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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2008/11/10号)━
再雇用だから有給休暇も無くなる?
65歳まで雇用を継続するか、定年を65歳にするか、と会社によって分かれるところです(定年廃止もあるようですが、今回は例外とします)。
雇用を継続する際には、「再雇用」と「継続雇用」の2つがありますが、今回は「再雇用の時の有給休暇は継続するのか否か」がテーマです。
再雇用だと、「条件を変更したのだから、新規雇用と同じでしょう?」と会社側は考えそうですよね。
新規雇用とすると、残っている有給休暇が消失しますし、勤続年数の累積もゼロになります。
再雇用というのは、正社員からパートタイム社員に変更するような扱いを指します。
とすると、確かに、契約内容は入れ替わっていると考えることができますので、新規雇用としても良さそうではあります。
再雇用は「新たな雇用契約」とみなされることが多い傾向で、定年退職後に再雇用される場合、新しい雇用契約が結ばれるため、勤続年数はリセットされるのが原則です。
ちなみに、年次有給休暇は勤続年数に応じて付与日数が変わります。雇用契約の開始日から6か月間継続勤務し、その間の出勤率が80%以上であれば、法定日数の年次有給休暇が発生します。
もし、勤続年数が引き継がれるならば、その年数に応じた有給日数が適用されます。
退職と再雇用の間に空白期間がなく、雇用関係が実質的に継続していると見なされる場合、勤続年数を引き継ぐ場合もあります。
同じ会社で、再雇用前後で途切れることなく働くならば、雇用契約は継続していると思えますよね。
働き方を変えただけで有給休暇がリセットされるのは、労働者としては何とも腑に落ちないところです。
再雇用後も勤続年数が継続しているかどうかの判断
判例では、再雇用の時に雇用が継続しているかどうかは、「実質的に」判断するとしています。
判例では、定年退職後、即座に嘱託社員として再雇用され、職務内容も同じで、雇用条件に大きな変更がなかったため、勤続年数が継続していると判断された事例があります。他方、定年退職後に数週間以上の空白期間があり、再雇用時に職務内容や労働条件が大幅に変更されたため、勤続年数は継続していないと判断した事例もあります。
再雇用までの期間、再雇用後の職務内容と労働条件、これらが判断の基準となっています。
ここで、60歳から1年経って、61歳で元の職場に戻ったらどうなるのか。この場合、雇用は継続しているのでしょうか。それとも継続しておらず新規雇用なのか。
1年の期間が空いていますから、継続性を否定する要素になりますね。
では、6ヶ月ならどうか、3ヵ月ならば継続しているのか、期間を変えると結論も変わる可能性があります。
例えば、60歳以降に以前の会社で働く場合には、「継続している」と判断するならば、いわゆる出戻りとして扱えます。人手不足の状況ならば、間が空いていても、年次有給休暇の勤続年数では継続していると扱うのもありですね。
また、再雇用の期限を示すために、「60歳定年後3ヵ月以内に、勤務を続けるか否かを申し出る」と条件を設けるのもありかもしれませんね。その期間内ならば継続雇用として扱うわけですね。
高年齢者雇用安定法、65歳までの雇用を企業に義務付け
高年齢者雇用安定法に基づいて、企業は65歳までの雇用機会を確保する義務があります(原則として希望者全員を対象)。
- 定年制の廃止
- 定年年齢を65歳以上に引き上げ
- 65歳までの継続雇用制度の導入(再雇用制度など)
これらのいずれかの措置を講じる必要があります。年次有給休暇の勤続年数を継続させるならば、再雇用制度や勤務延長制度で働き続けられるようにします。
- 1994年:定年の上限が60歳に引き上げられた。
- 2006年:希望者全員を対象とした継続雇用制度の義務化(65歳までの雇用確保義務)。
- 2021年:70歳までの雇用確保措置の努力義務を規定。
70歳までの雇用確保努力義務(2021年施行)
2021年4月の法改正により、70歳までの雇用機会確保を努力義務として企業に課す規定が追加されました。
新しく入社してきた人の教育係として継続雇用で働き続ける方もいらっしゃるでしょうね。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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