あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

休日の土曜日に出勤したら割増賃金は付くのか?

休日出勤

 

土曜日に休日出勤すれば休日労働になるか

休日に出勤したら、休日労働の割増賃金が付くだろう。そう考えている方もいらっしゃるのでは。本来なら休みになる日ですし、そんな日に出勤して働いたわけですから、何らかのインセンティブが付いてもよさそうなものです。 

例えば、月曜日から金曜日まで週5日で出勤して働く職場であるとして、1日あたりの所定労働時間は8時間。そういう職場で働く人がいるとしましょう。ちなみに土曜日と日曜日は毎週休みになると考えます。

月曜から金曜まで働けば、週40時間になりますから、この時点で法定労働時間いっぱいまで働いたことになります。 

この条件で土曜日に休日出勤したとするとどんなことが起こるか。

考えられるのは、週40時間を超えて働いているので、法定時間外労働に対する割増賃金が必要ではないかという点。さらに、休日に出勤しているので、それに対する割増賃金や手当が必要なのかどうか。この2点が問題となります。

 

休日に出勤したら必ず割増賃金や休日手当が付くのかどうか

休日労働の割増賃金は、法定休日に出勤すると付くものです(労働基準法37条1項)。中には「休日手当」という名称を用いている事業所もあるのではないかと。なお、ここでの法定休日とは、労働基準法35条1項で定義されているものです。

では、土曜日は法定休日なのかどうか。これは事業所ごとに違いがあります。

日曜日に休みが取れている状況で、土曜日に休日出勤したときは割増賃金を付けるところがある一方で、土曜日に出勤しても休日労働の割増賃金の対象にはならないところもあります。

25%以上の割増賃金は、1週間に1日の法定休日に労働したときに支給するものですから、法定休日に出勤したとなれば、休日労働の割増賃金は必要になります。

ならば、今回の例で、土曜日に出勤したとしたら、その土曜日は法定休日なのかどうかが考えどころです。

土曜日と日曜日が毎週休みになっている職場で、何らかの事情で土曜日に出勤することになった。この場合、土曜日は休日ですから、その日に出勤したなら、「世間的には」休日出勤になり、休日労働と解釈されます。しかし、休日労働の割増賃金が付くのかどうかはまた別の問題です。

事業所によっては、どの休日であったとしても、その日に出勤した場合は割増賃金を付ける。そういうところもあるでしょう。土日が休みのところで、土曜日に出勤し、日曜日は普段通りに休みが取れたという状況であったとしても、土曜に休日出勤したことに対して割増賃金や休日手当を付けている事業所もあるでしょう。

法定休日かどうかを区別せずに、休日に出勤したら全て休日労働と考えて、割増賃金や休日手当を支給する。そのように就業規則や賃金規程で決めている。これは事業所の任意で決めていいところですから、問題のない対応です。 

日曜日に休みが取れているなら、土曜日に休日出勤したとしても、この日は休日労働にはならないのですね、法律上は。なぜならば、この場合の土曜日は「法定外休日」と扱われるからです。

休日労働の割増賃金を付ける必要がある休日出勤というのは、1週間に1日も休みが取れずに働いたときに発生するものです。1週間の7日間、すべて出勤して働いたときは、7日のうちの1日分が休日労働になり、それに対して休日労働の割増賃金が必要になるわけです。

なお、休日を振り替えて、他の日に休みを取れるようにしたなら、必ずしも休日労働の割増点検が必要になるわけではありませんけれども、振り替えて出勤しないという前提であるならば、先ほど書いたようになります。

今回の例だと、土曜日は出勤して休日労働になっていますけれども、日曜日は休みが取れていますから、法定休日はちゃんと取れています。となると、土曜日の休日は法定外の休日、つまり事業所と労働者との間で決めた「自主的な休み」であって、雇用契約書や就業規則で定めてるのかもしれませんけども、法律で求められている休日と別のものです。

ゆえに、休日の土曜日に出勤した場合に割増賃金や休日手当を出すのかどうかは会社によって違います。就業規則や賃金規定、あとは雇用契約書の文言にどのように記載されているかによって判断します。

事前に約束した休日は必ず取れている。休日に出勤することは全くない。そういう職場であるならば、今回のような問題について考える必要はありません。

 

土曜日に休日出勤すると法定時間外労働の残業になる

休日労働の割増賃金や休日手当について考えるだけでなく、追加で土曜日に出勤すると、その分だけ1週間あたりの労働時間が増えますから、法定時間外労働が発生してるのではないか、という点についても考える必要があります。 

