13歳以上の中学生に仕事を経験してもらうため、学校の時間以外にアルバイトとして働いてもらっても大丈夫かどうか。
高校生はアルバイトができると認知されているのですけれども、じゃあ中学生から働くことはできるのかどうか。
アルバイトができれば中学生の人でもお小遣いが少し入ってきますし、さらに仕事とはどういうものなのか、職業の体験ができるので、そういう機会を作ってもいいのではないかと考える方もいらっしゃるのでは。
15歳未満の中学生はアルバイトができないのが原則
労働基準法では、満15歳に達していない者(=中学生を含む)は、原則として労働させることが禁止されています。これは、子どもの健全な成長や教育を守るための規定です。
他に、国際労働機関(ILO)が1973年に採択した条約、ILO第138号条約では、雇用の最低年齢に関して定められています。子どもの労働を防ぎ、教育の機会を保障するために、未成年者の労働に条件を付けているのですね。
最低年齢の設定
通常、雇用可能な最低年齢は義務教育の修了年齢と一致するように設定されるべきであり、最低15歳と規定されています。中学校卒業までは働けませんという内容です。
軽作業の例外
13歳以上で、教育を妨げない範囲で軽作業が可能です。軽易な業務ならば、13歳以上で可能になりますが、後述のような条件が付きます。
例外として、条件を満たせば中学生であっても働いてもらうことはできます
1. 製造業など工業的業種以外の業種で、健康と福祉に有害ではなく、その労働が軽易な業務。労働基準法56条2項に定められています。
2. 労働基準監督署で許可を取る。
この2つの条件をクリアできれば中学生でもアルバイトが可能です。
ただし、働ける時間に制限があります。
修学時間外であることが条件で、学校が休みの時間や日であれば、働くことが認められる場合があります。
夜の8時から翌日の5時までは中学生は働けません(中学生は夜間に働くことは禁止されています)ので、その制限された時間以外で、なおかつ学校に行っていない時間となるので、平日だとほとんど働く時間はありませんね。
夕方の5時頃に学校が終わって、そこから夜の8時までですから、平日だと2時間ぐらい働ける程度です。
学校が終わった後に宿題もあるでしょうし、さらにテスト勉強もしなきゃいけないこともあるでしょう。部活に参加していたらアルバイトをする時間はありませんね。少ない持ち時間を削ってまで平日に中学生に働いてもらうのは現実には難しいでしょうね。
となると土日祝日だったら時間を作れるので、土日祝日に限定して中学生が働ける環境を作ることは可能ではあります。
軽易な業務に限るという条件もあります。中学生が従事できる仕事は、体や精神に負担がかからない軽作業(例: 家庭内の手伝いや短時間の作業)に限られます。
満13歳以上であれば、夏休みや冬休みなど学校が長期休暇の期間に限り、軽易な業務に従事することが認められる場合があります。
中学生のときにできることに取り組む 仕事は後からでもできる
ですが土日祝日で時間があるからといって1日に5時間とか7時間も仕事をしているのは中学生にとっての時間の使い方として有意義なのかどうか。中学生のときにやっておいたほうがいいこともあるでしょうし。仕事は後からでもできます。
教育機会を確保し、過酷な労働から子どもを守るのがILO第138号条約の目的ですから、労働よりも優先することがあります。
なぜ中学生を働けるようにしたいのかという目的を考えると、仕事を体験してもらいたい、職業を体験してもらいたい、そういう目的であるならば、土日祝日に限定して、なおかつ1日あたりの働ける時間を例えば1日4時間までにすると目的にかなった働き方ができるのではないかと。
給与を得る目的というよりもあくまで職業体験、仕事とはどんなもんかなというような目的で取り組むのが適切でしょうし、他の人と同じように時間数を増やして働くのは中学生にはあまりおすすめできませんね。
ただ、学校が休みの日に、知り合いや親戚の仕事をたまに手伝って、仕事ってこういうものなのかと知るのは良い取り組みです。
中学校では授業の一環として職業体験を実施しており、学校経由で小売店や図書館、保育園などで職業を体験できる機会があります。