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年次有給休暇の付与時期を固定するのは有用

有給休暇





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■休暇の付与時期を固定するのは有用◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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「時季を変更できる期間」と「時季を変更できない期間」を分ける
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■どんな条件で使う仕組みなのか。

ご存知のように、有給休暇というのは社員さんが原則として自由に使える休暇です。

ただ、休暇を取得されると仕事が進まなくなるなどの会社の都合によって、休暇を取得する時季(妙な感じですが、「時期」ではなく「時季」と表記します。ミスタイプも起こりやすい)を変更することも可能です(労働基準法39条4項より)。いわゆる時季変更権というものですね。

確かに、いつでも休暇を使えるとなると、もし繁忙期に休暇が重なってしまったら会社も困ります。そのため、会社の判断で、休暇を利用する時季を変えることが可能なのですね。

しかし、時季を変えるといっても、いつでも変更できるとなると、これは不都合です。

自由に休暇を取得できるのも確かに不都合なのですが、他方、自由に時季を変更できてしまうのもまた不都合ですよね。


「休暇を利用するかどうかは時季変更権でコントロールされてしまうけれども、時季変更権そのものはコントロールされないのですか?」という疑問を抱く人も少なからずいるかと思います。

確かに、ごもっともな疑問です。

自由に休暇が取れないならば、他方で、自由に変更できないという仕組みがあっても良いのではないかという判断ですよね。


そこで、今回は、「時季変更権をコントロールすること」がテーマになります。






■いつでも変更できるから困る。

時季変更権のアキレス腱は、「会社の判断でいつでも時季変更できてしまう」という点です。

中には、「時季変更権という名目ならば、いつでも変更できるのですか?」と不満を持つ社員さんもいらっしゃるはずです。

もちろん、すべての会社が時季変更権を乱暴に使うというものではないですから、どうしても都合が悪いときに限定して休暇の時季を変えてもらっている会社がほとんどだろうと思います。

ただ、労働基準法39条4項では、「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」と書かれているだけですから、時季変更権を使う際の条件は設定されていないわけです。

条件がないということは、やや強引ながら「いつでも使うことが可能」と解釈することも可能ですよね。ここが39条4項の穴になっているのですね。



そこで、せめて「時季変更権を使う際の条件」を設定していれば、社員さんが不満を持つことはないでしょうし、会社も対応に困ることがなくなるのではないかと思います。








■「変更できる期間」と「変更できない期間」を固定してしまうのはいかが。

具体的には、「時季変更する期間」と「時期変更しない期間」を分けるという仕組みになります。

例えば、ある会社で、休暇を取得されると仕事に支障が出る期間が3月と8月と12月の3ヶ月だとすると、この3ヶ月だけは常に時季変更を行っている状態にして、休暇の取得を認めないとするわけです。つまり、固定的に時季変更権を使うのです。

ただ、このままだと会社と社員さんの間でバランスをとることができません。


そこで、3月、8月、12月以外の月には、会社は時季変更権を使わないと決めるのです。つまり、1月、2月、4月、5月、6月、7月、9月、10月、11月の9ヶ月間は時季変更の制約を受けることなく休暇を取得できるとするわけです。

制約を受けるのが3ヶ月、制約を受けない期間が9か月ですから、社員さんにとっては都合が良いのではないかと思います。また、会社にとっても、その都度ごとに時季変更の交渉をする必要がなくなりますから、悪い仕組みではないはずです。



ただし、上記の9ヶ月間は制約なく休暇を取得できると決めてしまうと、もしその9ヶ月間の間に仕事が詰まってきたら困りますので、ペナルティ付きで時季を変更できるようにするのはどうでしょうか。

9ヶ月の間は時季を変更できないにもかかわらず変更するのですから、例えば変更された休暇中の給与を10%増しにして、会社へのペナルティにするわけです。

上記のようにすれば、時季変更権をコントロールしながら、会社と社員さんの間を調整できるのではないかと私は思うのですね。


ただ、上記のような固定された時季変更権が法的に有効なものかどうかを検証することはやや難しいのですが、社員さんへの制約が3ヶ月で、会社への制約が9ヶ月ですから、あながち否定されるような仕組みでもなさそうです。

会社独自のルールとして通りそうとも思えるのですけれども、どうでしょうか。




では、もし上記のように時季変更権を固定できない会社ならばどうするか。


その場合は、時季変更されたときに変更後の時季をキチンと決めておくのがミソです。

なぜ変更後の時季を決めるかというと、時季変更は1回しかできないからです。つまり、1度休暇の時季を変更すれば、その変更された休暇を再度変更することはできませんので、変更後の休暇日程を決めてしまえば休暇は確定するという流れなのですね。

それゆえ、もし休暇の時季を変更されたときは、変更後の休暇日程をキチンと決めるのが良いでしょう。曖昧に「休暇はまた今度に」ではなく、「何月何日」と決めてください。



ゆえに、時季変更権に何らかの条件を付けたいという要望は少なくないのではないかと私は思うのです。

特別条項付き36協定のように、あそこまで細かく制約する必要はないのかもしれませんが、何らかの制約が時季変更権には必要ですよね。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
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このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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