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5月のゴールデンウィークに出勤したら休日割増賃金は付く?

 

休日割増

 


休みの日に働けば割増賃金が付く?

2019年は、4月27日の土曜日から5月6日の月曜日まで休みだとすると、合計10連休になります。

10日間全て休みになる職場ならば影響はありませんが、祝日に関係なく営業する職場だと、「10連休中に出勤したら休日割増賃金が付くんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるはず。

休日割増賃金とは、休みの日に出勤すれば給与が35%以上の割増になるというものですが、5月の連休中に出勤しても、この割増賃金が付くのかどうか。ここが考えどころです。

 



休日割増賃金が付くのは「法律で決まった休日」に出勤したとき

「休みの日に出勤すれば休日労働だ」と思ってしまう。その気持ちは分かるのですけれども、法律では「休みの日 = 休日」というわけではないんです。

普通の感覚だと、「休みの日 = 休日」と考えますし、「休日に出勤 → 休日割増賃金が付く」と考えるのも分かります。

ですが、休日割増賃金というときの「休日」とは、法定休日のことを意味しています。法定休日、つまり法律で定まった休日のことです。この場合の法律とは、労働基準法35条です。

労働基準法35条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。

「毎週少なくとも1回の休日」これが法定休日なのです。

この法定休日に出勤すれば、休日割増賃金が付くというわけです。

じゃあ、ゴールデンウィークは法定休日になるのかどうか。出勤したら休日割増賃金が付くのかどうか。ここが気になるところ。

 

祝日に働いても休日労働にならないワケ

では、どの日に休日割増賃金が付いて、どの日には割増賃金が付かないのか。

一例として10連休のカレンダーを書くと、以下の通りです。

4月27日(土曜日)
4月28日(日曜日)

4月29日(月曜日 昭和の日)
4月30日(火曜日 祝日 即位の日の前日)
5月1日(水曜日 祝日 即位の日)
5月2日(木曜日 祝日 即位の日の翌日)
5月3日(金曜日 憲法記念日)
5月4日(土曜日 みどりの日)
5月5日(日曜日 こどもの日)

5月6日(月曜日 こどもの日振替)

※前提として、1週間が月曜日から始まり、日曜日で終わるとします。


4月29日から5月5日までの1週間を例にして考えてみましょう。

週に5日出勤して、残り2日は休みになる職場だとして、4月29日(月)から5月3日(金)まで出勤し、5月4日と5月5日の土日は休みとします。この場合、4月29日から5月3日までの日に対して休日割増賃金が付くかどうか。

祝日が連続していますが、4月29日から5月3日までの出勤には休日割増賃金は付きません。

なぜならば、5月4日もしくは5日が法定休日になるため、4月29日から5月3日まで出勤したとしてもそれは休日労働にはならないのです。


ずっと祝日が続いて、世間一般にはどの日も休日なのですけれども、休日割増賃金が必要な休日労働とはならず、通常の勤務日、つまり平日と同じ扱いになるわけです。

週に1日でも休みが取れていれば、法定休日は取れていることになり、もう(労働基準法で想定する)休日労働が発生する余地はなくなるのですね。

もし、5月4日と5月5日も出勤して、4月29日から5月5日まで7日間、休み無しで勤務すれば、休日労働が1日分発生しますから、その1日分に対して休日割増賃金が付きます。

ただ、どの日が休日労働になるのかという難しい問題が残ります。4月29日から5月5日までの7日間のうち、どの日が法定休日になり、休日割増賃金がいくらになるのか。ここを特定するのが難しいのです。

1週間に休みが1日も無いと上記のような問題が生じますから、少なくとも1週間に1日は休みが入るようにするのが望ましいのですね。


祝日に働いたから休日労働になるわけではなく、法定休日に働くと休日労働になる。ここがポイント。

労働基準法ではゴールデンウィークは法定休日ではないため、5月の連休中に出勤しても手当や割増賃金は付かないのですね。ただし、「法律では」という条件が付きますが。

 

 

ゴールデンウィークを含む祝日を特別扱いしないのが労務管理

法定休日や年次有給休暇にはルールがありますが、それ以外の休みに関しては使用者や労働者に任せられています。

週休2日の職場ならば、2日の休みのうち1日分は法定休日ですが、もう1日は法律ではなく職場ごとの任意の休日ですから、どのように扱うかは職場ごとに違いがあります。


『休日割魔賃金が付くのは法定休日に出勤した場合。それ以外の休日は休日割魔賃金の対象外』

ここが法律上のラインです。


週に1日休みが取れていれば、10連休中といえども休日割増賃金は付きません(法律上は)。ただ、職場によっては、祝日に出勤した場合に給与を割増するところもありますし、法定休日ではない休日であっても割増賃金を支払っているところもあるでしょう。

就業規則や雇用契約書を見ると、法定休日以外の休日、祝日に給与がどのように扱われるかが書かれているはずです。内容は職場ごとに異なりますから、特に何も書いていないところならば、先程書いた法律通りの処理が適用されます。


休みの日に出勤したから、もしくは祝日に出勤したからといって、必ず休日割増賃金が付くというわけではないという点は知っておいてほしいところです。

1週間に少なくとも1日の休みが入っていれば、休日割増賃金が付く日は無い。こういう職場の方が多いでしょうね。

 

 

法定外休日は割増賃金の対象?

