労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

掃除も朝礼も労働時間。参加させたいなら工夫すべし。

 

 

早く準備するのは「社会人としての常識」と言えそうだけれど、、、。

「終業した後に簡単な掃除をしています」
「始業する前に簡単な掃除をしています」

こんな会社もありますね。

始まりや終わりをキチンとするという思いで掃除をしているのでしょう。仕事を始める準備なりウォーミングアップとして、始業前に掃除をするのかもしれません。


ただ、簡単な掃除だからといって、その時間を仕事として勤務時間に含めていないこともあるようです。


確かに、始業や終業の際の掃除ですから、ごく簡単で、すぐに終わる程度のものなのでしょう。

5分~10分程度だから、勤務時間として扱わなくても差し支えないだろうと思うのでしょうね。誤差程度のものだろう、と。


しかし、一部の人が自主的に行っているものではなく、会社として従業員に指示して、実施している掃除ならば、「差し支えない」、「誤差程度」とは言っていられないのですね。

 

 

自分の世界の常識は、他の人の非常識だったりする。

過去から連綿と続いていることなのですが、「目玉焼きに何の調味料を付けて食べるか」というトークが時折展開されますよね。

私は醤油なのですが、この意見に反対する人もいるでしょう。


「私はソースだね」
「いや、マヨネーズだ」
「そんなの有り得ない、塩だよ」
「ケチャップですが、何か?」
「私ならドレッシングをかけます」

このように、喧々諤々とするわけです。

これは個人的な好みの問題であって、結論としてはどちらもあり得るという場面なのですね。


話を戻すと、

「掃除程度のことだから、勤務時間には含めない」
「その程度のことは人として当然」
「これは常識です」

これは確かに分かります。

ただ、こちらは当然と思っていても、それを当然ではないと考える人もいるのですね。


簡単な掃除であっても、会社として義務でやらせると、それは仕事と扱われてしまうわけです。仕事を始める前の、ちょっとした掃除であっても。

判断する人によっては、「それは仕事だから、勤務時間に含めなければいけない」と言う人もいます。「掃除をやらせているのだから、仕事だ」というのですね。


ゆえに、「会社として何かをやらせている」ならば、給与を支給する対象にしないといけないのです。

 

「簡単な掃除だから、仕事として扱わない」と決めると、それに対して疑問を抱く人がいるのは真っ当なことです。たとえ、仕事をすれば、1分でも仕事ですから。

時間を給与に変換するような働き方には賛否ありますが、労働時間を基準にして管理するのが法律です。


社会の常識が誰にでも通用すると考えるのは、必ずしも正しくないです。

自分では常識と思っていることが意外と非常識でもあったりしますからね。


自分の世界の価値観が社会一般の価値観として通用するかどうかは分からないのです。それゆえ、簡単に「当たり前」と言って片付けるのは良くないです。


このように、「たかが簡単な掃除程度」で、どうだこうだと時間を使わなければいけなくなるのですから、やはり勤務時間に含めている方が賢明です。誤魔化しても、後からトラブルになる火種を作るだけに終わりますから。

 


朝の掃除も、朝礼も、労働時間に含まれる。


仕事に直接関係しない派生作業は仕事じゃないかのように考えている人もいます。


例えば、仕事が始まる30分前に会社に来て、掃除をする。


仕事の時間はまだ始まっていませんけれども、

<掃除を始めた時点から仕事>

になります。


仮に10時が始業時間だとして、30分前から掃除を始めたならば、
9時30分が始業時間です。

10時じゃないですよ。


他にも、

朝礼、夕礼、会議、


さらには忘年会や新年会まで

「これって仕事の時間じゃないか?」

と言う人までいます。

 

また、お店を開店する準備や閉店作業、これも仕事です。


必ず参加しないといけないイベントならば、それは仕事の時間になってしまうんですね。

 

 


参加したくなるような仕掛け。


人は見返りのないことにはヤル気を出さないもの。

逆に、見返りがあると<ヤル気>を出します。

 


掃除や朝礼への参加も、

参加すれば1回に500円の手当が付くとか、
賞与の額を決める評価基準になる、


となれば、進んで参加します。



「朝の掃除、やらせてください!」
と言いたくなるような理由が必要です。


ほら、せっかくやってもらうならば、

<イキイキと積極的に>

やってもらいたいじゃないですか。

 

掃除するならピカピカで、

「おお〜! 掃除のプロがやったみたいだな」

と思えるような仕上がりになっていれば気持ちいいでしょう。


無理やりに掃除をやらされた人は

「コレぐらいでいいだろう」

となるべく手を抜きますけれども、


"ニンジン"が用意されると、

「これでどうだ!」

と言わんばかりの仕上がりにしてくる。


労働時間に含めれば給与は出ますから、
あえて手当を付けなくてもいいのですが、

給与だけだと「仕事をやらされている感」が残ります。


手当が付くとか、賞与が増えるとか、そういう理由なり動機が無いと人は動かないもの。

 

忘年会や新年会、お花見にしても、

単に「やるぞ」、「来いよ」と

言われても、そんなウザいイベントなんて行きたくないと拒否してしまう。


例えば、忘年会を2時間やるならば、

「2時間分の給与、2,000円が出るから参加しな」と言われれば、

飲み食いができて、給与も出るんなら行くか、と思うもの。


人は損得で動きます。

「損得勘定で判断しちゃダメだ」とマジメなことを言う人もいますけれども、


人を動かすには、

「これはイイ」、「トクだ」、「オイシイぞ」

と思わせるような仕掛けが欠かせません。

 

 

こういうの好きでしょう?

クーポンとか割引とか、30%引きとか。

無料引換券だとか。

抽選券が手元にあれば抽選に参加したくなるでしょう? 当たる確率は低いのに。


自分が得すると感じれば、人は動くんです。これは当然と言えば当然の仕組み。

 


労務管理でも、

「どういう工夫をすれば、人が動きたくなるのか」

これを考えて仕組みを作ると、望ましい結果を得られます。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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