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計画付与の年次有給休暇制度を作る

計画年休




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計画付与年休の選択肢。
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計画年休はイヤ?

労働基準法には、付与される年休のうち5日を超えた部分は計画的に付与できるという仕組みがあります(39条5項参照)。

具体的には、6ヶ月時点で10日の年休とすると、そのうち5日が計画付与の対象にできる。1年6ヶ月で11日の休暇とすると、そのうち6日が計画付与の対象にできる。2年6ヶ月で12日の休暇とすると、そのうち7日が計画付与の対象にできるというわけです。

つまり、付与される休暇のうち5日を本人が裁量的に利用できるようにして、それ以外は計画付与の対象になるという仕組みです。


ただ、中には休暇の計画付与を拒む人もいるかと思います。計画的に取り扱われる休暇が多いので、自由に使える部分が少ないという不満を抱くかもしれません。

しかし、年休の計画利用は労使協定で決めたルールですから、個別に適用を除外するというわけにはいきません。そのため、計画付与を拒むことはできないのですね。

とは言え、本来、年休は自主的に利用されるほうがいいわけです。計画付与は休暇の消化率を引き上げる手段として使われるものですが、どうしても強制的な感が否めない仕組みです。


全ての休暇を自主利用としてしまうと、自由に利用できる部分が多くなるものの、消化率が低くなる。かといって、計画的に付与する休暇を増やしてしまうと、消化率は上昇するものの、自主的に利用出来る休暇が減る。

そこで、計画利用と自主利用の間の調整が必要になります。






計画年次有給休暇の仕組みを工夫して作る

39条5項では、付与される休暇のうち5日を超える部分を計画付与の対象にできるのですが、この仕組みをこのまま使うと、自主的に利用できる休暇が少なくなりやすい。

休暇を計画消化する目的は、休暇の消化率を上げることはもちろんですが、たくさん休暇を残している人の休暇を消化させようという点も含まれているはずです。ならば、休暇の日数が少な人は対象外することもアリなのですね。休暇が一定日数以上残っている人が対象になり、必ずすべての人が対象というわけではないという設計もできるわけです。


「付与された休暇のうち5日を超えた部分」というように一律に計画化することは必ずしも必要ではなく、「付与された休暇のうち7日を超えた部分」や「付与された休暇のうち8日を超えた部分」という設定も選択肢としてあり得るわけです。

ただ、5日未満の設定は不可です。例えば、「付与された休暇のうち3日を超えた部分」や「付与された休暇のうち4日を超えた部分」という条件の設定は、法定ラインよりも厳しくなる(計画付与される範囲が広がってしまう)ため選択できません。

しかし、6日以上の設定ならば可能です。



具体的な方策としては、勤続年数で対象範囲を決める方法もあるかもしれませんね。

例えば、勤続年数3年6ヶ月(39条2項の休暇付与の設定ラインを参考にした)を超えた人を計画付与の対象にするというのもいいかもしれません。勤続勤務年数が3年6ヶ月以降になると、休暇日数が2日単位で増加しますので、この人達を対象に休暇を計画付与するのですね。


パーセンテージで指定する方法もあります。付与された休暇の20%を計画付与の対象にするという方法。ただ、パーセンテージで指定すると端数処理で悩むかもしれず、あまり使いやすい方法ではないかもしれません。


もし有給休暇の計画付与に条件を設定するならば、「勤続年数3年6ヶ月を超え、付与された休暇のうち10日を超える部分を計画付与の対象にする」というのが妥当なところでしょうか。これだと、3年6ヶ月で4日が計画付与に、4年6ヶ月で6日が計画付与に、5年6ヶ月で8日が計画付与になるはずです。






工夫するのが労務管理の面白いところ

もちろん、あえて色々と考えて設計する必要があるわけではなく、39条5項の「付与された休暇のうち5日を超えた部分」という基準をそのまま利用しても構いません。

計画利用と自主利用の調整をするといっても、すべての人が納得出来る調整ができるわけでもないですので、与えられたメニューをそのまま利用する方が時間がかからず便利かもしれません。


ただ、年休の計画付与のルールには、「"付与された休暇のうち5日を超えた部分"という基準しかない」と思い込んでしまうのは少々もったいない気がします。

もし調整が必要な場面に遭遇したならば、「5日を超えた部分」という部分を7日に変えたり8日に変えたりという選択肢も選べるはずです。さらに、勤続勤務年数で対象者を変えるという方法もあります。


選択肢を多くすれば、考える幅も広がりますからね。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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