労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます。

自主的に動くのが仕事。「勝手に判断するな」という悩ましいアドバイス

自主性

勝手に判断されると確かに困るけども、、、。

上司の判断を待たずに何らかの仕事を行うと、ときに「勝手に判断するな」と怒られることがありますよね。

自分自身では「こうすれば周りの人に喜んでもらえるだろう」と先読みして仕事に取り組んだけれども、結果的に怒られる結果を招いた。

自分としては「良かれと考えてやったのに、、、」と思うでしょうし、上司としては「もう、勝手なことをして、、、」と思うのでしょう。

この場合、どちらにも一理あるわけです。


仕事は指示に基づいて行うべきものではありますが、指示されていないことでも自主的に考えて実施すべき仕事もたくさんあります。


「言われていないことはするな」と言いながら、「もっと自主的に仕事をせよ」と言う人もいますよね。


「一体どっちなんだ、、」と。


 

「統率」と「自主」の狭間。

上記のような悩みは、端的に言い変えれば「統率と自主のせめぎ合い」です。


組織の構成員はキチンと統率されないと、力を発揮するどころか、ときには有害な結果を生み出す。しっかりとリーダーが統率してこそ組織は結果を生むものです。

しかし、リーダーだけが意思決定する組織になると、これはこれで不都合です。何かを決めるときにはリーダーの決裁が必要ですから、リーダーの存在がボトルネックになるのですね。それゆえ、組織の構成員が自主的に考え、行動し、結果を生み出す必要があるでしょう。


ところが、上記の統率と自主はどうしてもトレードオフになりがちです。


しっかりと統率しようとすれば、どうしても自主性が損なわれますし、一方で、構成員が自主的に動くように環境を作れば、どうしても統率が損なわれます。


それゆえ、自主というアクセルと統率というブレーキをどの程度で踏み分けるかがキモなのですね。もちろん、客観的に答えが出る場面ではありません。


ただ、「勝手に判断するな」とか「言われていないことはするな」という注意が好ましくないことは確かです。

統率と自主を左右するような発言は慎重に選ばなければいけないでしょう。

 


「分からなければ聞きなさい」というアドバイス。

どこかの会社などに入って仕事を始めたときは、「分からないことがあったら聞いてね」とその会社に勤める人から言われますよね。

新しい環境に入り込むと、従業員入り口はどこか、どこが更衣室なのか、どんなユニフォームを着るのか、挨拶の仕方はどのようなものか、どんな仕事から始めればいいのか、分からないことだらけですから、分からないことは周りの人に聞くのが正しい。

仕事を始めたばかりの時は、人に聞くのが当たり前。しかし、仕事に慣れてくれば、分からないことであっても、自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する場面に遭遇する。


仕事では、分からないことは聞くのが当たり前だと思われているフシがあって、自分で分かることなのにあえて誰かに聞く人もいる。自分で考えるのではなく、人に聞く。自分で調べるのではなく、人に聞く。自分で決めるのではなく、人に聞く。間違っていないように思えるけれども、ちょっとヘンな感じがしませんか。

自分で考えて、判断し、行動する。これも仕事のはず。人に聞いてできる段階から、自分で考えてできる段階に変わる。仕事に慣れれば、自分なりに動けるようになるのが普通です。


ただ、自分なりに判断して取り組んだところ、予期せぬ結果を招いたらどうなるか。

おそらく、「なぜ誰かに聞かなかったんだ。なぜ自分だけで判断したんだ」と詰問されるのではないか。もし、誰かに聞いて、その判断に基づいて取り組んでいれば、このように責められることも無かったはず。


ならば、自分で判断できるけど、あえて人に聞いて行動したらどうなるか。

この場合は、「何でわざわざ聞くんだ。自分で判断してできるだろう」と、これまた責められる感じになるのではないか。聞かなくても十分に処理できるような仕事について上司に聞けば、こんな反応が返ってくるのかもしれない。


聞かずに取り組めば責められるし、聞いて取り組んでも責められる。

じゃあ、どうすればいいのか。自分で判断していいのか。それとも、誰かに聞いて判断するべきか。

この2つの選択肢で悩む場面。あなたにも経験があるのではないでしょうか。


いつの時点から自分で対処していいのか。いつまで人に聞けばいいのか。この境目が問題です。

 

 

何でも聞く人と自力で解決する人。人に聞かずに動けるから価値がある。

自力で解決するよりも、人に聞いて対処したほうが望ましい結果を得られた。この場合は、非難されるでしょう。「何で聞かなかったんだ。自分で勝手に判断するんじゃない」と怒られたりする。

もちろん、分からないことを人に聞くのは間違っていないし、正しい行動です。しかし、その人の能力から判断するに、自分で考えれば十分に解決できそうなのに、あえて聞いてきたらどうでしょうか。「自分でできるのに、何でやらないんだ」と思うのではないか。


人に聞いて行動すれば、自分は責任を負わなくてもいいので、これがラクと感じるフシもある。上司の指示で動いて失敗しても、それは上司の責任となるから、本人は気楽です。だから、何でも聞いてから判断するのがいいんだと考えている人も少なくないはず。


自分なりに判断する。自分なりに考える。自分が持っている知識で対処する。今までの経験から判断する。これは人にとって必要な能力のはず。

ポケットに入っているスマホで検索すれば、ある程度のことは調べられますし、場合によっては人に聞くよりも検索した方が良いこともあります。

 

判断、思考、知識、経験というものは、自分なりに物事に取り組まないと身に付きにくい性質があって、人に聞いてももちろんある程度は身に付くけれども、程度が小さいように思う。

自分なりに考えて、対処した結果、素晴らしい結果を得られたとしたら、経験値は大幅にアップするのではないでしょうか。もちろん、うまくいかなかったときのリスクもあります。

人の指示で仕事をするよりも、自分の判断で仕事をしている時のほうが面白味が変わる。「勝手に判断するな」とか、「言われたこと以外はするな」と言われる可能性はあるものの、悪いものではないと思う。

ただ、個々人の裁量は仕事の性質によって違い、どんな仕事でも自分の裁量で取り組めるものではないので、単純に結論を出しにくいところ。


自分の独断のみで判断するのは行き過ぎな感じがするし、何でも人に聞いて判断するもの頼りない。

両者の境目を自分で見つける。これは仕事に取り組んでいて面白い部分だと思います。

 

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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