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副業すると社会保険料が増える?


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副業すると社会保険料が増える?





副業が社会保険に影響するかどうか。



副業という言葉を使う場合は、別の仕事(本業)もあるということ。つまり、2つ以上の仕事を組み合わせて働いている状態です。この場合、いずれかの勤務先で社会保険に加入していると、他の仕事が社会保険に影響するんじゃないかと疑問を抱くところです。

「副業をすると、社会保険料が増えるんじゃないか」

「二重に加入しないといけないのか?」

「ということは、社会保険料も二重にかかるの?」

など、複数の職場で働くと社会保険に関する 「?」 が生じます。





組み合わせは多彩。



2つ以上の仕事を組み合わせる場合、複数のパターンがあります。

1,フルタイム勤務+パートタイム勤務
2,フルタイム勤務+短期派遣勤務
3,フルタイム勤務+自営業
4,自営業+パートタイム勤務
5,派遣社員+パーチタイム勤務
6,契約社員+自営業
7,フルタイム勤務+契約社員
8,パートタイム勤務+パートタイム勤務

ザッとパターンを書き出してみましたが、色々ありますね。


2つ以上の仕事に、同時に取り組む人は多数派ではないものの、上記の1、3、4,8でしたら、少数ながら存在するでしょう。

2箇所以上の会社で勤務した場合、社会保険料を合算する仕組みはあります。社会保険料を合算というよりも、報酬月額(「月収」のことだと思ってください)を合算と表現する方が正しいです。

健康保険と厚生年金、両方の法律に根拠があります。

健康保険法 44条3項(以下、44条3項)
同時に2以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、----------- (省略) -------------- 算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。

厚生年金保険法 24条2項(24条2項)
同時に2以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、----------- (省略) -------------- 算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。

報酬月額とは、要するに月収のことなのですが、この報酬月額を基準にして社会保険料を決めます。

どちらの条文も、省略した部分を除いてキレイに同じです。書いていることは、2つ以上の会社で収入を得ると、全ての会社の収入を合算して、それを報酬月額にするという内容です。つまり、会社Aで月収29万円、会社Bで月収33万円だとすると、その合計62万円を報酬月額として社会保険料を計算するのですね。

条文には書かれているものの、どうやって報酬月額を合算するのか(保険者側で名寄せして合算するのか)、社会保険料を会社ごとに分けて請求するのか、他の会社で勤務していることを別の会社で伝えずに社会保険に加入したら1人の被保険者に対して被保険者番号が2つ以上振り出されるのではないか、など気になる点もあります。

このような働き方をする人がレアですので、事例も少ないのです。





合算される組み合わせ。合算されない組み合わせ。



いずれの会社でも被保険者になれば、上記の44条3項、24条2項が適用されるのですが、片方の会社では被保険者だけれども、もう一方の会社では被保険者ではないとなると、報酬月額は合算されません。「同時に2以上の事業所で報酬を受ける"被保険者"について」と書かれていますので。

例えば、フルタイム勤務で月収40万円、パートタイム勤務で月収7万円。それぞれ別の会社で勤務している場合、フルタイム勤務の方では社会保険に加入しますから、社会保険料は必要です。しかし、後者のパートタイム勤務の方は、社会保険には加入せず、被保険者の身分を持ちませんので、その報酬は合算対象になりません。

よって、報酬月額は 40 + 7 = 47万円 ではなく、40万円となり、これをベースにして社会保険料が決まります。


平成28年10月以降は、パートタイマーが社会保険に加入際の基準が下がりますので、例えば、フルタイム勤務で月収40万円、パートタイムで月収10万円(週20時間以上勤務と仮定)だとすると、両方で社会保険の加入基準を満たし、被保険者になります。

この場合は、40 + 10 = 50万円となり、報酬月額は50万円になります。





被保険者種別が変わると、合算されない。



先程までの例は、会社勤めした場合を想定していました。フルタイム勤務+パートタイム勤務というように、いずれでも会社経由で社会保険の手続きをしていましたね。会社経由で社会保険に加入すると、いわゆる2号被保険者として扱われます。

1号被保険者は、国民年金に加入している人。
2号被保険者は、会社経由で社会保険に加入している人。
3号被保険者は、被扶養者の人。

ザックリと分けると、被保険者の種別は3つあります。

最初に示したパターンの3と4の場合、異なる被保険者の種別が組み合わさります。

3,フルタイム勤務+自営業
4,自営業+パートタイム勤務

フルタイム勤務は2号被保険者。
自営業は1号被保険者。
パートタイム勤務は2号被保険者。

上記の2例は、1号と2号を組み合わせたパターンになっています。


自営業は2号被保険者ではないので、健康保険法44条3項、厚生年金保険法24条2項が適用されません。そのため、上記のパターン3と4の場合は、双方の報酬を合算しません。

例えば、フルタイム勤務で月収40万円、自営業で月収67万円だとすると、単純に合計すると報酬月額は107万円なのですが、社会保険料を計算する際の報酬月額は40万円の部分だけを使います。

4のパターンだと、パートタイム勤務で月収10万円、自営業で月収67万円だとすると、合計では77万円ですが、報酬月額は10万円です。そのため、社会保険料を計算する際に使う数字も10万円です。

1号被保険者の身分と2号被保険者の身分を同時に有すると、社会保険料を計算するときは2号被保険者側の報酬月額だけを利用します。なぜ報酬月額を合算しないのか、その根拠は国民健康保険法6条に書かれています。

(適用除外)
第六条  
前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市町村が行う国民健康保険の被保険者としない。
一  健康保険法の規定による被保険者。

会社経由で健康保険に加入すると、国民健康保険は適用除外になり、被保険者の資格を喪失します。つまり、会社経由の健康保険にだけ加入します。

さらに、健康保険と厚生年金はセットで加入しますので、1号被保険者と2号被保険者、2つの身分を有すると、1号側の資格を喪失し、2号被保険者に集約されます。その結果、社会保険料を計算する際には、フルタイム勤務もしくはパートタイム勤務による報酬だけが計算の基礎となるわけです。

報酬が多い方で社会保険に加入するのではなく、国民健康保険法6条が適用され、報酬の多寡で決まらず半ば自動的に2号被保険者となります。

先ほどのパートタイム勤務で月収10万円、自営業で月収67万円だと、月収が77万円でも、社会保険料は月収10万円で計算されますので、社会保険料を削減する効果があります。

社会保険料を削減するノウハウには色々とありますが、総報酬制や高齢者医療の負担で、過去のノウハウが効果を発揮しにくくなる中、上記のように被保険者種別を横断して社会保険料を個人レベルで削減できるのは興味深いですね。

ただ、今ではマイナンバーがありますので、被保険者種別が異なっていても、横断的に名寄せして社会保険料を計算する可能性はあります。とはいえ、今のところそうはなっていません。


もし、会社員の方が副業するなら、社会保険に限って言えば、他の会社で勤めるよりも、自営業の方が有利です。別の会社で働く副業は報酬が合算されますのでオススメしません。








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