book106(病気欠勤に有給を会社の判断で割り当てるのは良いか)





■病気で休んだら、有給を使ってあげる。


風邪やその他の病気で会社を休んだときに、会社の判断で欠勤日に有給休暇を割り当てているという場面がありますよね。


ただ、社員さんの判断で有給休暇を使っているわけではありませんので、物議を醸すところです。


有給休暇は社員さんの自主的判断で、使うかどうかを決めるのが原則ですから、
疑問を抱くのも無理はありません。



一方、会社としては、「病欠したら給与が減るから、欠勤日に有給休暇を割り当ててあげるのは社員さんにとってはありがたいことだろう」と判断するところです。

つまり、「配慮してあげているんだから、なぜ反対するのか?」というのが会社の思いです。







■社員さんの便宜のために割り当てているならば、必ずしもダメとは言えない。


一般に、欠勤日に有給休暇を半ば自動的に割り当てるのは好ましくありません。


しかし、「病欠には有給休暇を使う」という判断をする人も多いですから、病欠の日に有給休暇を割り当てても社員さんには不利益が無いこともあります。

むしろ喜ばれることもあるでしょうね。



ただ、どうしても別の用件で有給休暇を使う予定(長期有給休暇で旅行に行くとか、実家に帰省するとか)があるならば、社員さんは有給休暇の割り当てを拒否できます。

強制的に有給休暇を使わせるという意図ではなく、あくまで「社員さんの利便」の為に有給休暇を割り当てているだけですから、社員さんが割り当てを拒否すれば、会社は有給休暇の割り当てを取り消すべきです。



「会社の配慮」と「社員さんの利便性」を勘案すれば、病気欠勤に有給休暇を自動的に割り当てることも、一概にダメだとは言いにくいですね。


「当事者に不利益が無い場面ではあえて法律は使わない」という判断をすべきなのでしょう。


山口正博 社会保険労務士事務所
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