あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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年末調整でいくらお金が返ってくる? 還付額を診断してみよう。

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年末調整の話が出てくるのは11月。

11月になると、職場では年末調整について話がポツポツと出てきます。

何だか良く分からない書類に記入するように求められるのもこの時期です。


それは、『給与所得者の扶養控除等申告書』という書類です。

誰しも1度は見たことや書いたことがあるのではないかと思います。


学生の方にも会社から渡されますから、
早い人だと高校生ですでにこの書類に接している方もいるのでは。


給与所得者の扶養控除等申告書に何を書くのかというと、

  • 配偶者控除の対象になる夫や妻がいるかどうか
  • 子供など、配偶者以外の控除対象者がいるかどうか
  • 生命保険や住宅ローンを利用しているかどうか
  • 障害者の家族がいるかどうか

という情報です。


この書類に記入して提出すると、
所得控除を受けられるため、支払う所得税が少なくなります。


例えば、

所得税率が20%だとして、
年収700万円の人だと、
所得税は140万円です。


ここで、
所得控除を100万円受けたとすれば、
年収は600万円となり(実際は700万円ですが)、
所得税は120万円になります。


所得控除を利用した場合と利用しなかった場合では、
所得税に20万円の差があります。

※計算を簡単にするため、実際の所得税の計算方法とは異なります。
年収700万円の人の所得税は、97万2,500円になりますので、
20%で計算した場合よりも所得税額は少なくなります。


年末調整での扶養控除等申告書(記入例つき)


毎年11月になると書く書類は、
「所得控除を受けるための書類」
だと覚えておきましょう。

控除の対象となる配偶者や扶養家族がおらず、
生命保険や住宅ローンを利用していないなら、
特に何かを記入する必要はなく、
名前を書いて、押印するだけで書類は完成します。

自分の税金はいくら返ってくる?

年末調整というと、
「お金が返ってくる手続き」
だと理解している方も多いのでは。

 

「今年はいくら返ってくるのかな」
と臨時収入のように期待している。

そんな方もいるのでしょう。

年末調整をラクに。年調のペーパーレス化で時間を80%短縮。


年末調整で還付金があるということは、
所得税を余分に支払っているということ。

自分がお金を得るとなれば期待を膨らませるものですから、
実際に還付金が返ってくるよりも先に、
いくら返ってくるのか知りたいところですよね。


ところが、
会社の事務担当者に聞いても答えてくれないもの。

「実際に還付されるまでは具体的な金額は分からないですねぇ、、」

と言われて終わり。


年末調整の還付金というのは、
集めすぎた所得税が返ってきたものですから、
所得税を正確に計算しないと還付金も分かりません。


個人ごとに所得は違いますし、
社会保険料も違います。

さらに、配偶者や扶養家族の有無も個人ごとに違っていて、
生命保険や住宅ローンの利用状況も個々に違います。

その上、
複雑な所得税の計算もしないといけませんので、

会社の事務担当者も還付金の具体的な金額が分からないんですね。


しかし、
それでもいくら返ってくるのかを知りたいもの。


そんな方のために、
還付額をかんたんに診断できる
『年末調整シミュレーション』
があります。


今までは、
実際に還付されるまで還付金の額は分からなかったのですが、
年末調整シミュレーションを利用すれば、
還付額を試算できます。

 

年末調整シミュレーションで入力する項目

入力する項目は少しだけ。

 

以下の情報を入力すると、すぐに診断結果が出ます。
もちろん、診断はタダですよ。


1.見込年収
税金などが引かれる前の年収総額。給与明細を見ると分かります。

2.毎月の保険料
給与明細に書かれている社会保険料です。
健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料の合算額です。

3.毎月の所得税
源泉徴収されている所得税の額です。
これも給与明細に表示されています。


後は、
給与所得者の扶養控除等申告書
に書いた内容を入れていきます。

4.扶養している夫や妻がいるかどうか。
配偶者控除を受けると、返ってくる還付金が増えます。

配偶者控除(国税庁)


5.扶養している家族(配偶者以外)がいるかどうか。
これは配偶者控除とは別のもので、
扶養控除の対象となる家族がいると、
所得控除が受けられ、還付金が増えます。

扶養控除(国税庁)


6.生命保険や地震保険に加入しているか。
保険に加入して、保険料を支払っていると、
保険料の一部が所得から控除され、
還付金が増えます。


7.住宅ローンを組んで2年目以降か。
住宅ローンも税制で優遇されていますので、
これも所得控除を受けられます。
なぜ2年目なのかというと、
1年目の手続きは本人が確定申告するためです。
2年目以降は、会社を経由して年末調整で手続きができるんです。

【年末調整】2年目からの住宅ローン控除申請の書類の書き方(記入例つき)


