2009/12/11【36協定の「延長時間の限度」に意味がある?】





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年賀状は12月25日までに出してくださいとお願いしても、30日や31日に出す人がいますよね。

郵便局も「26日以降に出した年賀状は元旦には届けない」とすれば良いのでしょうが、31日に出した年賀状でも翌日に届いたりするんですね。

さすがに他府県だと無理でしょうが、同じ市町村同士の年賀状のやりとりならば、翌日配達もしてくれたりします。


たった60円でsuper express配達されるのだなぁ、と思ったりします。






■36協定の「延長時間の限度」に意味がある?◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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割増手当を払って限度時間を超える会社。
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■36協定の限度時間は「法律」というよりも「告示」。


法定時間外に勤務したり、法定の休日に勤務するためには、36協定を届け出る必要がありますよね。

ちなみに、36協定を届け出ずに、時間外に勤務させたり、休日に勤務させたりすると、たとえ時間外手当や休日手当を支給していても法的にダメとなります。


また、36協定では、時間外に勤務する際の限度時間を定めるようにと労働基準法36条2項で決めています。

ただ、時間外勤務の限度を定めるといっても、労働基準法で定めているわけではなく、厚生労働省からの「告示」で定めてるもので、法的に拘束されるとまでは言いにくい規則なのですね。なお、告示とは、政府や地方公共団体などが広く一般に向けて行う通知のことです。

ゆえに、36協定の限度時間の基準は法律と同視するまでには及んでいない、と考えるのが普通の解釈です。

そのため、36協定の限度時間を超えて勤務したとしても、労働基準法違反とまでは言えず、労働局や労働基準監督署が指導したり助言したりする程度にとどまります(労働基準法36条4項)。


そこで疑問を抱くのは、36協定の届出は行っているものの、時間外の限度時間を超えて社員さんが勤務をしている会社がどうなるのかという点です。

もちろん、36協定の限度時間を超えると指導されるのですが、時間外の手当をキチンと支払った上で限度時間を超えている会社もあるのですね。

つまり、時間外勤務の限度時間を超えているものの、全ての時間外勤務に対して間違いなく時間外手当を支払っている会社はどうなるのかということです。



「手当はキチンと支払っているので問題はない」と考えるのか、

それとも、

「確かに、手当はキチンと支払っているのだろうけれども、限度時間を超えて勤務させているのはやはりダメ」と考えるのか。


分かれますね。









■時間の限度を超えているけれども、手当はキチンと払う会社。



私は、個人的には前者を支持したいです。ただし、法的には後者が正しいです。

なぜ、「手当はキチンと支払っているので問題はない」という考えを支持するかというと、「誰も困っていない」と考えるからです。

つい最近までよく話題になっていた「時間外手当(残業代)の不払い」とは違って、上記の会社ではキチンと時間外手当は払っているのですから、「労務の提供と対価の支払い」がバランスしており、あえて改善することもないだろうと思うのですね。

ただ、時間外の限度時間を超えて勤務しているとなると、社員さんの健康上は良くないという点はあります。



しかしながら、36協定の延長時間の限度を超えているけれども、手当は間違いなく支給しているような会社を強く指導できるかというと、これは困難です。

「時間外勤務の対価はキチンと支払っているから、いいだろう?」というのが会社の言い分でしょうから、この主張に反論するのは容易ではないです。

残業代の不払いだったら容易に指導できるのでしょうけれども、手当の不払いがない会社を指導するのは、しっかりとした取っ掛かりが無いところを指摘していくものですから、やりにくいのです。


ここで、「36協定の限度時間による規制には効果があるのだろうか」と思えてきます。

36協定では、「限度時間の基準を定める」とは書かれているものの、具体的な基準までは書かれていません。具体的な基準を示すのは、厚生労働省の告示によるもので、1週間で15時間とか1ヶ月で45時間という基準は、労働基準法ではなく厚生労働省の告示で定めているものなのですね。

つまり、労働基準法の中に組み込まれていない基準が現場でどれほどの効果を持つのかが疑問なのです。

以前、労働局の方に、「延長時間の限度を超えで勤務したらどうなるのですか?」と聞いたことがありますが、「指導します」とのことでした。

もちろん、指導そのものにも相応の効果があるのでしょうけれども、限度時間の超過に対してはさほど強い処理はしなさそうでした。


「時間外手当の不払いではない。しかしながら、延長時間の限度を超えている」という会社に対してどのように指導するのか私は知りたいです。

私ならば、「社員さんの健康」とか「労災が発生しやすくなる」という側面から指摘する程度でしょうか。










■手当を払えば問題ないけれども、、。



ちなみに、36協定には、通常版のものと特別版のものがあります。

そのため、限度時間を超えるとか超えないという話になると、「特別条項付き36協定があるから大丈夫では?」と単純に反応する人もいるのですね(社会保険労務士の人でもいました)。

確かに、特別条項付きの36協定を利用すれば、時間外の限度時間を超えて勤務することも可能です。

これは事実です。


ただし、限度時間を超えて勤務できるのは「臨時のとき」だけなのですね。

つまり、36協定の有効期間は1年ですが、1年中ずっと限度時間を超えて勤務することはできないのです。

「特別条項付き36協定があるから大丈夫では?」と単純に考えた人は、特別条項付きの36協定を1年中ずっと使い続けることができると思っているのですね。


特別条項付き36協定の詳細については省略しますが、特別条項付き36協定を届け出ているからといって「常に限度時間を超えて勤務できるようになる」と考えてはいけません。


特別条項付きの36協定については、こちらのサイトのページ後半を読むと、ザックリと理解できます。(参考:http://www.kana-rou.go.jp/users/kijyun/36kyotei.htm



ゆえに、「時間外勤務の限度時間を超えているものの、割増手当を間違いなく支給している会社」をどうするかという問題が難しいのです。

特別条項付きの36協定を使って処理しきれないですし、時間外手当の不払いを指摘することもできない、さらには、36協定の限度時間は労働基準法ではないという点もある。


ちなみに、改正労働基準法では、「60時間を超える時間外勤務には50%の割増手当を」と決めているようですから、「手当を払えば限度時間を超えてもイイヨ」と公認する方向へ向かっているのでしょうか。



ん~、、、悩みますね。







┏━━━━━━━━━━☆★ 編集後記  ★☆━━━━━━━━━┓




「滋味溢れる年末年始」というものに好感を抱きます。


年末年始というと、パーティーとか師走とか、クリスマスとか、ナンダカンダと浮き足立つ時期なのですね。

ただ、「年末年始に浮き足立つ」ことに対して私はなるべく距離を取ろうと思っているのです。

何か、「もう12月だから! 後少ししか時間がないから! 何かやらなくっちゃ!!」という訳の分からない焦りが好きではないのです。

「やり残したことをやる」みたいなセコイ発想。


12月の段階で目的を達成できていないということは、もはや達成不可能ということ。

達成したいと思っていたならば、なぜもっと早い段階で消化しなかったのか。


デキナイ人ほど「もう12月だから! 後少ししか時間がないから! 何かやらなくっちゃ!!」などと言って、周りの人の心まで掻き乱すのです。

テレビやラジオまで「今年も残すとこあと14日!!」などと言って、人を焦らしたりするんですね。

こりゃイカンですよ。



ゆえに、私は、悠然と年末年始を過ごす人をカッコいいと思うのです。

深く呼吸しながら、コタツで蜜柑を食べるなんてのがイイ。






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