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2009/9/20【持病でも解雇できないのか】




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■持病でも解雇できないのか◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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業務上の怪我は保護されるけど、持病は保護されていない。
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■持病で休んだり出勤したり。


人によっては、持病という病気を患っている方がいます。

神経痛、喘息、身体的な怪我、各種の精神疾患、などなど(具体的に書くことは控えます)。

持病とは慢性の病気のことで、以前から治療を続けているものの、なかなか完治しない疾患のことです。


そこで、今回は、持病を持ちながら仕事をしている方が会社で直面する出来事が主なテーマです。

持病を理由に会社を休んだり、少し快方に向かったので出勤したり、しかしその後、また持病が悪化し会社を再度休んだり、また良くなって出勤したり、、、。

上記の様な方を想定してみます。

さらには、そのような社員さんを抱える会社の経営者の気持ちも考えてみたいと思います。


現に持病を患っていらっしゃる方はもちろんですが、持病の無い方でも、想像を巡らしながら考えていただけたらと思います。






■病気だから解雇してはいけない、、?


例えば、「持病で休んだり、出勤したりを繰り返すので、仕事に支障が出ている。だから、退職して欲しい」と会社から求められたらどうでしょうか。

確かに、いくら持病といえども、しばらく休んで、また出勤してきて、また状態が悪くなったので休んで、、、と繰り返されると、周りの人も負担に感じるのかもしれません。それゆえ、退職して欲しいと会社から求められることもあるのでしょうね。


ただ、もし、当の社員さんならば、「病気を患っているときは解雇できないんでしょ?」と思うかもしれませんね。

そうですね。病気を患っているときは解雇できません。

ただし、その病気が「業務上の原因によるものならば」です。


労働基準法19条では、「・・・労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間・・・解雇してはならない」と書かれています(細部は省略)。

ここで注目するべきは、「労働者が"業務上"負傷し、又は疾病に、、」という部分です。

つまり、19条による保護を受けるのは、業務上の怪我や病気に限定されているのですね。


となると、持病のための療養や休業中には、解雇の制限がないわけです。

持病は19条の保護の対象ではないので、療養中であっても解雇の手続きを進めることはできるのです。


ゆえに、休みや出勤を繰り返すので退職してもらう、もしくは解雇するという扱いは法的には可能です。

しかし、これで万事完了というわけにはいかないのが現実です。





■業務"外"の怪我や病気を取り扱うのが厄介。


持病を理由に解雇するとなると、難関が1つあります。

それは、労働契約法16条です。

労働契約法16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と決めています。

では、持病を理由に解雇するというのは合理的なのか、さらに、社会通念上相当かどうか、という2点の条件を満たしているかどうかが問題になります。


いかがでしょうか。一般的感覚から判断して、「持病で解雇する」という取り扱いは合理的でしょうか、また社会通念(世間一般に共通して認められている考えのこと)上相当でしょうか。

もし、あなたが持病を患っていて、それを理由に会社から退職して欲しい(これは解雇ですね)と言われたら、どう感じるでしょうか。

他方、自分は持病持ちではないとして、他人が持病で解雇される状況に直面しているとしたら、どう感じるでしょうか。


ここで、なぜ、「感じるかどうか」で判断しようとしているかというと、「合理的かどうか」また「社会通念上相当か」ということを判断するには、どうしても主観が入らざるを得ないのですね。

ここでは、誰が判断しても主観が入ります。

あなたが判断しても、私が判断しても、弁護士が判断しても、裁判官が判断しても、主観が入ります。


経営者の気持ちに思いを馳せると、持病を持っているから退職して欲しい、もしくは解雇したいという悩みは少なくないです。


確かに、社員さんの立場からすれば、「持病で解雇なんて許せない、納得できない」と感じるでしょう。立場の弱さにつけ込んで解雇していると考えるのでしょうね。

しかし、経営者の立場に立つと、休んだり出勤したりを繰り返すたびに、他の人に代わりを務めてもらわなければいけないわけですよね。

給与面は、健康保険の傷病手当金を使えば何とか対応できるのかもしれませんが、出たり入ったりを繰り返すと、現場で働く人は困ったりするわけです。

それゆえ、経営者の立場も納得できる部分があります。


解雇を実施するには、どうしても労働契約法16条を通過しなければいけない以上、持病を患う社員さんを解雇するのは難しいのですね。

おそらく、労働契約法16条は、解雇は法律で強制的に処理してしまうのではなく、当事者の話し合いで解決するものという立場で作られているのかもしれません。

ただ、この仕組みが良い作用を生むこともあるのでしょうが、今回の様な場面では困るのですね。


業務外の病気や怪我というのは、時としてとても扱い辛いものになるわけです。








┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記  ★☆━━━━━━━━━┓


心理学の専門家がテレビでコメントすると、どうも無理矢理にこじつけてコメントしているような感じがします。


テレビという場ですから、何らかの意見を言わなければ仕事になりませんから、確かに何かを言わなければいけないのでしょう。


テレビに登場する人物の表情や服装、振る舞いでその人の心理状況を読み取っているわけですが、私のような素人からすると、「そうなのかな、、、」という感覚です。

例えば、"ある人物"が警察署から出てきて、少し笑顔を見せただけで、「あれは自信の表れです」、「復帰できるという思いを抱いていると考えれます」と言われても、たまたま仕事スマイルの状態だったのかもしれません。作り笑いという可能性もありますから、どうも変な感じです。

反射的に、ファンに対して業務スマイルを見せたとも私なら思えますからね。


また、仕事関係者の人の発言に呼応して、"ある人物"が涙を流すと、「今まで築きあげてきたものが崩れさっていくことに対する悲しみだと思います」と言われても、色々と思い出して泣いているだけかもしれません。

発言と涙のタイミングがたまたま合っただけなのかもしれない。


テレビでコメントをすると、どうも無理が生まれるのでしょうか。

ただ、コメントを聞いていて、「えぇ~、ほんとに~、、?」と感じて面白かったですので、こじつけでも良いのかもしれません。




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