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振替休日は同一週内で取らないといけない?

振替休日は同一週内、どの日からどの日までを意味するの?

振替休日の運用ルールとして、「同一週内に振替休日を取得する」というルールを設けている事業所もありますね。

振替休日を取るときは、なるべく早い段階で取れるようにするために、同一週内という基準を作って、振替休日を取るようにしているのでしょう。

振替休日をいつ取得するかについては決まりがなく、同一週内といっても、どこからどこまでを同一週内と考えているのか。ここを就業規則で定義していないといけないのですね。

仮に、土曜日が休みの事業所があって、その土曜日に休日出勤したとして、振替休日を後日取るとしたら、同一週内というのはどこからどこまでなのか。

土曜日に休日出勤したわけですから、その同一週内なら、月曜日から日曜日までを指すのか、それとも土曜日を起算日にして翌週の金曜日までを同一週内と考えるのか。さらに、日曜始まりの考えでいくと、日曜日から土曜日までを同一週内とするのか。

言葉では同じでも定義のしかたで意味が変わりますよね。

土曜日に休日出勤して同一週内に振替休日を取るなら、すでに後ろのスケジュールに振り替える余地がなくなって、振替休日を取れないんじゃないか、という話にもなります。月曜始まりで日曜終わりと仮定した場合、振替休日は残った日曜日にしか取れませんから。

同一週内を基準にするならば、どの曜日を起算日にするのか。こういうことを考えなければいけなくなってしまうわけです。振替出勤した日を起算日にする例が多いかと思いますけれども。

振替休日の休日は法定休日なのか法定外休日(所定休日)なのか

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとされています。この休日は法定休日です。一方で法定休日ではない休日もあります。1週間に2日の休日があった場合、そのうちの1日は法定休日ですけれども、もう1日は法定休日ではなく法定外の休日と位置づけられるようになっています。どちらも休日という点では同じですけれども、人事労務管理では法定休日と法定外休日は少し意味が変わってきます。

ちなみに日曜日が法定休日になるとは決まっておらず、曜日と法定休日は関係のないものです。日曜日が法定休日になることもありますし、土曜日や水曜日など別の曜日が法定休日 になることもあります。

振替休日と言った場合、その休日は法定休日なのか、それとも法定外の休日(所定休日と表現することもある)なのか。この違いによっても振替休日の効果が変わってきます。

労働基準法で定められた休日労働の割増賃金が付くのは法定休日です。法定休日に出勤して働くと休日労働の割増賃金が付きます。一方で法定外の休日なり所定休日に出勤して働いた場合は労働基準法で定められた休日割増賃金は付きません。

会社によっては就業規則や雇用契約、もしくは賃金規定でもって、法定休日に限らず、勤務シフトで決めた休日に出勤して働いた場合は割増賃金や休日手当を付ける、と定めて運用しているところもあるでしょう。労働基準法では法定休日に出勤すると休日労働の割増賃金を付けるところまで定めていますが、それ以外の休日に出勤したときに手当を付けるかどうかは会社ごとに任意で取り扱いを決めることができます。 

先に振替休日を取って後から休日出勤すると厄介な問題を回避できる

先に振替出勤してから、後日に振替休日を取る、という順序にしてしまうと、上記のようにどのタイミングで振替休日を取るのか、という問題を解決しなければいけなくなります。さらに同一週内の定義も決めなければいけませんし。

しかし、先に振替休日を取ってから、後日に振替で出勤すると順番を逆にすれば、振替出勤をする段階ではすでに振替休日を取得済みですから、どのタイミングで振替休日を取るかを考える必要がありません。

休日の振替は、あらかじめ振替の休日を指定することが必要であり、その振替日は労働日となるため、休日労働にはなりません。これが原則ですが、振り替えた出勤日と休日、どちらを先後にしても構いません。

例えば、4月20日が土曜日だとして、その日に振替出勤するなら、4月19日までに振替休日を取っておけば、4月20日に休日出勤した段階ですでに振り替え処理は終わっている状態になります。

振替休日というと、先に出勤して後から休日を振り替えて取る、というのが一般的なのでしょう。しかし、それを逆転させて、先に休日を取ってもらって、後から出勤してもらうというようにすれば、振替休日をどのタイミングで取るだとか、同一週内の起算日はいつになるのかとか、そういう複雑なことを考える必要がなくなります。

先に休みを取っているので従業員は安心ですし、会社も振替休日のスケジュールで悩むこともありませんよね。

職場の人たち全員が理解できるような分かりやすい労務管理の仕組みにする。ここが工夫のしどころなんですね。複雑さよりも簡潔さを優先する方が良策かと。

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