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年次有給休暇を取ったら皆勤手当は出ないの?

 

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■年次有給休暇を取ったら皆勤手当は出ないの?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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有給休暇と皆勤手当のせめぎ合い。
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有給休暇と皆勤手当

無欠勤や無欠席が褒められるのは不思議なものですね。

学生だと、無欠席で学校に行くと、表彰されたりするところもあるようです。私が通った学校でもあったのかどうかわかりませんが、誰かが無欠席で表彰されていたような記憶もおぼろげながらあります。

ただ、無欠席を褒めてしまうと、学校に行くことそのものに価値を見いだしてしまい、出席したものの居眠りしているなどというヘンなことにもなりかねない。それでも、無欠席が評価されているのでしょうね。


社会人になっても、「無欠席を評価するという」価値観が残っていることがあり、無欠勤で勤務すると、「皆勤手当」という名目でお金を支給する制度を設けている企業もあるようです。今では皆勤手当を設置している企業は少なくなっているようですが、残っているところもあるようです。

ただ、「皆勤」という名称の通り、出勤する日には全て出勤することが条件のようで、休暇を取得したりすると皆勤ではなくなるので、手当は支給しないとする企業もあります。

しかし、休暇を取得したからといって、皆勤手当を支給しないのは納得できないと言う人もいらっしゃいます。休暇は欠勤ではないのだから、皆勤手当には影響がないという理屈のようです。






何でも「不利益だ」と言う人

例えば、「有給休暇を利用した月には皆勤手当は無い」とか、「子の看護休暇を利用した月には皆勤手当は無い」などのように、休暇と皆勤手当が衝突するような場面を想定してみると良いかもしれません。

「休暇を取得したことをもって不利益な扱いをしてはいけない」という理屈は以前からありますが、この「不利益」という言葉がちょっと厄介です。


まず、何をもって「不利益」と判断するのか。

また、どの程度の不利益ならば不利益だと判断するのか。重大な不利益だけを不利益と判断するのか、それとも、軽微な不利益であっても不利益と判断するのか。


特に、「有給休暇を取得した月には皆勤手当を支給しない」という扱いをすると、反発する人が多いですよね。

「有給休暇を取得したことでもって不利益な扱いをしてはいけない」という点がよく認知されているためか、有給休暇と皆勤手当が絡むとトラブルになりやすようです。


不利益という基準を定量的に取り扱えないために、どうしても濫用されがちになるのかもしれませんね。








皆勤手当は企業が自主的に設置する制度だから、その支給条件も自主的に決められるはず

皆勤手当などの手当制度は、企業が自主的に設置するものですから、その内容も企業が自主的に決めることができます。

それゆえ、もし、「休暇を取得した月には、皆勤手当を支給しない」というルールを設けていても、それは企業の自治の範囲であって、外部から何らかの制約を受けるものではないはずです。

私ならば、「皆勤手当は企業が独自に設ける手当制度であり、法的に設ける手当制度ではない。それゆえ、その手当の支給条件も企業が独自に定めることができると考えるのが妥当である」と主張し、休暇を取得した月には皆勤手当を支給しないという点に賛成します。


要するに、「独自の制度なのだから、その条件も独自に」というわけです。

また、休暇を取得した月のみ皆勤手当が支給されないだけなのだから、著しい不利益とは言えない。さらに、皆勤手当の金額も、数千円からせいぜい1万円程度のものなのでしょうから、休暇を取得した月のみ支給されないと扱われても、生活に支障が出るわけでもありません。


「不利益扱いをしてはいけない」といっても、あくまで「著しく不利益な扱い」を想定しており、何でも不利益だと判断しているわけではないはずです。しかしながら、その不利益の基準が曖昧なので、現実に当てはめにくいわけです。



私は、「独自の手当制度なのだから、その支給条件も独自に」という立場を支持しますが、あくまでも「不利益な扱いだ」と主張して、皆勤手当を支給させることもできるかもしれません。

おそらく、「休暇を取得した月であっても、皆勤手当を支給するべき」という立場と「休暇を取得した月には、皆勤手当を支給しない」という立場は、どちらも法的には差し支えない立場ですから、どちらの結論を選択していただいてもOKです。


ただし、不利益、不利益と一辺倒に言うだけでは、人に納得してもらえないかもしれませんね。

ちなみに、年休を取得すると皆勤手当が出ない場合であってもOKという下記の判例(沼津交通事件 最一小判平5.6.25 民集47-6-4585)もありますから、一概に「年休を取ったら皆勤手当は出ない」と判断するわけにもいかないのです。

(45)【年次有給休暇】年休の取得と不利益な取扱い|雇用関係紛争判例集|労働政策研究・研修機構(JILPT)

 

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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