book580(「代休って休業じゃないの?」という疑問。)






■休ませているから、休業だろう。


休日出勤した後に、代わりの休みを取得できるようにする。これは「代休」として知られています。

どの休日に出勤して、どの日に代休を取得するかは、当事者の話し合いで決めるのでしょうが、おそらく会社側の判断を主体にして、休日出勤の日と代休の日を決めるのではないかと思います。

ここで疑問になる点があって、代休の日を決めるとき、「会社が代休日を指定して休ませている」と考えると、「これって休業なんじゃないか?」と思う方がいらっしゃるようです。会社の都合で代休を取得する日を決めたとすると、これは会社都合で社員を休ませているのではないかと思うようです。

確かに、どの日に代休を取得するかを社員さん本人だけで決めるわけにはいかないでしょうから、直属の上長の判断を加えて当事者で決めることになる。となると、会社側の都合も含まれる可能性があるので、外形的には休業とよく似た構図になる。

そこで、代休を取得した日には労働基準法26条の休業手当が必要なんじゃないかが疑問を抱くところです。





■代休と休業はハッキリと違う。


結論を先に言うと、代休を取得した日は休業ではないので、休業手当は必要ありません。

代休と休業の違いは何かというと、「出勤日と休日に増減があるかどうか」という点で異なる。

代休は、働いた代わりに休む日です。つまり、代休はあくまで休日労働の代わりであって、出勤日と休日に増減はありません。休日が出勤日になり、出勤日が代休になるのですから、出勤日の数はそのまま、休日の数もそのままです。まさに、質量保存の法則ならぬ、休日保存の法則です。

一方、休業は働く日がそのまま休みになる日です。つまり、働く日が1日減って、休みが1日増える。純粋に休みだけが増えた場合が休業なのですね。

例えば、週5日勤務のところで、5日のうち1日を休業にすると、週4日勤務で休日は3日になる。代休とは違って、出勤日と休日に増減が発生しているのが分かりますよね。本来は出勤日が5日で、休日が2日だった。しかし、1日だけ休業すると、出勤日が4日、休日が3日になります。


出勤日と休日に増減を生じなければ、それは代休であって休業ではない。それゆえ、休業手当は必要ない。しかし、出勤日が減って休日が増えれば、それは休業となり、労働基準法26条の手当も必要です。







山口正博 社会保険労務士事務所
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