残業時間の上限を決めるのが36協定。

 

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https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201707/0010417647.shtml
ホテル日航姫路が残業代未払い 労基署が是正勧告

 ホテル日航姫路(兵庫県姫路市南駅前町、客室数257室)を運営する姫路ホテルマネジメントが、社員に未払いの残業代があったとして、姫路労働基準監督署から是正勧告を受けたことが29日、関係者への取材で分かった。勧告は7日付。

 同ホテルなどによると、同労基署は内部告発を受けて6月、2度の立ち入り調査を実施。出退勤時に打刻するカードの記録と支給された給与に差があったほか、労使で取り決めた1日3時間までの残業時間を超える残業がレストラン部門などで見つかったという。

 勧告を受けて同ホテルは、過去2年にさかのぼり、管理職を除く社員約100人(退職者を含む)の残業時間を調査。8月31日までに労基署に報告し、未払いの残業代を支払うという。

 同ホテルによると、社員は出退勤カードとは別に、手書きの書類に勤務時間を記入。実際より少ない勤務時間を書き込んだ社員もいたが、ホテル側は書類に基づき残業代を計算、給与を支払っていたという。

 
1日3時間まで残業ができるように締結した労使協定、つまり36協定のことですが、ここで決めた時間数をオーバーしていたとのこと。

何のために36協定を締結するのかというと、残業ができる時間数に上限を設定するためです。本来だと、1日8時間を超えて働けば法律違反です。しかし、労使協定である36協定を締結して、残業に上限を設定するという条件で、1日8時間を超えても罰則が適用されないようになっているのです(法律に違反している点は変わらない)。

1日3時間、1週間で10時間、1ヶ月で37時間。このように残業が可能な時間数を決めておき、この枠内で働く。

しかし、36協定で決めている時間数が現場で共有されていないと、「残業代(法定労働時間外労働に対する割増賃金)を払えば何時間でも残業はできる」と誤解されてしまいます。

36協定で決めた、残業が可能な時間数は、日頃から目につく場所にこれを表示しておかないと、内容を知らない人が出てきます。

36協定とは何なのか。
協定書には何が書かれているのか。
残業の時間数には上限があるのか。あるとすれば何時間までなのか。

こういうことを知らない人も少なくないですから、協定で決めた残業の上限時間数は日頃から全社員が把握できるようにしておきます。例えば、タイムカードを置いている場所に、残業が可能な時間数を記載した紙を1枚貼って掲示するとか。給与明細の余白欄に書いておくとか。社員が閲覧する勤怠記録帳簿や労働時間管理簿に記載しておくとか。色々と周知する方法はあります。

労使協定は、適用される労働者に周知されていないと意味がありません。36協定で決めた内容は、協定書のコピーをそのまま貼る必要はありませんが、重要な部分、1日単位、1週間単位、1ヶ月単位で残業が可能な上限時間数だけは確実に周知させておきたいところです。



あとは、タイムカードと手書きの勤務時間管理簿があったようですが、時間を記録する手段が2つあると、どちらの記録が正しいのか後で分からなくなります。いわゆる「二重帳簿」のようなもので、表向きにはタイムカードの方の記録を示しておき、一方で、給与計算のときは手書きの勤務時間管理簿を使っているような状態になります。

タイムカードだから良い。手書きだからダメ。そういう単純なものではありませんが、どのような方法であれ、1つの手段で正確に勤務時間が記録されていれば良いです。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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