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就業規則で決めたルールとは違う労務管理をしていたら


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■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/4/30号 no.84)━

■■  就業規則で決めたルールとは違う労務管理をしていたら
■■  規則と実際のズレを後から修正できるか
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■就業規則と現場が乖離しているとき。

ある会社で、就業規則に決めた通りに労務管理をしていない
状況だと仮定します。


そこで、会社は、「今までは曖昧な管理をしていたから、
これからはキチンと管理しよう」と思い立ち、今からは
規則通りに労務管理しようと決意しました。


ところが、会社で支給している扶養家族手当について、
就業規則の規定よりも実情のほうが手厚くなっているとすると、
どうなるでしょうか。


例えば、就業規則では、「扶養家族1人当たり、8,000円」と
書かれているにもかかわらず、実際には、「扶養家族1人当たり、
10,000円」を支給していたとしたら、簡単には事は運びませんね。


つまり、「規定よりも実態の方が緩いルールで動いている」
ということです。

そんな状況下で、実態を規則通りに合わせると、今までよりも
待遇が低下しますよね(今までは10,000円だったのに、8,000円
に変わってしまうのですから)。



他にも、就業規則で、兼業や副業を禁止しているにもかかわらず、
実際には許してしまっているという状況も上記と同様です。


そこで、あえて規則通りに変更したとすると、いわゆる「不利益
変更」に該当するのかどうかが今回の疑問です。


規則自体は変更していないにもかかわらず、不利益変更となる
のでしょうか。




■いわゆる「不利益変更」ではない、けれども、、、

通常、規則や契約を不利益になるように変更すれば、「不利益
変更」となります。


契約更新の際に従前よりも低い待遇で契約するとか、就業規則
を従前よりも低い待遇の内容に変える、という取り扱いをすれば、
確かに労働条件の不利益変更ですよね。


一方、(規則よりも緩い)現状を(現状よりも厳しい)規則に
合わせようとして結果的に不利益な変更となってしまった場合
には、労働条件の不利益変更となるのかどうかが微妙です。


確かに、「規則よりも緩い現状」を「現状よりも厳しい規則」
に変えるというのは、規則や契約の変更による不利益変更には
該当しないが、実質的には不利益変更だとも判断できます。


しかし、外部の人は、労働契約書や就業規則によって労働条件
を決めているのだと思っていますから、現状がどうであれ規則
や契約の内容を基準に考えるはずです。


となると、就業規則どおりに労務管理できていなかったとしても、
事務上のミスとして片付けられる可能性は高いです。




■書いているならば、書いている通りに実施する。

雇用契約書や就業規則はただの事務書類ではありません。


就業規則(就業規則がない会社だと労働契約書)は「正式な社内
のルール」ですから、作っただけで放置していると、現場と規則
の内容がずれていくこともあります。


現場と規則の内容にずれが生じて、それが長い間続くと、いわゆる
「慣習」になってしまい、修正することが難しくなることもあり
ます。


例えば、退職金規定を作らずに、退職金を長年にわたって支給
していると、「退職金は支給されるもの」という慣習が形成
されます。

そうなると、会社は「退職金規定はないのだから、退職金を支給
する義務もない」という言い訳もできなくなります。



決めた通りに取り扱わないと、「あの人は退職金を受け取れて、
なぜ私は退職金がないのか」という状況も発生するかもしれま
せんよね。



ルールは飾りではなく、守ってこそルールですからね。



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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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