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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/4/9号 no.79)━
こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。
このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。
興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚(?)で読むのもよし、です。
どうぞ、ご自由にご活用下さい。
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今日のTOPIC
1: 休業と有給休暇は別々でも重ねてもどちらでも良い。
>>>休業の助成金と有給休暇のコラボも可能。
2: 編集後記
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■■ 休業と有給休暇は別々でも重ねてもどちらでも良い。
■■ 休業の助成金と有給休暇のコラボも可能。
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■休業したら有給休暇はダメ?
最近では、休業や時間短縮を検討する企業も出てきていますね。
雇用関係の助成金を使う企業も多くなっています。
そこで、休業を検討する時に有給休暇を使うとなると、
「休業ならば有給休暇は使えない」
「休業していないならば有給休暇は使える」
と考えている方は少なくないのですが、このようなトレードオフ
関係(同時に成立しない2つの事象を意味する言葉)は必ず成り
立つのかどうかが疑問ですよね。
確かに、休みの日に有給休暇は使えないのが原則なのですが、
休業と有給休暇はなぜ影響しあうのかという素朴な疑問を持つ
方もいらっしゃるはずです。
「会社の都合で休みになっただけなのだから、有給休暇を使って
も良いのでは?」と思うわけです。
「休業ならば有給休暇は使えない」というとき、「使えない=
禁止(絶対禁止)」と考えるべきなのでしょうか。
それとも、「原則として使えない(相対禁止)」にとどまる
のでしょうか。
■休業と有給休暇はトレードオフではない。
結論から言えば、休業して、また場合によっては助成金を受け
取って、さらに有給休暇を上から被せるような使い方も可能です。
休業の計画を出している日に有給休暇を使ったとしても、休業して
いる事実が確かならば、有給休暇は別枠で扱うことができると
考えるべきでしょう。
「有給休暇を使ったならば、その日は休業ではない」という解釈
は違うのではないかと私は考えます。
つまり、有給休暇で休んだからといって、会社の都合で決めた
休業という事実が変わるわけではないのですから、やはり休業と
有給休暇は別枠で取り扱うのが妥当です。
となると、助成金の休業計画は維持したまま、有給休暇を使える
ということになります。
「使えない=禁止」ではなく、「原則として使えない(例外的に
使える)」と解釈するのが正しいのですね。
確かに、「労働義務がない日に有給休暇は使えない」のが原則
なのですが、あえて休日に有給休暇を使うことを禁止するもの
ではありません。
会社が許せば、労働義務がない日に有給休暇を使っても構い
ません。
例えば、休業手当だけでは給与の全額が確保できないので、
有給休暇を重ねて使うことで、100%の給与を確保するという
方法もアリなわけです。
となると、上記の方法が使えるということは、「休業と有給休暇
がトレードオフではない」という証明になりますよね。
つまり、休業と有給休暇は混在しても良いということ。
それゆえ、法定外休日に有給休暇を充てることは可能ですし、
休業日に有給休暇を充てることも可能となるのです。
ただし、法定休日に有給休暇を充ててしまうと、休日を与えて
いないと判断される可能性がありますので、法定休日に有給休暇
を充てるのは避けたほうが良いですね。
「実質的に休んでいる」という点では、法定休日も有給休暇も
同一なのですが、外部から法定休日の有無が判断しにくくなる
という点が気がかりです。
■有給休暇は会社負担だから、
「有給休暇を使う日は労働日になるから、その日は休業になら
ない」と固く考えている人は少なくありません。
特に、助成金が絡んでくると、「休業日に有給休暇を使ったら
助成金が貰えないのでは」と不安に思うこともあるのでしょうね。
「休業という事実」と「休業手当を支払ったという事実」に
基づいて雇用安定助成金は支給されるのですから、有給休暇を
挟み込んで考えるとおかしな方向に向かってしまいます。
有給休暇の給与は全額会社が負担するわけですから、労働局が
関与することはありません。
ましてや、有給休暇中の給与と助成金を調整するなどということ
もありません(そんな仕組みは無い。今の時点では)。
ゆえに、頭を混乱させないためにも、有給休暇と休業(助成金の
事も含む)は、キチンと切り離して考えて欲しいですね。
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>>編集後記
OpenIDは便利な仕組みですね。
1つのIDで複数のサイトにログインできる仕組みなのですが、
IDやPasswordで溢れ返りがちな現代人には嬉しいサービスです。
対応しているサイトがまだ少ないのが難点ですが、もっと普及
すれば便利になるでしょうね。
「何かを統合するサービス」は大歓迎です。
私が待ち望んでいる「ポイントカード統合システム」と仕組み
が似ていますから、なおさら好感を抱くサービスです。
財布の中にうじゃうじゃとカードを入れるのは辛いですからね。
中には、ポイントカード専用のパスケースを持っている人も
いたりして、驚かされます。
そこまでしてポイントを管理するのか、、、と(笑)。
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