2011/10/24【26条の休業が回避される可能性。】



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人は暇を潰すために時間とお金を投じる生き物だと私は思う。

「まさかそんな重要ではないことに資源を費やしてはいないだろう」と思う人がいるかも知れないが、周りの人を観ていると暇を潰すことに注力している。

例えば、ゲーム。私も小学生、中学生の頃はしこたまゲームで遊んだ。学校から帰って家では据え置きゲームで遊び、外ではゲームセンターで友人と遊んでいた。小学生の時には、ゲームセンターに学校の先生が巡回に来て、後日注意されるという経験もあった。まあ、教師から殴られる等はなかったので、注意されるといっても「あまり出入りしないように」というヤンワリとしたものだった。どれだけゲームを一生懸命プレイしても、後には何も残らない。あえて残るものと言えば、満足感ぐらいだろうか。

ゲームソフトも今より随分と高くて、1本で1万円前後の価格だった。PSが発売される直前には、1本1万2千円ぐらいまで価格が上昇していて、中学生には随分と高い買い物だった。今ならば、PS3のソフトでもせいぜい8千円程度だから、当時のソフトが高かったのが分かる。開発コストや複製コストの違いゆえなのかもしれない。

他には、ネットも暇を潰すには格好の手段となる。モバイルネット回線も随分と高速化して、あえて閲覧しなくてもいいウェブサイトを訪問してしまったり、何となく動画を観てみたりするようになる。私自身も、明らかに不必要で重要ではない情報に接しているなぁと感じることが多い。最近では、従来の携帯電話だけでなく、スマートフォンも普及し始めてきて、より暇を潰しやすい環境が整備されつつある。マジマジと携帯電話の電子画面を見てゲームをしている大人を見ると、「あぁ、この人も時間を潰しているなぁ」と思える。


とはいえ、重要で必要なことは退屈で、重要でなく不必要なことは面白いという皮肉な事実がある。義務感を感じてゲームをしても面白くないが、ゲームそのものを楽しむようにプレイすると面白いものなのだ。


ツマラナイと言いつつも、どうでもいいことに人間は惹きつけられるのだと私は思う。





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26条の休業が回避される可能性。
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勤務時間を変更。


仕事を続けていると、勤務時間や勤務日数を変更することがあると思います。

例えば、週5日勤務から週4日に変更することがあるでしょうし、10時から19時の勤務時間を13時から19時に変更することもあるはず。フルタイム契約ならば、勤務時間や勤務日数はある程度固定されていると思いますが、パートタイム契約だと思いのほか流動的に変更が発生する。

例えば、社員さん本人からの希望で、週5日勤務から週4日勤務に変更した場合と、会社側の希望で、週5日勤務から週4日勤務に変更した場合ではどのような点に違いがあるのか。他にも、社員さん本人からの希望で、10時から19時の勤務時間を13時から19時に変更した場合と、会社側の希望で、10時から19時の勤務時間を13時から19時に変更した場合ではどのような点に違いがあるのか。

何らかの会社側の都合で、勤務時間や勤務日数を変更した場合、通常だと労働基準法26条(以下、26条)の休業として扱われます。週5日勤務で10時から19時の勤務時間という条件で契約しているときに、週4日勤務に変更したり、勤務時間を13時から19時に変更したりすると、休業となるわけです。

では、勤務時間や勤務日数を実際に変更する前に雇用契約を変更したらどうなるか。つまり、週4日の勤務日数で条件を設定した雇用契約を予め締結し、その後に週4日勤務を実行したらどうでしょうか。この場合、26条の休業となるでしょうか。また、勤務時間の変更でも同様です。13時から19時の勤務時間に設定した雇用契約を予め締結し、その後に13時から19時の勤務時間に変更したとき、26条の休業となるでしょうか。


勤務日数の変更や勤務時間の短縮を実施するとき、あらかじめ雇用契約を変更するかどうかによって結論が変わってしまう。となると、26条の適用を回避する道ができてしまうのではないかが今回の焦点です。







休業か契約変更か。


雇用契約を締結したり、また、変更したりするのは想像よりも簡単です。契約を締結するとなると、書面を用意して、記入や押印をして、同じ契約書を2通作成し、それを契約当事者が1通づつ保持すると考えるのが普通の感覚だと思います。しかし、法的な契約には必ずしも書面が必要ではなく、口頭だけで契約を完了することも可能です。もちろん、口頭で契約を締結しても法的には有効です。

