労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

ドタキャンでバイトを休むと連絡をしたら、勤務シフトを削られた。

シフト削り

 

 

学生の都合と会社の都合をどう調整するかがキモ。

何曜日に、何時から何時まで働くか、を事前に決めて、仕事をするのが、学生のアルバイトの形としては一般的です。

ただ、学生も人間ですから、時には、病気をしたり、怪我をすることもあるでしょう。そういう場合は、仕事を休まざるを得なくなります。

例えば、急に熱が出て、動けなくなった、と。だから、電話で、職場に「今日は休ませてもらいたいです」と伝える。

けれども、会社としては、事前に勤務シフトを作って、この日は出勤してくれるのだろう、と期待していますから、当日になって、不意に休みの連絡が来られると、困るわけです。

できるならば、2,3日前ぐらいに、連絡が来ればいいのでしょうけれども、そんな事前に体調が悪くなって、連絡ができる時間的余裕は、現実にはあまりないはずです。

となると、急に休むという事態は、起こり得るし、やむを得ないことでもあります。

会社としては、雇用契約で決めた範囲で、従業員が働けるようにしないといけないのが原則です。

契約で約束した時間は、ちゃんと働けるように環境整える。これが使用者の義務になります。

ですから、感情的に納得いかないからといって、一方的に、勤務シフトを削って、出勤できないようにするのは、ダメなのです。

従業員が突然休むのは、やむを得ないことで、避けられないものですし、それに対して会社はペナルティを課せないのです。

とはいえ、会社側の気持ちとしては、土壇場になって休まれるような人は、信頼しにくいもの。

今後も、同じように、突然、当日になって休むようなことがあるんじゃないか、と考えてしまいます。

ドタキャンする人は、またドタキャンする。そう思うのが人間です。一度あることは二度ある、という理屈です。

だから、勤務シフトを削りたくなる。そういう人の勤務シフトを削りたい、という感情なり気持ちは分かります。

ですが、雇用契約で、勤務日数や勤務時間を決めてしまっている場合は、その日数や時間に、従業員が働けるようにしないといけないのが使用者の責任です。

休まざるを得ない学生側の都合がある一方で、会社としては、事前に決めた勤務シフト通りに出勤してくれるだろう、と期待しているわけですから、会社側の都合というものがあります。

そこで、この両者の都合をどうやって調整していくか、が問題となります。

 

 

 

 

 

雇用契約と実際の勤務内容は一致させる必要がある。

職場に休みがちな人がいたとすれば、雇用契約を更新する際に、1週間あたりの勤務日数や勤務時間を少なめに設定する、という形で対処する方法があります。

契約で、週4日勤務すると契約してるのに、実際は週に2日しか入れないというのは駄目です。

このようにしてしまうと、使用者の都合で従業員を休ませてる、と判断されて、休業手当を払わなければいけない可能性も出てきます。

しかし、週2日で契約していて、実際の勤務も週に2日であるならば、問題ありません。

突然休むような人に対しては、契約内容に反するような勤務シフトの組み方(勤務シフトを全部削るなど)は出来ませんが、契約を更新する際に、勤務する日数や時間を少なめにしておくといいでしょう。

ですから、休みがちな人に対しては、雇用契約を更新して、出勤する日数や時間を少なくしておく。そうすれば、本人も無理なく出勤できるでしょうし、周りの人も突然休まれて困ることも少なくなるでしょう。

契約は、お互いの信頼に基づいて締結されますから、週4日で出勤すると契約してるようでしたら、会社としては、週4日働けるように環境を整えないといけないですし、従業員としては、週に4日、きちんと出勤して働く必要があります。

もちろん、当日になって欠勤するなんて、年に1回か2回程度の頻度でしたら、どなたでも起こるようなことですし、それでもって雇用契約を変えてしまうほどのことではないでしょう。

今回のようなケースでは、普段の就業状況を勘案する必要がありますが、雇用契約を更新して対応する、というのが正しいことになります。

感情的に、「もう次のシフトからお前は出勤できんようにするぞ。みたいな形で、勤務シフトの出勤日数をゼロにしてしまう。そういう一方的な対応をしてしまうと、使用者側が不利な立場になりますので、やらないように。

 

 

一方的に勤務シフトを削ると、使用者都合での休業になる。

上司や店長の判断で、一方的に学生のバイトの人のシフトを減らしてしまうと、使用者の都合で休業していると指摘され、休んだ日に対して給与手当を支払うように求められてしまいます。

働いてもらっていない日でも給与を払うんですね。

採用時の雇用契約で、仮に、週4日で働いてもらう、と決めたならば、週に4日で働けるように使用者は配慮しなければいけないのです。買うと約束したものを一方的にはキャンセルできないのと同じこと。

何の連絡もなく、仕事を休まれたら、上司や店長からすれば、感情的に気に入らないところでしょうけれども、その報復として勤務シフトを減らす、という手段を用いるのはよくないのです。

連絡なしで休んだということは、無断欠勤ですから、その場合にどのような対応するかは、就業規則で決めておかなければいけないわけです。

例えば、1日ドタキャンしたとなれば、1日出勤停止にするとか。1日の無断欠勤で、どれだけの日数を出勤停止にするのか、ここは客観的な相場はありませんけれども、1日無断欠勤したら1日出勤停止にするという対応は、行き過ぎた対応とは感じないのでは。

契約期間中、仮にそれが1年だとして、無断欠勤を2回した場合は、契約を更新しない。これも有効ではないかと思います。出勤停止のルールと合わせて導入すれば良いかと。

何でも法律で決められているものではなく、法律で決めていない部分は当事者間、労務管理では使用者と労働者との間で決めるもの、具体的には雇用契約書や就業規則ですが、そういうもので対処法を決めておかなければいけないのです。

労働基準法だけで労務管理が回るほど法律は優れていません。

事業所によっては、無断欠勤が三日続いた場合は解雇する。そういう決まりを就業規則で定めているところもあります。

何日無断欠勤すれば、雇用契約を解除できるのか。この点についても客観的な基準というものはありませんが、事業所ごとに基準を設けて、就業規則に決めておき、その通りに対応する。それならば、きちんと根拠のある処分ですから、第三者も納得しやすいものになります。

何らかの予約でのキャンセルも、事前にどういう対応をするかを相手方に通知しているから、キャンセル料なり違約金を請求できるようになっていますよね。ホテルの予約がその例です。

しかし、上司や店長が感情的にムカついたという理由で、学生のバイトの人の勤務シフトを減らしちゃったとなれば、それが契約や就業規則に根拠のないものとすると、第三者からの納得は得にくくなります。

ドタキャンで無断欠勤したら、どのように対応するか。これも就業規則で決めておく必要があることなのです。職場の人間のフィーリングで判断するのはダメ。

 

 
山口正博 社会保険労務士事務所
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