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□□┃ 山口社会保険労務士事務所
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■ボーナスが休暇というのもいい
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「ボーナス=現金」とは限らない。
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有給休暇も報酬になる?
企業や公的機関のような組織に勤めていると、ボーナスが支給されることがあります。
ボーナスとは、いわゆる賞与のことで、夏と冬の年2回支給されるというメニューが一般的なようです。中には、支給額を変化させやすいように年4回で賞与を支給する企業もありますね。賞与の支給回数を多くすると、業績に合わせて支給額をコントロールすることが容易になります。
ボーナスは月ごとの給与と同じく現金で支払われるのが大半ですが、現実には必ずしも現金でなくともボーナスとして成立できるのですね。
例えば、ストックオプションを賞与として支給する企業もあります。創業して年数があまり経過しておらず、現金が不足している企業に好まれる方法です。
本来、賃金は通貨で支払わなければいけないものですが、このルールは毎月の賃金に限られており、ボーナスのような特別な一時金には適用されないのですね。それゆえ、ストックオプションで賞与を支払うこともできるわけです。
ストックオプションで賞与を支払えるならば、賞与として休暇を支払うのはどうでしょう。
休暇も有給休暇のように金銭的価値があるものですから、賞与として使えるはずですよね。
年次有給休暇でバーター取引
ストックオプションで賞与を支払う場合も、休暇で賞与を支払う場合も、共通するのは「バーター取引の仕組みを利用している」という点です。
バーター(Barter)とは、物々交換のことで、金銭を介在させずに物品取引を実行する手段です。
通常の取引だと、こちらの欲しいものと相手の欲しいものが合致することは難しいので、何でも通貨を介在させて取引を実行します。通貨は常に価値が認められてる(中央銀行がキチンと機能していることが前提)ため、誰でもそれを欲しがります。それゆえ、取引の中心に通貨を据えると、取引が円滑に行われるわけです。
昔は物々交換で取引が行われていたようですが、とても不便でしたので、通貨を使うようになったのですね(途中の過程では、金や銀などの貴金属を使っていましたね。その後、悪貨が良貨を駆逐するようになったので、通貨に変わりました)。
今現在の取引にはほぼ通貨が介在しているのですが、物々交換も使いようによっては便利なのですね。
ストックオプションで賞与を支払うというのは物々交換の好例で、現金を介在させずに取引ができるため、企業はキャッシュアウトを避けながら、キャッシュを支払ったとほぼ同等の効果を発揮させることができるのですね。
他にも、株式交換によるM&Aも物々交換の例の1つです。
また、休暇で賞与を支払うという方法も物々交換であり、賞与の支払いにバーター取引の仕組みを利用し、現金を使わずにボーナスを支払う方法として使えるわけです。
ただし、就業規則で、ボーナスを現金で支払うと決めているならば、休暇で賞与を支払うことはできません。
現金に比べ有給休暇の価値はどれぐらいか
休暇で賞与を支払うとすれば、「休暇の価値」をどう測るかが悩みどころです。
休暇といっても、無給の休暇と有給の休暇では価値が違いますし、また、1日単位でしか使えないのか、それともまとめて使えるのかによって価値が変わります。
さらには、もし賞与として有給休暇を支給するならば、有給休暇には「金銭部分と休暇部分」が組み合わさっており、価値を判断するに悩みます。
金銭部分の価値は問題なく測れますが、休暇部分の価値をどう測るかがポイントです。
まさか休暇部分の価値はゼロということはありませんから、幾分かの価値を見いださなければいけないでしょう。
例えば、1日分の休暇につき4,000円の金銭部分と6,000円の休暇部分というような割合を想定するのでしょうか。
う~ん、訳が分からなくなりますね。
賞与として休暇を支給するならば、全て無給の休暇として支給するのが良いだろうと私は思います。
休暇にどれほどの価値を見いだすかは企業ごとに違いますし、また社員ごとでも異なります。この価値がどれほどのものかが決まらないと、定量的に休暇の価値を判断することは無理です。
ちなみに、支給された休暇をまとめて取得することにすれば、価値を増加させることが可能でしょうね。
例えば、賞与の一部として10日の休暇を支給するとして、1日単位で使った場合よりも、10日まとめて使った方が休暇の価値は高まるはずです。
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【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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