人によっては、「ゴールデンウィークに出勤したら、休日割増の対象になりますか?」

という疑問を抱く人もいるかもしれません。


他にも、「祝日に出勤したら、休日手当は支給されるのですか?」とか。

 

「土日の週休2日休日制(日曜が法定休日であると仮定)で、土曜に出勤したら、休日出勤になるのですか?」というように、先ほどと同種の疑問を抱く人もいらっしゃるでしょう。


この場合、ゴールデンウィークや祝日、週休2日の土曜日というのは、いわゆる「法定外の休日」です。


そこで、労働基準法では、法定外の休日まで割増の対象にすべきと決めているのでしょうか、それとも、法定の休日に限定して割増の対象としているのでしょうか。

 

 


割増賃金の対象になるのは週1日の法定休日

原則として、休日勤務として割増手当が支払われるのは、週1日の法定休日だけです。

つまり、労働基準法では、法定の休日に出勤したことに対しては休日割増を支払うと決めていますが、法定外の休日(ゴールデンウィークの祝日など)までは割増の対象にしていません。


ただし、あくまで「原則として」です。


雇用契約書や就業規則で、法定外の休日に勤務しても割増手当を支払うと決めていれば、法定外休日であっても割増手当が支給されるはずです。


しかし、法定外の休日まで割増手当を支払う会社はそう多くないはずです。祝日に出勤したら給与が割増(1時間あたり100円プラスなど)になるルールが設けられている事業所もありますが、あれは休日出勤による割増賃金とは別物です。

インセンティブが無いならゴールデンウィークには出勤したくないと思うのが普通です。


通常は、法定休日だけを対象として休日手当が支給されるという仕組みになっているでしょうね。


ゆえに、「法定外の休日には休日割増手当は支給されない」と理解しておくのが妥当です(会社独自のルールによる例外を除く)。

 

 

ゴールデンウィークに出勤する人を増やす工夫

サービス業だとゴールデンウィークにはお客さんがいっぱい来て忙しくなるところもありますから、こういうところでは出勤に対するインセンティブを用意していないと、ゴールデンウィークに出勤する人が少なくて勤務シフトを埋められなくなる、なんてこともあります。

ですからゴールデンウィークに出勤した人に対して何らかのインセンティブ、手当や割増賃金を用意して、出勤してもらうように工夫する必要があるでしょう。

条件を提示せずに「出勤しろ」と言っても人は動きませんし、辞められてしまったら困ります。

平日だったら何もないけれども、ゴールデンウィークに出勤すると時間給が1時間あたり100円増になる。こういう条件が付くならば、出勤しても良いと考える人が出てくるのでは。

他の時期の祝日には特にインセンティブは用意していないけれども、ゴールデンウィークに限定して割増賃金をつけて出勤してもらう人を増やすのも工夫の1つですね。

 

 

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ゴールデンウィークに休んだら、法定休日を取ったことにできる?

毎年5月になると、祝日が連続して、休みの日が多くなります。では、ゴールデンウィークの祝日に休んだら、それを法定休日を取ったものとして扱うことができるかどうか。

つまり、ゴールデンウィークを法定休日の代わりとして位置づけるという意味ですね。

法定休日とは、労働基準法で決まっている休日のことで、1週間に1日は休日を設けるというのが法律で定められています。

ですから、1週間に1日の休みが最低でも取れていれば、それで法定休日は取れた、ということになります。週に1日は休日を入れてください、というのが法律が求めているものです。

その休みが日曜日である必要はありませんし、土曜日が法定休日になることもあります。さらに、水曜日や木曜日が法定休日になっても構いませんし、ゴールデンウィークの祝日が法定休日として扱われる可能性ももちろんあります。

仮に、ゴールデンウィークで1週間のうちに4日の祝日があり、その祝日全てを休んだとしたら、法律で求められている1週間に1日の休日を取れているので、ゴールデンウィークを法定休日を兼ねたものとして扱うことが可能です。

ただし、事業所によっては、就業規則で、法定休日の内容を定めているところもあります。例えば、「日曜日を法定休日とする」と就業規則に定めていたら、他の曜日に祝日があって、その祝日に休んだとしても、日曜日が出勤日であるならば、それは休日出勤になり、休日労働に対する割増賃金が必要になります。

あえて就業規則で、法定休日の曜日を日曜日に固定してしまうのも、もちろん構わないのですけれども、あえて日曜日に法定休日を固定してしまう利点はありません。

1週間に少なくとも1日の休みが取れれば、法律で求められている休日を取れたものとして扱えますから、あえて曜日を固定して法定休日を定める必要もないわけです。

 

割増賃金の未払いを防いでくれる給与計算ソフトは?
給与は、基本給だけを計算すれば足りるものではなく、割増賃金、つまりは時間外労働に対する割増賃金や深夜労働の割増賃金、休日の割増賃金といったものを計算しなければいけませんので、計算を間違って未払いにならないよう自動で給与を計算してくれるソフトを使うほうがいいでしょう。

 

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