8.親族に障害者がいるか。
親族の中に障害者がいると、
所得控除を受けられますので、
この場合も還付金が増えます。

障害者控除(国税庁)

 

年収500万円で還付金をシミュレーションしてみると、、、

 

年収500万円を例にして実際にシミュレーションしてみるとどうなるか。

 

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見込年収は500万円で、
社会保険料は毎月59,060円。

毎月の所得税は20,000円で計算。

さらに、年収100万円の配偶者がいるとすれば、
還付金はいくらになるか。

 

 

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還付額は136,800円になりました。

源泉徴収で支払った所得税は240,000円で、
支払う必要がある所得税は103,200円となり、
残りの136,800円が還付されるというわけですね。

 

ただし、
このシミュレーションでの結果は見込額ですので、
実際の還付額とは異なる場合があります。

11月から2月頃まで、詐欺に注意。


11月から2月までの時期に注意してほしいことがあります。

年末調整や還付金という言葉が世間で話題になる時期ですから、
この時期に合わせて詐欺でお金をだまし取ろうとする人が出てきます。

「医療費の還付があるのでATMで手続きしてください」
「年金保険料が払いすぎで還付金があります」

なんだかんだと理由を付けて、
お金が手に入るかのように電話をかけてきたりするんです。


行政機関の人が電話で還付金の案内をすることはありません。

というか、
丁寧に「還付金がありますよ」
なんて政府は教えてくれません。

自分から積極的に手続きする人に対しては還付金を出しますが、
放置している人には還付金は帰ってきません。

ですから、
わざわざ電話で親切に教えてくれるなんてことはあり得ないのです。

「還付金について親切に連絡してくる人は悪い人」
だと覚えておきましょう。

会ったこともない人が、
そんな美味しい情報を教えるわけがありませんからね。

いくら返ってくるか、還付金の額をシミュレーションしてみよう。


所得税の計算は複雑ですからね。

まして年末調整を間に挟むと、もう社員にはブラックボックスになってしまう。

税金など事務的な手続きは会社に負んぶに抱っこになっている会社員ですから、
こういうシミュレーションがあれば助かります。


いくら還付金が返ってくるかシミュレーションしてみる

ICカードリーダーも使えるが、無くてもe-Taxで確定申告できる。

マイナンバーカードを使って、e-tax 経由で確定申告をされる方は、IC カードリーダーが必要です。

ここで、「マイナンバーカードとICカードリーダーが無ければ、ネットで確定申告できないの?」と思うところですが、それらを使わない方法もあります。

IC カードリーダーとマイナンバーカードを組み合わせて、e-tax を利用するのが今までの方法、というか標準的な方法でしたけれども、今はID とパスワード、さらに利用者識別番号というものが国税庁から発行されており、それらを使って確定申告の書類を送ることも可能になっています。

ですから、必ずしも、マイナンバーカードと IC カードリーダーが必要だ、というわけではありません。

筆者も使っているICカードリーダーは、こちら。

マイナンバーカードにも対応している NTTコミュニケーションズ 接触型 USBタイプ ICカード リーダーライター


NTTコミュニケーションズのICカードリーダーは利用者が多く、WindowsだけでなくMacでの動作も可能です。

1台持っていれば、使う機会もあるかと思いますが、確定申告に限れば、もはや必須の道具というものでもなくなりました。ただ、マイナンバーカードで認証した方が、処理が早く進むような感覚はあります。

スマホがICカードリーダーの代わりになる

以前は e-tax を利用しようとすれば IC カードリーダーとマイナンバーカードを用意してログインする必要がありました。そのためなかなか利用者が増えず、書面で確定申告をした方が早いと考える人も多かったのでは。

2023年の2月時点では、ID とパスワードを使って e-tax にログインすることができるようになっていますし、さらに IC カードリーダーを使わずにスマートフォンでマイナンバーカードを読み取って、パソコンで e-tax にログインできるようになっています。

スマートフォンでマイナンバーカードを読み取って、ここで認証を通すことで、その認証情報をパソコンの方にまわして、パソコンで e-tax にアクセスできるという仕組みです。

QRコード認証  | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

なかなか技巧的な仕組みですけれども、IC カードリーダーを購入して、そこにマイナンバーカードを差し込んで読み込むとなると、まず IC カードリーダーを用意しなければいけませんし、 USBを差し込むコネクタがパソコンに必要というのもあります。

 IC カードリーダーとマイナンバーカードが必須だった頃に e-tax を始めるにはなかなかの労力が必要だったのですけれども、 IDパスワード方式ならばマイナンバーカードを使う必要がありませんし、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取って認証する方法だと IC カードリーダーが不要になります。 e-tax を利用する環境は以前よりも良くなっていると感じますね。

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