならば可能としたり、
どちらも法的には差し支えないのですが、会社によって
扱いがバラバラなんですよね。
「法定内の勤務時間は30分単位で計算しても良いが、法定外
の勤務時間は1分単位で計算すべき」などと判断することも
あるようですが、これも妙な判断です。
法定内は30分単位で良いのに、なぜ法定外はいきなり厳格に
1分単位の処理に変わってしまうのでしょう。
いわば「二枚舌」の取り扱いですよね。
なぜこんな問題が発生するのかというと、会社側に裁量を
与えすぎているのが主因です。
つまり、客観的に判断できるようにルールを「詰めていない」
のが混乱の要因です。
ただ、考えようによっては、「あえて詰めない」ようにしている
のかもしれません。
つまり、端数計算にバッファーを設けておいて、事務処理の
負担を緩和させているのかもしれませんよね。
1分単位で勤務時間を計算すると、給与計算の事務負担が増す
から、切りの良い時間で区切ることを「許容」しているわけです。
ここでの「許容」とは、積極的に認めているというよりも、
やむを得ず認めているという意味でしょうね。
本来、1分であっても、勤務時間に変わりありませんから、
計算に含めるのが妥当です。
■「1分単位の管理」を強制した方が良いかもしれない。
基準が無いゆえに混乱するのですから、基準があれば良いわけ
です。
そこで、思い切って、「勤務時間は1分単位で計算する」という
客観的なガイドラインを作ってしまうのも有効ではないかと
思います。
「法律」として勤務時間の端数処理を決める(労働基準法の
条文に盛り込むとか、別途で法律を作るとか)のは非現実的
でしょうから、法律以外で対応する(行政通達などでしょうか)
ことになります。
1分単位で時間管理するとなると、事務処理が負担でしょうが、
あれこれと悩んだり疑問を抱いたりするよりは楽になるのでは
ないでしょうか。
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【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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