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2010/7/26【中小企業緊急雇用安定助成金と雇用保険の資格喪失時期】





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■中小企業緊急雇用安定助成金と雇用保険の資格喪失時期◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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資格喪失すると、30日分の助成金がなくなる。
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■助成金を受け取っている状況で解雇するときに注意。



中小企業緊急雇用安定助成金が創設されたのは、たしか2008年の11月か12月頃だったと思います。世間的には、いわゆる「リーマンショック」という経済的な出来事があって、その出来事を境に、経済環境が変わり、企業の運営に影響が出たとのこと。この影響で、売り上げが50%とか中には90%減ったという会社もあり、そのため、休業を実施する企業が増えました。

そこで、中小企業緊急雇用安定助成金という助成制度ができて、公的に休業手当を補助するようになったのですね。


助成金を使って、その後通常通りに事業を続けている会社もあれば、制度を使ったものの廃業する会社もあります。他にも、助成金を使おうかと考えたものの、結局は使わずにそのまま事業を続けることができている会社もありますね。

ただ、助成金を申請している状況で、解雇したり廃業したりするときには、ちょっとした留意点があります。

解雇をするときは、ご存知のように、解雇予告もしくは解雇予告手当が必要です。また、廃業する場合も解雇と同じ状況として扱うので、解雇予告もしくは解雇予告手当が必要です。

そこで、2010年7月の休業計画(ここでは、上田さんの休業計画だと仮定します)をすでに届け出ており、8月には7月分の助成金(上田さんの分の助成金です)を申請する状況を想定してみましょう。また、上田さんの会社は7月末で廃業するとします。なお、上田さんの会社は、2009年の10月から助成金を申請しており、2010年6月分までの助成金の申請はすでに終わり、助成金を受け取っていると考えます。

この場合、上田さんの会社は、2010年7月分の助成金を受け取るでしょうか。それとも、受け取らないのでしょうか。

2010年7月の休業計画はすでに提出していますし、7月はその休業計画に沿って休業をしたとします。この前提で、8月になれば、7月分の助成金を受け取れるかどうかという点が焦点です。







■資格喪失や廃業をすると、最後の月の助成金がなくなることもある。



中小企業緊急雇用安定助成金は、休業計画を提出した後、その計画通りに休業し、助成金の支給申請書と休業の実績を証明する書面を提出することで 手続きが完了します。

ならば、先ほどの例に戻ると、上田さんはの会社は事前に7月分の休業計画を提出し、上田さんは休業の計画に沿って7月は休業している。ならば、8月に入れば7月分の助成金を申請できるはずだと思えるでしょうね。キチンと手続きを踏まえているのだから、7月分の助成金は確かに支給されるはずだと考えるわけです。

しかし、解雇や廃業のときは、解雇予告のルールを踏まえないといけないので、30日以上前に解雇や廃業の期日を予告するか、30日分の解雇予告手当が必要です(もちろん、予告と手当を組み合わせることも可能)。

となると、7月末で廃業する上田さんの会社では、7月の初めの段階ですでに解雇予告されているとみなさなければいけないでしょう。ちなみに、中小企業緊急雇用安定助成金は、解雇予告をされたら、その日以後は休業日として扱えないというルールがあります。休業手当を支給して雇用を維持することをフォローするのが中小企業緊急雇用安定助成金の狙いですから、すでに雇用を終了することが予定されている人が休業するものとは考えないのでしょうね。

ゆえに、7月は休業がない(厳密には7月は31日ありますから、7月1日は休業として扱えますが、話を簡単にするために考慮しません)ものとして考えます。

中には、「えぇ~! せっかく休業したのに助成金が出ないの?」と思う人もいるかもしれませんね。確かに、わざわざ休業計画書を作って、その計画書を提出して、その計画通りに休業したのに助成金が出ないのですから納得しにくいのも分かります。しかし、解雇はもちろん、"廃業も解雇と同じ"ですので、解雇予告制度について想定しにくいのかもしれません。







