割増賃金の計算は2パターン。1.25を掛けるか0.25を掛けるか
ご存知のように、残業の割増賃金を計算するときは25%増しで、深夜時間の割増賃金を計算するときも25%増しです。また、休日の割増賃金を計算するときは35%増しですね。
賃金を計算するとき、残業代だと、0.25を使うところもあれば、1.25を使うところもある。例えば、1時間1,400円の賃金である人が残業すると、0.25を使って計算した場合、1,400*0.25=350となる。一方、1.25を使って計算した場合、1,400*1.25=1750となる。前者は割増部分のみを抽出して計算し、後者は基礎部分の賃金も含めて計算しているのですね。
深夜割増や休日割増でも上記のように計算方法を2つに分けることができます。
では、計算方法を分けるとして、どちらの計算方法が良いのでしょうか。残業代ならば、0.25を使うのが良いか、それとも1.25を使って計算するのが良いか。判断が分かれるため疑問を抱くところです。
基礎部分の賃金を含めるなら1.25。割増部分のみを抽出するなら0.25
結論から言えば、どちらの計算方法も正しいので、0.25を使っても1.25を使っても良いです。
ただ、0.25を使った場合と1.25を使った場合では少し違いがあります。とはいえ、0か1かという違いではありません。前者は割増賃金だけを計算でき、後者は基礎部分の賃金も含めて割増賃金を計算するという点が違いです。
上記の計算例で示したとおり、0.25を使っても1.25を使っても賃金の総額は同じです。1,400+350と計算するか、ダイレクトに1,750と計算するかの違いであり、結果は同じです。
実務で残業代を計算するときは、0.25を使うほうが都合が良いかと思います。給与明細に賃金の内訳を記載するとき、基本給の部分と割増賃金を分けて記載する方が分かりやすいので、計算段階で0.25を使えば作業が簡単になりますよね。もし、基礎部分の賃金と割増賃金を合わせて給与明細に記載してしまうと、いくらが基本給であり、いくらが割増賃金か分かりにくくなります。
会社によっては、残業代は1.25を使って計算し、深夜時間は0.25を使って計算するというように分けているところもあるようです。もちろん、このように分けても賃金額が変わるわけではないので、差し支えなければそのままでもいいでしょう。
とはいえ、25%は0.25で、35%は0.35で揃えた方が便利です。
給与は、基本給だけを計算すれば足りるものではなく、割増賃金、つまりは時間外労働に対する割増賃金や深夜労働の割増賃金、休日の割増賃金といったものを計算しなければいけませんので、計算を間違って未払いにならないよう自動で給与を計算してくれるソフトを使うほうがいいでしょう。
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