本業の商取引ではキッチリと契約書を作る企業でも、なぜか雇用契約になると契約書を作成せずに契約を締結することもあるし、契約書を作っているものの内容がアバウトであることもある。履歴書を持って行って面接し、契約書を作ること無く採用され仕事に取り組んだ経験がある人も多いはず。

パートタイム契約(いわゆるアルバイトも含む)は口頭で行い、フルタイム契約は書面を作成するという会社もあるかもしれない。パートタイムで働く人は入れ替わりの頻度が高いので、書面を作らずに契約するほうが便利だと考えているのかもしれない。一方で、フルタイム社員はパートタイム社員ほど入れ替わらないので、個別に契約書を作成して対応しているのかもしれない。


雇用契約はその他の契約に比べて曖昧に取り扱われやすいため、その内容もファジーになりやすい。それゆえ、勤務日数や時間を変更して休業を実施するとき、契約を事前に変更し、26条を回避する可能性を残してしまうのです。口頭だけで雇用契約を完了していると、休業を実施するときも、「今は週5日勤務だけど、来月から週3日勤務ってことでよろしく」と言われ、ドサクサ紛れに契約内容が変更され、26条の休業として扱われないように誘導されるかもしれない。

26条は、契約した勤務日数や時間に、使用者の都合で仕事を供給できなかったときに手当を用意することを求めるのがその機能です。つまり、雇用契約の内容と実態が乖離したとき、その乖離した部分の補償をさせるのが26条の狙いというわけです。ならば、もし雇用契約の内容と実態に乖離がなかった場合、26条を適用する余地がなくなります。週5日から週3日に勤務日数を短縮するならば、事前に雇用契約を週3日勤務の内容に変更し、その後に実態を週3日勤務に変更すれば、雇用契約の内容と実態に乖離が発生しませんので、26条の休業にはならないという結論になる。

週5日契約のまま週3日勤務に変更すれば、26条の休業になる。しかし、契約内容を事前に週3日勤務に変更すれば26条の休業とはならず、契約通りの勤務になる。

事前に契約内容を調整するかどうかによって、休業になるかどうかが変わってしまうのですね。26条は、一時帰休や時間短縮を実施するときに雇用契約が事前に変更されないと仮定しているのかもしれない。しかし、雇用契約は当事者の意思表示と合意で変更できるので、休業を実施する直前に契約内容を変更することも現実には可能です。


「でも、休業になれば、中小企業緊急雇用安定助成金や雇用調整助成金を利用できるのだから、あえて休業を回避することもないのでは?」と思う人もいるかもしれない。確かに、助成金を利用できるのだから、26条通りに休業するほうが有利なのではと思うのは無理のないこと。しかし、上記の助成金はほかの助成金とちょっと異なる点があります。それは、お金をまるまる受け取れる助成金ではなく、企業が支出した休業手当を補助することを目的とする助成金であるという点です。


休業手当に納得できない経営者も多く、中小企業緊急雇用安定助成金や雇用調整助成金について説明すると、「これじゃあ会社にとっては全然得にならないじゃないの」と素直な反応を示す方もいらっしゃいます。確かに、中小企業緊急雇用安定助成金と雇用調整助成金は企業にとって金銭的に得する要素はありません。もちろん、休業手当を補助しているという点で金銭的に利益を得られる助成金ではありますが、企業側に助成金のキャッシュは残りません。

具体的に書くと、企業が社員に10,000円の休業手当を支払い、そのうち8,000円が助成金で補助されるとすると、残りの2,000円は企業が負担する。これが中小企業緊急雇用安定助成金と雇用調整助成金の仕組みです。一般的な助成金のイメージでは、数十万円や数百万円のキャッシュがドカッと入ってくると思われているかもしれませんが、中小企業緊急雇用安定助成金と雇用調整助成金はそのような助成金とは違います。

「社員さんを休ませても給与を支給する必要がある」という点を理解できないと、中小企業緊急雇用安定助成金と雇用調整助成金の利点は理解できないのですね。

助成金を使い続ければ、徐々に会社のキャッシュは減っていく。仕事をしていないのに、キャッシュだけは確実に減っていく。それゆえ、なるべくならば使わないほうがいい助成金なのです。助成金を実際に利用していると、「これではジリ貧だ」と経営者は気づくはずです。

私の経験ですが、中小企業緊急雇用安定助成金を利用した企業で、早い段階で利用をやめた企業はマトモな経営状況に復帰し、一方、長期間利用している企業はそのまま清算する傾向があります。中小企業緊急雇用安定助成金は、企業を立ち上がらせるような魔法の助成金ではありません。休業手当の支出によるキャッシュの減りを遅らせる点が中小企業緊急雇用安定助成金の主な効果です。

