2010/12/8【ミス修復は残業か否か】



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ダウンジャケットのクリーニングにはリスクが伴うと最近分かった。今まで、クリーニングに出せば安全という一種の思い込みがあったが、安全ではあるが完璧ではないのだ。

服には、家で洗濯できるものとできないものがあって、どうしてもやむを得ずクリーニングに出すものがある。そのなかの一つがダウンジャケット。つい最近、手持ちのダウンジャケットをクリーニングに出して、ちょっぴりショックだった話。

洗ったのは白いダウンジャケットで、首もとや手首までシミ(黒ずみのようなもの。たぶん垢による影響)が出来ている状況で、「あぁ、もうそろそろ洗わないと」と思い、クリーニングに出すことになった。

クリーニングの結果、ものすごく白くなったものの、ジャケットの中身のコンディションが変わった。見た目は完璧な仕上がりと言っていいのだが、中のダウンというか羽毛といか綿のようなものが偏ってしまっている。すでに4年ほど使っているものなので、古くなれば徐々に弾力がなくなるのは承知の上だが、偏りには困った。ただ、全面的に偏っているというわけではなく、あちらこちらでダマになっている感じ。

もう寿命なのか、クリーニングによる影響なのか、それとも両方なのか。分からないけれども、すごく真っ白になるほど綺麗なのにリタイアさせるのも気が引ける。

ダウンジャケットは、洗うと傷み易いために、他のコートに比べてランニングコストがちょっと高いのかもしれない。






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ミス修復は残業か否か
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■本人の責任だから残業じゃない、、、でいいの?



どうしても時間内に終わらない仕事があるので、やむを得ず時間外まで仕事を続ける。これはいわゆる残業です。

では、同じ残業ではあるが、指定された手順で作業しなかったために、もう一度作業をやり直さなければいけなくなった。そのために残業になったときはどうなるか。

例えば、屋内配線工事を仕事にしている人が、会社が作った手順書に従わず、早く作業を終えようと独自の手順で仕事を進めた。その結果、予想に反して作業を早く終えることができず、手順通りに作業を進めた場合よりも時間がかかってしまい、法定時間外の勤務になってしまった。

この場合、通常通りに残業として扱われるか。それとも、残業ではないのかが問題となります。


「法定時間外まで仕事をしているのだから、そりゃぁ残業になるだろう」と考えるのか、それとも、「いやいや、確かに法定時間外まで勤務しているかもしれないが、本人の原因で勤務時間が伸びてしまっているのだから、残業にならないんじゃないの?」と考えるのか。

どちらでしょうか。


どちらも正しそうに思えますが、はたしてどちらの考えがより妥当なのか。この点が今回の焦点です。









■残業にならないかもしれないし、残業になるかもしれない。



今回の場合、本人に原因があることを重視すれば、残業にならないと判断できます。つまり、本人の過失や故意で残業になったのですから、本人の責任だというわけです。民法の価値判断を採用した立場ですね。

一方で、残業そのものに重点を置けば、残業になります。本人の過失や故意を考慮せずに、あくまで残業した事実のみで判断すれば、法定時間外の勤務になるわけです。これは、純粋に労働基準法で考える立場でしょうか。

では、どちらの判断が妥当か。


結論から言えば、どちらの判断も妥当です。

当事者の事情、事実の認定によって、どちらの結論にも持ち込めます。過失と言っても、どれくらいの過失なのか。軽度の過失から重度の過失までありますので、この軽重によって判断は変わるでしょう。故意と言っても、非難されるほどの故意なのか。もしかしたら、時間内で終えられないないほどの仕事を課されていたために、時間外まで勤務することになったのか。天候が悪かったために残業になったという可能性もあるかもしれませんね。本人の原因で残業になったのかどうか、それとも会社側の原因で残業になったのか。物議を醸す点は少なくありません。

ミスで残業になったときに、その時間を残業として扱うかどうかは法律だけでは判断しにくいのです。当事者の置かれている状況や環境を勘案して判断することですから、「ミスで残業したら残業になる(orならない)」を客観的に決めてしまうことはできないのです。


おそらく、企業側は「本人のミスなのだから残業にならないんじゃないか?」と思うでしょうし、社員側は「ミスしたのは自分だけど、残業には違いないよなぁ、、、」と思うでしょう。


確かに、本人の原因にして残業にしないこともできるが、現在の情勢を考えると、良い選択ではないかもしれません。

理由のあることであっても、残業したものの割増手当を支払っていないという、いわゆる残業代未払いの会社と判断されてしまうかもしれないわけです。社員さん本人に原因があっても、そう思われてしまうのが実際のところです。世論は労働者保護に傾斜していますからね。





■社員のミスは会社のミスとして扱われる。



「ミスで残業というのは、めったに起こることではないから、残業にする」のも良い選択ではないかと思います。残業にするかどうかをモメるよりも、残業にしてしまったほうが時間的な負担は少ないという判断ができるでしょうね。

僅かな割増賃金を払う払わないで考えを巡らすよりも、ミスが起こりにくいようにするにはどうしようかと考えるほうが建設的ではあります。

手順を守らなかったのが原因ならば、不便な手順になっているのかもしれないし、ちょっとした気持ちで手順を無視しただけかもしれない。こう考えるほうが解決策はたくさん生まれるでしょう。割増賃金を払うかどうかという一点だけで考えを巡らすよりも、得るものは多いかもしれない


結果をコントロールするよりも、原因をコントロールするほうが有益でしょうね。









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