普段は1日に8時間勤務するところ、例えば、土曜日の休日出勤では4時間だけ仕事をすることになったとします。

月曜から金曜までの5日間で週40時間。土曜日の4時間を追加すると週44時間。40時間を超えた4時間が法定時間外労働になるわけです。

ここは法定時間外労働の割増賃金が必要になり、25%以上の割増賃金が必要になります。

ここで、「じゃあ、休日労働の割増賃金を支払った場合も、さらに法定時間外労働の割増賃金である25%以上の上乗せが必要になるのか」と疑問を抱くところです。

もし、土曜日を法定休日労働とみなして35%以上の休日労働割増賃金を支払っているならば、その中にはすでに法定時間外労働の割増賃金が含まれていますから、そこに25%以上を割増賃金を上乗せする必要はありません。

なぜこういう扱いになるかというと、休日労働は既にそれ自体が法定時間外労働として扱われているからです。休日労働は法定時間外労働であり残業と同じなんですね。

そのため、35%以上の休日労働割増賃金を支払っているならば、法定時間外労働の割増賃金は不要になります。

しかし、土曜日の休日労働に対して割増賃金や休日手当といったものを特に支払っていないならば、法定時間外労働の割増賃金を別で支払う必要があります。

休日労働として扱っていないならば法定時間外労働の割増賃金(25%以上の割増)で。休日労働として扱っているなら休日労働割増賃金(35%以上の割増)で。選択肢はこの2つです。

法定外休日に出勤した場合にどういう対応をするか。この点についても就業規則や賃金規程、雇用契約書でどう定めているかによって判断が変わります。

 

土曜日の休日を他の日に振り替えたら割増賃金は不要になる?

土曜日の休みがなくなったため、その代わりに別の日に休みを設けることで振替休日とした。休日を振り替えて取れるようにしたのだから、法定時間外労働の割増賃金も不要になるんじゃないか、と考えるところです。

しかし、振替休日を別の日に取っても、4時間分の法定時間外労働の割増賃金を支払う必要があります。週44時間労働になった時点で法定時間外労働が確定しますから、休日を振り替えて調整することはできなくなります。

もし、振替休日を利用するなら、労働時間が週44時間になる前に対処する必要があります。土曜日に出勤する可能性が高まったから、例えば、その代わりにあらかじめ水曜日を休みにしておいて、労働時間が週40時間以内になるように勤務シフトを事前に調整しておきます。先に休みを取っておいて労働時間に余裕を作る方法ですね。

普段の時間の半分、4時間だけ土曜日に休日出勤したとなったら、その補填として振替休日を取るとなると、4時間分だけ時間単位で休日を取るのが良いのか。それとも丸1日休んでそれを振替休日とするのがいいのか。ここは判断が分かれますね。

4時間だけ休むという中途半端な状態を本人は望んでいるのかどうか。休むなら丸1日休んだ方が気が楽ですし、中途半端に4時間だけ出勤しなきゃいけないというのも手間です。通勤時間もなんだか無駄な感じですし。

じゃあ丸1日休めばいいんじゃないかとなりますけれども、それだと4時間分の労働時間が不足するので、それに連動して給与が変わるのかどうか。

めったに休日出勤しない職場だったら、4時間分の振替休日と時間単位の年次有給休暇を組み合わせる、そういうトリッキーな対応方法もあるかと思いますが、そこまでして対応することなのかどうか。

中途半端に4時間だけ出勤するより、丸1日休んでもらった方が本人も納得するのでは。休みが増えたと思えば悪くない提案です。

他の対処法としては、土曜日に4時間だけ出勤している日であっても、普段と同じように8時間出勤したものとみなして給与を払うのもアリです。休みを潰して土曜日に出勤してもらったわけですから、4時間だけ働いているとしても普段と同じ給料にしておく。実質的に休日出勤の手当てが含まれてるようなものですね。休日出勤のインセンティブと考えるのもいいのでは。

使用者、労働者ともに、お互いが分かりやすく納得しやすい結論を模索する。労務管理の面白いところです。

休日割増賃金を自動で計算してくれる給与計算ソフトとは?
給与を計算するときは、基本給だけを計算するだけじゃなくて、割増賃金も計算して含めていかなければいけないものです。手作業では面倒ですし、計算間違いの原因になります。割増賃金を自動で計算してくれる給与計算ソフトならば、そのような煩わしさもありませんよね。
あやめ社労士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : i@growthwk.com
お問い合わせはこちらから

© あやめ社労士事務所