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■■電子データで就業規則を提出できる?
プリントアウトせずに電子データ形式で提出
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就業規則を電子データ形式で作るには?
ほとんどの企業では、社内の規則集は、電子文書もしくは紙の文書で保管されているだろうと思います。
ファイルに綴じて棚に保管したり、事務引き出しにポンと入れていたり、社内イントラネットにアップしていたりと企業ごとに保管する手段が違います。もちろん、保管方法によって文書の効果が変わるわけではなく、利便性を考慮して保管方法を選んでいます。
また、社内規定の1つである就業規則も、書面で管理している会社があれば、電子ファイルで管理している会社もあります。
就業規則を作成したり変更したりすると、労働基準監督署へ届け出るのですが、この届け出も紙媒体と電子媒体を選択することができます。
(参考)
神奈川労働局
http://www.kana-rou.go.jp/users/kijyun/shukdens.htm
ただ、電子媒体で就業規則を取り扱えるものの、情報が古いためか、疑問点もポロポロと出てきています。確か平成11年頃に、就業規則を電子媒体で取り扱うことができるようになったようで、その当時から取り扱い基準がほとんど変わっていないため、今となっては妙な基準も残っています。
電子データ形式の就業規則を保存するメディアは?
就業規則の電子媒体を格納するメディアは、フロッピーディスクかCD-Rが指定されているようです。
しかし、フロッピーディスクとは随分と古典的な媒体ですよね。今でもフロッピーを使っている人はどれくらいいるのでしょう。就業規則をフロッピーに格納して受け付けているとは周知されているものの、「本当にフロッピーで大丈夫なのか?」と最近では特に思います。
何もフロッピーが危ないとか、記録が消えやすいとか、容量が少ないというわけではなく、フロッピーそのものを取り扱う環境が減っているのではないかと私は思います。
近頃のPCにはフロッピー装置を搭載していないものがほとんどですし、電子的な記録媒体はUSBコネクターに挿入して利用するフラッシュメモリーが主体です。古いPCだと「フロッピーディスクドライブ」というものがあるので、フロッピーの読み込みや書き込みもできるのでしょう。
私の経験でも、小学校や中学校、高校ぐらいまではフロッピーディスクが普及しており、ワープロ演習のような授業では、生徒1人ごとにフロッピーディスクが配布され、それをフォーマットして使っていました。ちなみに、当時のフロッピーは使い回しで、他の人が使ったものをフォーマットして内容をクリアにし、それを再度利用するという環境にやさしい使い方をしていました。
余談ですが、ゲームでもフロッピーディスクは使われていて、ディスクシステムというゲーム機は確かフロッピーがソフトとして使われていたはず。中の磁気フィルムを手で触ると、内容を読み取らなくなり、ソフトが使い物にならなくなるということもありましたね。
しかし、今ではフロッピーそのものが風前の灯火で、おそらくフロッピー装置を手に入れるもの簡単ではないのかもしれない。家電量販店の棚の隅っこの方にちょこんと陳列されているぐらいかも。
今は、個人でフロッピーを使っている人はもうほとんどいないはず。フラッシュメモリー、ポータブルHDD、設置型HDD、MO(何か、懐かしい)、CD-R(RW)、DVD-R(RW)、オンラインストレージ(各種のウェブサービス)などを使う人がほとんどのはずと想像しています。取り扱う情報の容量も大きくなる一方ですし、1枚で1.2MBぐらいの容量しかないフロッピーでは対応できないでしょう。デジカメで容量を小さく設定した写真でも、7枚か8枚くらいしか撮影できない容量です。
フラッシュメモリーだと、フロッピーディスクのようにフォーマットすることはないし、容量も小さなものから大きなものまで多種多様です。2GBのフラッシュメモリーが980円ぐらいで売られていますし、もはやフロッピーの立つ瀬は無い情勢です。
しかし、企業内では未だにフロッピーを使っているところがあって、以前から使っているからその延長線上で使っているようです。いわゆる経路依存です。
今ならば、フラッシュメモリーやCD-Rで就業規則を提出する方が対応しやすいのではないかと思います。
就業規則をWordデータで提出できる?
何か文書を作成するとなると、Wordを使うという人は多いですよね。立ち上がり速度は速くはないものの、「文書作成はWord」と思われている傾向もあり、利用者は多い。他方、レイアウトがきれいなのでWordを利用している人もいるのかもしれない。確かに、印刷するとWordはきれいに印刷できますからね。
テキストエディターだと、文字の中央寄せができないものもありますし、Word独特の入力補助機能(自動的に箇条書きする機能など)もありません(これを「ありがたい」と思う人もいれば、「おせっかいな機能だ」と思う人もいます)。
では就業規則の電子文書はWordやtextファイルで取り扱えるのかというと、どうもダメみたいです。文書形式はHTMLが指定されており、Wordのdocファイルやテキストエディターのtxtファイルでは原則としてダメなのでしょうね。
ただ、txtファイルやPDFならば、どのPCでもおそらく開くことができますから、受け付けてもらうことは可能ではないかと思います。HTML形式を指定しているのは、ブラウザーがあれば必ず閲覧できるという理由なのでしょうけれども、txtファイルやPDFも必ず開くことができるファイルとして扱っても差し支えないのではないでしょうか。
しかし、わざわざHTML形式で就業規則を書くのもヘンな感覚です。
<pre>(半角だとpre要素として解釈されるので、全角で表記しています) 要素で就業規則の本文を囲むだけのシンプルな体裁ですけれども、あえてHTMLでなくてもいいのではないかとも思えます。
HTMLで就業規則の体裁を整えるとなると、CSSでレイアウトをコントロールする必要がありますが、たかが就業規則のために、各要素にstyle属性を付けたり、head要素にCSSプロパティを書いたりするのは、何とも大袈裟です。
ただ、レイアウトに拘らずとも、読めれば受け付けてくれるでしょうから、気にしなくてもよいのかもしれません。ならば、txtファイルで対応すれば良いのではないかなどと、いろいろな考えが浮かんできます。
ところが、就業規則をあえて電子媒体で提出する必要は無い、という元も子もない判断もありますよね。
出来上がったものを事前にプリントアウトして、冊子形式に整えて、持って行く。これで十分だろうという判断です。
もし、電子媒体で持って行って、「これでは受付できないのですが、、、」と言われると、二度手間ですから、最初からプリントアウトした書面で取り扱う方がかえって早いのかもしれません。
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