「公休=法定休日」と理解されている
1週間に休日が2日ある会社では、「公休」と「週休」という2つの名称を使って休日を識別しているところがあります。単に休み、休日としか区別していないところもあるでしょうが、会社によって名称が色々とあるのです。
例えば、火曜日と金曜日が休みならば、どちらかが公休で、どちらがか週休として扱われるというもの。
もちろん、公休も週休も休日という点では同じですので、どちらがどっちでも構わないのです。そのような名称を使うよう法律で求められているわけでもなく、あくまで自主的なものですから。
しかし、法的には、法定休日と法定外休日ではちょっと扱いが変わりますので、1週間に2日の休日があるとしても、公休と週休という表現を使っていると、どちらが法定休日でどちらが法定外休日なのかが判別できないわけです。
おそらく、「公休が法定休日でしょう?」、「なら、週休は法定外休日かな」と考えている方は多いのでしょうが、公休と法定休日を同じものと考えてもいいのでしょうか。
もし、「公休=法定休日」ならば、なぜダイレクトに法定休日という名称を使わないのでしょう。あえて公休などという言葉を間に挟む必要はないはずですよね。
なぜ「公休」と「週休」という表現が使われているのか
誰が公休と週休という言葉を使い始めたのかは分かりませんが、どのような利便性があるのかは今ひとつ理解しにくいところ。
本来ならば、公休は「法定休日」、週休は「法定外休日」という名称を使うのが分かりやすいはずで、休日ごとに「この日は法定休日」、「この日は法定外休日」というようにあてはめてくれる方が判別しやすいのです。しかし、現実は法定休日・法定外休日という名称ではなく、公休・週休という名称を使っているんですね。
もちろん、「公休=法定休日、週休=法定外休日」としてキチンと運用されているならば差し支えないのですが、このようにリンクさせずに休日を運用している企業もチラホラとあるのではないかと。特段の区別なく、公休、週休と勤務シフトに記載しているだけだったり。
なぜ、あえて公休・週休という表現を使っているのかを考えていると、おそらくは法定休日の可動性を確保したいという動機があるのかもしれない。つまり、「法定休日」という名称を使ってしまうと、その曜日を固定しなければいけないという先入観があって、あえて法定休日という名称を避けているのかもしれない。
公休という名称を使えば、形式的には(見た目では)法定休日とは分からなくなるので、曜日を変動させやすいのではないかと思います。つまり、今週の公休は火曜日で、来週の公休は木曜日、その次の週は日曜日が公休というように、どの日に法定休日を配置するかを変えやすいのですね。
さらには、公休を法定休日と考えるのではなく、週休を法定休日と考えることも可能です(可能性は低いでしょうが)。どちらも同じ休日ですし、どちらが法定休日でどちらが法定外休日かをハッキリさせていないのですから、公休と週休のどちらもが法定休日になる可能性がありますし、また法定外休日になる可能性もあるわけです。
法律では、公休は法定休日でなければいけないわけではありませんし、週休が法定外休日でなければいけないわけでもないです。週1日の休日であれば法定休日の条件は満たしているのだから、公休と週休のどちらが法定休日でも構わないのです。
公休と週休は、法定休日の位置を分かりにくくするための煙幕ではないかと思えるのですね。
1週間に1日の休日を取れていれば、労働基準法では問題ありませんが。