■事業を続けるのが最も有利。



では、「最後までキッチリと助成金を受け取る方策はないのか?」と思うところですが、あるにはあります。

まず、資格喪失の時期を先延ばしにするという方法があります。つまり、廃業や解雇の時期を後ろにズラすわけです。今回の例だと、7月末で廃業せずに、8月まで事業を継続するのですね。ただ、解雇予告の期間は30日必要ですから、8月の初めに解雇を予告して、8月の末まで雇用契約を継続する必要があります。さらには、8月分の賃金は助成金無しで支給する必要があります(8月も休業してしまうと、また同じ問題が繰り返されるので)。

「8月の初めまで雇用契約を維持すれば足りるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、解雇予告の期間は30日必要ですので、7月の休業日が解雇予告の期間に含まれないようにしないといけません。雇用保険だけを考えれば、8月の初めまで被保険者資格を維持すれば足りるのですけれども、労働基準法の解雇予告も含めて考えると、8月の末まで期間を設けないといけないのですね。

ただ、助成金にあわせて事業を続けるというのもヘンですから、助成金目的で8月まで事業を継続することはないかもしれませんね。私も、「最後の月の助成金が受け取れないので、もう1ヶ月事業を継続してください」とは勧めにくいです。事業を継続するかどうかは助成金で決められることではありませんから。


最も良い選択肢は、助成金を受け取って、もとの事業状態に戻ることです。これならば、助成金はもれなくキチンと受け取れますし、解雇の手続きをする必要もありません。



余談ですが、中小企業緊急雇用安定助成金を利用することで一気に雇用保険のモトを取った企業も多いのではないでしょうか。低い保険料であれだけの助成金を支給したのですから、雇用保険の準備金(余裕資金)はなくなっているはずです。ただ、雇用保険の特徴として、景気が回復すると急激に準備金を充実させる傾向がある(2005年から2006年ごろの準備金はタップリありました)ので、あまり心配になるほどではないでしょう。








┏━━━━━━━━━━☆★ 後記  ★☆━━━━━━━━━┓



大阪駅周辺は常に工事をしている印象がある。


大阪駅は俗称「梅田駅(http://goo.gl/Xb50)」と呼ばれ、いわゆるターミナル駅として認知されている場所。まあ、盛り場というか、繁華街というか、ビジネス街というか、何とも多機能なところが大阪駅周辺についての感想。

この大阪駅だが、随分前から阪急百貨店の工事が始まって、今では大丸百貨店周りが工事しているし、阪急百貨店の工事もまだやっているようだ。この地域では百貨店が意地の張り合いをしているようで、阪急、大丸、阪神という3つの百貨店が半径500mぐらいに位置している。この3つが規模の大きさを競うように、数年前から店舗改装(建物改修と言うべきか)を実施していて、大阪駅周辺では工事が終わる気配がない。ただ、阪神百貨店は他よりも大人しくて、工事をしていなかったと思う(たぶん)。

あの地域に3つもの百貨店が必要なのかどうかは分からないけれども、私は3つというのはどうも多い気がする。私自身、百貨店にはあまり行かない方で、いわゆるデパ地下のパン屋でパンを買うという程度。ちなみに、大丸梅田店の地下一階にあるパン屋(名前を忘れた)で売られているパンはおいしい。近所のスーパーで売っているパンとはちょっと質が違っていて、たかがクリームパンでも味がシッカリしている。しかも、百貨店という場所で販売されているにもかかわらず、価格は随分と手頃なものが多い。宝石に興味はないが、あそこのパンには興味がある。

工事の話に戻ると、大阪郵便局の跡地や梅田駅の北側(ヨドバシカメラの西側のエリア)も今後は工事される予定のはず。もはや、「大阪駅=工事の駅」と言っても過言ではないぐらい工事が頻繁に実施されている地域だと思う。「カンカンカン、、、カンカラン、、ドンガシャーン、、」と、大阪駅に行けば必ず工事の音が聞こえるはずだ。





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