年次有給休暇を任意で消化できないならば義務に
日本では有給休暇の消化率が低いことはよく知られています。
休暇を使いたくても、上司が使っていないので使えない。休暇を申請しても断られる。時季変更されて使えない。同僚が休暇を使っていないので、自分だけが使うということができない。などなど。
さまざまな理由で有給休暇が使いにくい環境なのですね。
では、任意で休暇を消化できないならば、強制的に法定休日にしてしまうのはどうか。
法定休日は週1日というルールがあるのですから、その法定休日の中に有給休暇の日数を組み入れてしまうという方法です。
そうすれば、休暇を任意で使えなくなるものの、消化率を考える必要はなくなります。
任意で使えるのが年次有給休暇のいいところ
ただ、任意性のない有給休暇はもはや休暇とは言えないでしょう。
休日と休暇の違いは、任意性の有無です。休日は好む好まずにかかわらず設定されているのですが、休暇は望んで利用したり自主的にスケジュールを決めて取得するものです。
そのため、法定休日に有給休暇を組み入れてしまうと、望んで休暇を利用することができませんし、どこで休暇を取ろうかというスケジュールも組めません。
やはり、休暇は自主性や任意性にもとづいて使うのが良いでしょう。強引にスケジュールに組み入れられた休暇だと嬉しくないですからね。
「2年経っても消化できない有給休暇を企業に買わせよう」(URI)のように、2年経過しても残っている休暇があれば、割増賃金で買い取るという方式などを採用して、自主的に消化させるように仕向けるのが得策です。
国際会計基準で採用されている有給休暇引当金制度も有効でしょうね。