あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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マイナンバーカードの電子署名を押印の代わりに使える?

電子ハンコ

 

 

ハンコで押印する代わりに電子署名を使いたい

会社なりオフィスから離れ、リモートワークをしていて、書類に押印する代わりに電子署名を使えないか。そう考える方もいるのでは。書類に認印を押すだけだったら、ハンコを使うのではなく、何か別の方法で代替できないかどうか模索したくなります。

インターネットを経由してハンコを押す技術もあるようですが、マイナンバーカードを使った電子署名をハンコの代わりにできるのではないかと。

電子署名を押印の代わりに使いたい人もいるでしょうし、それが可能であれば、押印するために会社に行く必要も減ります。重要な書類は印鑑を使うとしても、確認しました、見ました、閲覧しましたという意味合いの押印ならば、便利な電子署名で済ませたい。リモート環境なら、なおさらそう思うもの。

物理的に押印する必要がなければ、ネット経由で電子署名をつけて書類を送り返すことで、「この書類を見ましたよ」という形にする事ができます。自宅の近所で渡し合う回覧板も、ハンコを押して次の家に渡すわけですが、あのような押印を電子署名で代替できないかが考えどころです。

電子回覧板と電子署名を組み合わせる。そんな回覧板も作れそうですよね。

職場でも、なんだかんだと理由を付けて、「ここにハンコを押して」と求められる場面があります。よく考えずに、ポコポコと押して、「この押印、必要なんだろうか」と思うことも。

では、電子署名を書類(PDF文書)に付けることで、認印や押印の代わりとすることができるのかどうか。

 

 

マイナンバーカードに電子署名で使う電子証明書が入っている

電子、電子と連用すると、ちょっと混乱するのですが、マイナンバーカードには電子証明書という身分証のようなものが入っていて、署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類あります。

総務省|マイナンバー制度とマイナンバーカード|公的個人認証サービスによる電子証明書

e-Taxで使うのは署名用電子証明書で、実際に利用した方もいらっしゃるのでは。コンビニで住民票の写しや印鑑証明書を印刷するときに使うのは利用者証明用電子証明書。

利用者証明用の電子証明書は、インターネットサービスにログインなりサインインするときに使うようなもので、ID やパスワードを使う代わりに、電子証明書と暗証番号でサービスに入る、そういう使い方が想定されています。マイナンバーカードでtwitterにログインするとか、Yahoo!メールにログインするとか、実用化はされていませんが、仕組み上はできるようです。

一方、署名用の電子証明書というのは、作ったPDF文書は、私が確かに作った書類ですよ、ということを証明するために、PDFと一緒に署名用電子証明書を相手に送ると、ちゃんとその人が書類を作って送ってきたんだ、ということが分かるようになっているのです。いわゆる「なりすまし」を防ぐ効果があるわけです。

さらに、印影も付けると、さも承認印のように電子署名を使えるように思えます。職場で、書類に押印する場面、ありますよね。そういう場面で使えるのではないか、と思ってしまうところです。

身分証明書として使ったり、住民票の写しや印鑑証明書をコンビニで発行するときに使うのがマイナンバーカードだと思われているフシもありますけども、自分が作った書類に対して署名をつけて、私が作ったものですよと証明することができる機能もあるのですね。

 

 

電子署名を付けると4つの個人情報が相手に伝わってしまう

PDFに自分の電子署名を付けて相手に送ると、こちらが送った事は確かに証明できるし、文書に電子署名を付けているということは、その人が文章作成したのだろう、ということも分かりますから、その点はいいのです。

署名付きで文書を送ると、電子署名の中身が相手方に見えるようになっています。その電子署名の中には、氏名、性別、さらに生年月日と住所が記載されていて、電子署名を付けた文章を相手に送ると、それらの4つの情報も相手に送られます。

この4つの個人情報を「基本4情報」と言います。書類に電子署名を付けると、この基本4情報がまとめて相手に送信されてしまうわけです。この点が、ハンコの代わりに電子署名を使いにくい、壁のようなものになっているところです。

「この書類を見ましたよ」という形の電子署名は付けられますけれども、氏名以外の情報が相手に伝わっても良いのかどうか。ここが悩みどころです。

書類を送る相手に自分の生年月日を教えてもいいのか。自分の性別を教えてもいいのか。さらには、自分が住んでいる住所を相手に伝えても大丈夫なのか。

氏名が相手に伝わるのは大丈夫ですよね。職場や取引先とやり取りする文書を匿名で送るわけにはいきませんし、そんな得体のしれないものは受け取れません。ですから、氏名を電子署名と一緒に送信されるのは構わないのです。問題は、他の3つの情報です。

