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■健康保険だけでは不安?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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先進医療には健康保険が使えないというオドシ
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■確かに先進医療は自己負担だけれども、、、。
日本では、病気や怪我をすると、健康保険を使うことで、わずかな自己負担で治療を受けることができますよね。
この健康保険というものはなかなか万能で、道で転けて膝を怪我した程度でも利用できる制度です。
さらには、外科手術などの大規模な治療を受けても保険が使え、一定の負担額を超えると、高額療養費制度を利用できるので、自己負担する費用はとても少なくて済みます。
ところが、いわゆる「高度先進医療の技術料」には保険を利用することができず、全で自己負担で対応することになります。
そのため、「先進医療は保険が使えませんよ」という話を持ち出し、保険会社の医療保険に加入するように勧められることがあります。
テレビCMでも良く放送される内容で、高度先進医療は自己負担という部分を強調し、CMを見ている人に不安感を与え、医療保険への興味を高める仕掛けですね。
確かに、高度先進医療は自己負担という点は正しいです。
しかし、だからといって、医療保険が必須というわけでもないのですね。
■生命保険は死亡保険が主体。
まず思うのは、先進医療を受けるには、「先進医療のための設備」が必要なはずです。
先進医療で例に出されやすいのは、がん治療で利用される「重粒子線治療」でしょうか。
この重粒子線治療を受けるには、重粒子線を放射する設備が必要で、この設備が無ければ治療は実行できません。
では、この重粒子線治療の設備を有している病院は日本にいくつあるかというと、3カ所ぐらいだったと記憶しています(参考:『生命保険のカラクリ』岩瀬 大輔)。
となると、近所の病院で重粒子線治療を受けたいと思っても、設備が無く、治療を受けることが無い人も多いはずです。
さらには、通常のがん治療よりも重粒子線治療の方が効果が高いのかどうかも分かりませんから、一般の人には判断する基準が無いのですね。
もちろん、保険会社には商品を売らなければいけないという事情があるので、医療保険商品を否定することはないのですが、あえて購入するものなのかどうかは疑問です。
デレビやチラシでは、「1日当たり126円!」などのように、お手頃さを強調して、加入しやすい保険であることを知らせてくれますし、さらには、「無事故ボーナス」というものを付けたりして、保険料が返ってくることも利点として案内されています。
しかし、健康保険に加入している人は、相当な保険料を支払っているはずです。
毎月5万円払っている人を想定すると、普段はおそらく月に5万円分も病院には行かないはず。大きな怪我や病気をしたときは別ですが、「受けているサービス<支払っている保険料」となっている人は多いのではないでしょうか。
にもかかわらず、さらに上乗せして医療保険に支出するのは、ちょっとヘンですよね。
使わないものをさらに購入するようなものです。
ゆえに、あえて医療保険を購入する必要はないと私は思います。
ただ、「保険は損をすることに意味がある」と考えることもできますから、損をしてでも保険には積極的に加入すべきと判断するのもアリです。
■インフォームドコンセントで選べば良い。
「でも、もし先進医療を受ける状況になったら困るでしょう?」と考える人がいるかもしれませんね。
たしかに、医療保険に加入しておらず、健康保険だけに加入している状況で、先進医療を受ける状況になったら困りますね。
しかし、「先進医療しか選択肢が無い」という状況はあまり多くないのではないでしょうか。
医療施設では、「通常の保険診療という選択肢もあるけれども、先進医療を利用するという選択肢もありますよ」と説明してもらえるはずです。
いわゆるInformed consentですね。
どのような病状で、どのような治療方針を採用するかを事前に患者に説明するはずですから、「先進医療しかない」という状況に追い込まれることは考えにくいです。
もし、医療保険に加入していなければ、健康保険を使える範囲で治療をしてもらえれば良いのです。「健康保険が使える範囲で治療してください」と担当医に言えば良いのでは、と私は思います。どうしても先進医療でなければ助からないというならば、おそらくすでに手遅れではないでしょうか。
だれもが全てのリスクに備えるということはできないでしょうから、「私ならばここぐらいまでかな」という水準を想定して、医療保険を使うかどうかを決めてはいかがでしょうか。
┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記 ★☆━━━━━━━━━┓
自動販売機の表記には、「つめたい」と「あたたかい」という2つの表記がある。
冷たい飲み物と温かい飲み物を分けるために表記しているのでしょうが、
自動販売機によっては、ちょっと変わった表記をするものがあるようです。
「つめたい」と表記するところを、「つめた~い」と表記し、「あたたかい」と表記するところを、「あたたか~い」と表記している自動販売機があったような記憶があります(ハッキリとした記憶ではない)。
「つめたい」と「つめた~い」。「あたたかい」と「あたたか~い」。
「~」が付いていると、ちょっとでも多く売れるんでしょうか。
伸ばし表現を使うと、情緒が伝わるとか?
不思議なものです。
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