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┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/12/21号 no.152━
蜂は地形を把握する生き物のようで、巣の位置を少しズラすだけでも右往左往するそうな。
元の位置からわずか30cmほど巣を移動させるだけで、帰って来れなくなる蜂もいるようです。
これは意外な弱点だ。
蜂は視野が広いはずだから、ちょっと巣を移動しただけならばすぐに発見できそうなものだが、そうもいかないらしい。
■法定外休日に仕事をすれば25%増し?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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「法定外休日に勤務すれば25%の割増手当が必要だぁ」と機械的に判断する人
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■時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務も25%増し、、、本当?
1日8時間、1週間で40時間(例外44時間)を超えて仕事をすると、法定外の勤務になりますので、割増の手当が必要になるということは皆さんご存知だと思います。
また、22時以降に勤務すれば深夜割増、休日に勤務すれば休日割増、というように賃金割増の仕組みが用意されていますよね。
ここまではもう十分に周知のことであり、あえて確認の為に書いています。
そこで、今回のテーマは、「法定外休日に仕事をすれば25%の割増手当が必要になるのかどうか」という点です。
法定休日に仕事をすれば休日勤務になりますから、35%以上の割増手当が必要なのですけれども、では、「"法定外休日"に仕事をすれば25%の割増手当が必要なのかどうか」が問題です。
人によっては、「法定休日に勤務したら35%増し、法定外休日に勤務したら25%増しですよ」などと言う人もいますよね。
本当でしょうか。
25%増しというのは法定の時間外に勤務したときに支払う割増手当ですよね。その割増手当がなぜ法定外休日にも支払われるのでしょうか。
何か変だと思いませんか。
「休日労働は35%だよね、、、法定外休日も休日だから、、、こちらも35%増しかな? あれ?でも25%だと言っている人もいるねぇ、、、」
「いや、法定外休日に勤務しても休日勤務じゃないから、35%増しにはならないでしょう。だから、、、25%増し??、、、いや、そもそも割増手当自体が要らないのかな?」
このように混乱してくる人もいるのではないでしょうか。
困りましたねぇ、、、。
■単純化して言ってしまうと、聞いている人が誤解する。
上記の混乱の原因は、「時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務は25%増し」という表現にあります。
この表現を聞くと、「法定外休日ならば直ちに25%増しなのかな」と解釈してしまう人が出てきます。
そうですよね、「時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務は25%増し」と言っているのですから、「法定外休日ならば直ちに25%増しなのかな」と解釈するのは当然です。聞いている人には悪い点はないのです。
いけないのは、「時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務は25%増し」と単純に表現した発言者です。
ただ、「時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務は25%増し」という表現は間違っているというわけではありません。この表現は自体は"まあ正しい(厳密に正しいとまでは言えない)"です。ただし、ある条件を満たしているという前提が必要です。
例えば、勤務スケジュールが週5日勤務で、1日8時間で勤務している人(なお、休日は土曜日と日曜日と仮定します。また法定休日は日曜日とします)を想定すると、「時間外勤務は25%増し、法定外休日の勤務は25%増し」という表現は正しい表現になります。
つまり、月曜日から金曜日まで仕事をすると、5日×8時間ですから週40時間になりますよね。そこでさらに、「法定外休日である土曜日」に追加的に仕事をすると、総計で週48時間の勤務時間になります。となると、「"結果的に"法定外休日の勤務は25%の割増手当の対象になる」のですね。
ここで大事なのは、「結果的」という部分です。決して「必然的」ではありません。
勤務時間が累積して、「結果として法定外休日の勤務時間が全て時間外勤務になっているだけ」なのです。機械的に「法定外休日の勤務は25%増し」と判断するわけではないのですね。
さらに、他の例を挙げて上記の例と比較してみましょう。
週5日、1日6時間で勤務している人を想定します(休日は土曜日と日曜日。法定休日は日曜日と仮定します)。
この人が月曜日から金曜日まで勤務すると、5日×6時間ですから、週30時間の勤務時間になります。そこでさらに、法定外休日である土曜日に追加的に仕事をすると、総計で週36時間の勤務時間になります。となると、1週間で36時間の勤務時間なのですから、法定外休日の勤務は25%割増手当の対象にならないのですね。
どうでしょうか。
機械的に「法定外休日に仕事をすれば25%増し」と考えるのは間違いだと気づいたでしょう?
■反射的に判断しない、キチンと考える。
月曜日から金曜日まで毎日8時間勤務する人ならば、「法定外休日の勤務は25%増し」と考えてしまっても「結果的には」正しくなります。
つまり、「月曜日から金曜日まで毎日8時間勤務する」という前提が成立しているならば、機械的な判断でも正しくなってしまうのですね。法定外休日に勤務すると、40時間を自ずと超えるから、「法定外休日に勤務すれば25%の割増手当が必要だ」という理屈になるわけです。
ただし、上記のように正しくなるのはあくまで「結果」であって「必然」ではありません。
やはり、「週40時間を超えたら25%増し」という基本知識を使って、場面ごとにキチンと考える方が良いと私は思います。
決して「法定外休日に仕事をすれば、何はともあれ25%の割増手当が必要だ」と杓子定規に判断してはいけません。
人によっては、「法定外休日に仕事をすれば25%割増です」というように、聞き手(もしくは読み手)に誤解されるような表現を使う人もいますので注意が必要です。もちろん、法定外休日には無条件で25%の割増手当を支給するという会社もありますから、この点とは区別してください。
中間の論理を飛ばして発言したりすると、思わぬ誤解を抱く受け手もいますから、気をつけたいですね。
┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記 ★☆━━━━━━━━━┓
「ガラスペン」というものがあるそうな。
ガラスペンとは、ガラスでできたペンですけれども、ガラスで文字を書くことができるのですね。
毛細管現象を利用して、ガラスでも文字が書けるようになっているようです。
書き心地はどのようなものなのでしょうか。
硬いのか、滑らかなのか、、、想像が膨らみます。
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