ただ、もしこの助成金がなければ、休業手当無しで休業することになった人も多かったと思う。何らの補助も無しに自主的に休業手当をキチンと支払う会社はおそらく多くはないはず。法律違反ではあるものの、26条の休業手当そのものが思うほど認知されていないし、「休んでいるのに何で手当が必要なの?」と疑問を抱く人もいらっしゃいます。

仕事をしていないのに賃金を払わなければいけないのが休業手当ですから、26条は経営者にとっては随分と厄介なルールだと思います。仕事は常に存在するわけではなく、商売環境によって仕事の質や量は変わります。忙しい時もあればそうでないときもある。それゆえ、契約した勤務日数や時間の分だけ仕事を用意できないこともあるはず。しかし、26条では契約した通りに仕事を用意しなければ、手当で補償しなければいけないわけです。

ならば、休業を実施する直前に、雇用契約を変更し、契約内容と実態の乖離が発生しないようにすればいいだろうと考えることになる。


ちなみに、私は休業を実施する直前に雇用契約を変更するべきとのアドバイスはしていません。もし、アドバイスしていたならばこのようなことはメルマガに書かないはずです。中小企業緊急雇用安定助成金と雇用調整助成金が新設され、26条の休業手当に人の意識が向き始めたので、休業について考える機会が増えました。考えつづけていると、休業だけど休業にならない場面があるんじゃないかと思えてきました。

休業は、雇用契約で約束した日数や時間に相当する仕事を使用者の責任で用意できなかったときに発生するものです。ならば、雇用契約で約束した内容を変更すれば、仕事を用意できなかったという状況にならないんじゃないだろうかと考えたわけです。雇用契約と実態の乖離が休業の発生原因なのだから、乖離そのものをなくしてしまえば休業が発生することはないはず。事前に雇用契約を変更されてしまったら、26条の手当を請求する根拠がなくなってしまうのではないだろうかと。

ここまで読んで、「なんて卑怯な方法なんだ、、、」と思う人もいるかもしれない。確かに、休業の直前に雇用契約を調整して休業そのものが発生していないかのように装うことが可能なのですから、ズルいと思います。現実にも、ここに書いたように休業を回避するべく雇用契約を事前に変更した企業があるかもしれない。このような手段を思いつく人は思いつくはずです。





兼業・副業と休業手当制度のトレードオフ。


休業手当制度は経営者にとっては厄介な制度だと思う。休ませても賃金が必要なのですから、「仕事をして対価を受け取るのだ」と素直に考える経営者には納得しにくいはず。

もし、兼業や副業を禁止しないならば、休業手当制度がなくてもよいと思います。しかし、フルタイム社員はおそらく就業規則で兼業や副業が禁止されているはずです。それゆえ、兼業や副業を禁止するならば、休業手当は必須と考えるべきでしょう。

1:兼業や副業を禁止しない → 雇用をロックしない → 複数の環境で仕事が可能 → 休業手当制度が無くてもよい。

2:兼業や副業を禁止する → 雇用をロックする → 複数の環境で仕事ができない → 休業手当制度が必要。

上記の2パターンのどちらかを企業は選択することになる。


「兼業や副業はダメだし、休業手当も用意しない」という判断はあり得ない選択肢です。人材を囲い込む費用を負担せずに囲い込んでいるわけですから、社員さんからすれば納得できないはず。雇用をロックする代償として休業手当は支払われるものですからね。


私は、26条の休業手当制度にはどちらかといえば反対です。確かに、雇用をロックする代償として仕事がなくても一定程度の賃金を支払うべきという判断は納得出来る。しかし、26条の文言である「使用者の責に帰すべき事由による休業」という基準は曖昧です。どんなときに使用者の責任になるのかは厳密には決まっていません。

数年前の金融ショックで仕事を停止すると使用者の責任になるようですが、2011年3月11日の地震や津波によって仕事を停止しても使用者の責任にはならない。災害という点ではどちらも同じはずですが、26条の適用の可否は異なるのですね。今回の東日本震災では、厚生労働省から26条の適用指針のようなものも出ていますが、「使用者の責に帰すべき事由による休業」かどうかを現場の人が判断するのは思いの他難しいはず。とはいえ、厚生労働省の運用指針が必ず正しいわけでもない。

「使用者の責任もあるのかもしれないが、すべて使用者の責任とまでは言えない」こんな状況の方が多いはず。ハッキリと「使用者の責任に帰すべき」と言い切れる場面は多くないのです。


「人は1つの環境だけで働く」という前提(思い込み?)を捨てるべきなのではないかと私は思う。








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