氏名だけが相手に伝わるなら、実害はおそらくないでしょう。職場の人でも、取引先でも、お互いに名前を知っているものでしょうし。

しかし、生年月日が知られてしまうと、自分の年齢が相手に知られてしまいます。人によっては、生年月日を知られても、年齢が判明しても別にいいじゃないか、というタイプもいますけれども、自分の年齢をごまかすために、サバを読むような人が現実にいるぐらいですから、積極的に生年月日を人に他人に教えたいと思う人はそういないのではないでしょうか。

性別は、近頃ではセンシティブな情報として扱われ、申込書や申請書などでも、自分自身の性別を記入する欄がないものもあるぐらいです。相手の性別が男なのか女のかを聞くのは、あまりよろしくないという雰囲気になっています。

LGBTへの対応が職場でも求められているわけですし、そんな中、安易に他人に対して自分の性別をホイホイと伝えてしまうのはマズい。

後は住所ですけれども、仮に職場で文書をやり取りする際に、電子署名を付けるとしても、よほど親しい相手でない限り自分の住所を教えることはないでしょう。

普段から仲良くしている同僚だとか上司の方だったら、お互いに住所を知っているのかもしれませんけれども、それ以外の職場の方の住所は知らないもの。

お正月に年賀状を送るには相手の住所が必要になりますが(住所を知らなくても送れる年賀状、そういうサービスもありますが)、お互いに職場で住所を気軽に教えるようなこともなくなってきましたから、年賀状を送りたくても送り先が分からずに送れないことも。

住所が相手に伝わると、ストーカー被害を受ける可能性もありますね。女性の部下の住所が男性の上司に知られてしまえば、職場内でストーカー被害が発生する可能性がありますし、セクハラなど思わぬトラブルも起こりかねない。

解決法としては、氏名だけ送信できるようにしたらどうか。

電子署名を付けるときに、チェックボックスで4情報を選択できるようにして、氏名、性別、生年月日、住所のどれを相手に送信するかを送信者が選べるようにします。

個人データを自分でコントロールしていくのが主流になっていますから、基本4要素の4つ全てを常に送信するのではなく、どれを送信するかを送信者が選択できれば、電子署名を押印の代わりに使えそうです。

 

 

電子署名に付随する基本4情報のうち、どの情報を送るかは送信者が決めたい

基本4情報の全てを選択の余地なく送るのではなく、どれを送って、どれを送らないかを署名時に選択できるならば、認印の代わりに電子署名を使えるのではと思います。

氏名と印影をまとめて電子署名を付けるだけならば問題は起こらないでしょうが、他の3情報をセットにされるとなれば、電子署名を利用するのに二の足を踏んでしまいます。

マイナンバーカードで電子署名を付けると、4情報がセットになって相手に送信されてしまう仕様になっているので、これを選択制にして、情報を送信する相手が行政機関であるならば、4つ全ての情報を送るように求めて(不足したら申請を不受理にする)、職場内や取引先との文書のやり取りでは、氏名情報だけを付けて電子署名を使っていくのが良いのではないでしょうか。マイナンバーカードに入っている電子署名用電子証明書の仕様が変われば実現できるはずです。

行政機関に対しては厳格な証明が必要でしょうし、企業内や個人間でのやり取りならば緩やかな証明で足りるのではないかと。

 


公的な証明書をオンラインで請求できるのは便利

東京法務局へ成年後見関連の証明書である登記されていないことの証明書を請求するとき、郵送請求とオンライン請求を選択できるようになっていて、以前は郵送請求を用いたのですが、オンラインで請求すると、どのような手順になるのかを知りたくて、オンラインで証明書を請求してみました。

東京法務局が登記・供託オンライン申請システムのウェブサイトで用意しているソフト(申請用総合ソフト)を利用すると、申請書を作成して、電子署名を付けるところまで一括して済ませられるようになっており、郵送請求で必要になる送付用封筒、返信用の封筒、切手、収入印紙を用意する手間、さらに、それらを送付する時間も省けます。

申請用総合ソフト上で申請書のPDFを作成し、マイナンバーカードを使って電子署名まで付けられる優れものです。証明書を発行する料金は、オンラインバンキングのPay-easyで支払えます。

郵送だと、必要な書類を封筒に入れて、東京法務局に送ってから証明書が送り返されてくるまで1週間ほどかかります。一方、オンライン請求だと、手続きしてから3日後には証明書が届きました。

オンライン請求のための事前準備が面倒ですが、申請用総合ソフトを使うと、申請書を作って、電子署名まで付けられるし、証明書も早く手に入りますから、便利なものです。

PCにICカードリーダーを接続してマイナンバーカードを読み取る必要があり、環境を整えるハードルは高いですが、オンライン請求を一度経験すると、今後はオンラインで済ませようと思えます。

 

ソニー 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S380

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  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: Personal Computers
 

 

余談ですが、USBハブ経由でICカードリーダーを接続すると、電子署名を付けられませんでした(ちゃんとカードをICカードリーダーに挿入しているのに)。USBハブ経由ではなく、ICカードリーダーをPCに直付けしたら正常に動きました。

 

 

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