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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/2/25号 no.66)━
- 就業規則に書かれた「兼職(副業)禁止」は有名無実?
- 就業規則に「兼職(副業)禁止」を定める必要はもうない?
- 副業で労災保険の給付が変わることも
- 複数事業所で働く労働者が労災で怪我をしたら給付額はどうなる?
就業規則に書かれた「兼職(副業)禁止」は有名無実?
一時帰休や休業中に他の仕事をすることは、法律上禁止されていません。ただし、就業規則や労使協定で副業が制限されている場合があります。そのため、まずは勤務先の規定を確認することが重要です。
会社の就業規則を見てみると、「会社の許可を受けることなく、在職中のまま自ら事業を営んだり、会社を設立したり、他の会社の役員に就任したりすることを禁止します」、「会社の許可を受けることなく、在職中のまま他社の従業員として労働契約を締結してはいけません」、このような文言が記載されていることがあります。
実際には、兼職禁止のルールがあっても、副業をしている社員さんがいたりして、さらには、会社の人も特に非難したりはしないこともありますね。
会社都合で休業となり、休業手当を受け取っている場合でも、副業を行うこと自体は可能です。
他社の収入と休業手当を調整するかどうかが問題になりますが、副業での収入を考慮して休業手当を調整することは難しいです。
どのような副業していて、どれだけの収入を得ているかという情報を労働者本人からの自己申告で正しい情報を把握できるかと言うと、難しいでしょう。
副業による収入と休業している会社から支給される休業手当はそれぞれ別のものですし、併給調整する根拠は法律にはありません。
他社の収入に応じて休業手当の支給額を減らすというルールを定めている事業所もあるようですけれども、副業によって得た収入を正確に把握することはできませんから、休業手当との調整も正確にはできないでしょう。
就業規則に「兼職(副業)禁止」を定める必要はもうない?
就業規則を作る時には必ずと言っていいほど、「兼職や副業を禁止するルールは必要ですよね?」などと聞かれることがありますが、「必ずしも必要はないですし、ちょっとしたアルバイト程度ならば多くの人が行っていますから、むしろ兼職禁止規定は無くてもよいのでは」と答えることも。
「副業をさせて重大なトラブルが起こった」などという話は聞いたことがありませんから、厳格に考える場面ではないのではと思います。
会社の都合で休業や一時帰休を実施するならば、社員さんも兼職や副業ぐらい認めて欲しいと考えるのは普通の感情です。
副業で労災保険の給付が変わることも
怪我や病気を原因として休業し、労災による休業補償を受けている場合、副業で得た収入は休業補償の金額に直接影響します。労災保険法では、休業補償受給中に得た収入は控除の対象となり、その額を差し引いた80%が支給されると定められています。このため、副業で収入を得た場合は、労働基準監督署への報告が必要となります。
複数事業所で働く労働者が労災で怪我をしたら給付額はどうなる?
2020年9月1日から、労災保険法が改正され、複数事業労働者については、災害発生事
業場と非災害発生事業場における賃金額を合算した額に基づいて給付基礎日額を算定するように制度が変わりました。
労災事故が発生した場合、本業のみの賃金を基に補償額が算定されると、実際の生活費に満たない可能性があるため、公平な補償を実現するために複数事業労働者の制度が導入されました。
本業と副業の賃金を合算して労災保険の給付が決まるようになりましたので、労働者には有利な制度改正です。賃金が多いほど労災保険の給付額は多くなりますので。
複数事業所の賃金の合算
複数の事業所で勤務している労働者が労災保険の対象となる災害に遭った場合、各事業所から受け取っていた賃金を合算して「賃金日額」を算定します。
複数事業労働者の対象者
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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